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【0848】NewSchool進化思考Vol.2

以前「イノベーションの本だと思ったら、サステナブルの本だったかもしれない」と書いたことのある名著「進化思考」。

NewSchoolで太刀川さんが講義を持たれるということで参加してきた学びメモシリーズ第二回です。

NewSchool進化思考

○解剖

本日は進化思考の中でも「解剖」をやってみる。ということにチャレンジ。解剖は、対象Xがどういうものからできているのか、ということを分解して解剖していくというプロセスで、そのものへの理解を深めていく思考。

全員で試しにやってみたワークは「学校」。これを解剖していくと、

校舎・生徒・教室・職員室・プール・授業・カリキュラム・学食・指導要綱・PTA・教科書・教育委員会・椅子・校門・動物の飼育・夏休み・宿題・・・

と色んなレイヤーのものにバラバラバラーっと解剖されていくわけですが、これらを細胞で言うところの「膜」で括っていくと、それらが分類化して、全体像がつかめていく。という状態になりました。

校舎という入れ子の中には、教室や職員室が入るし、カリキュラムという入れ子には指導要綱や授業や夏休みなんかも入ってくるかもしれない。そういう全体像を整理していきました。

○解剖の理由

分類できたら、今度はその解剖されたものたちがどんな「WHY」を持っているのかを書いていくというワーク。

これはテーブルがわかりやすいので、テーブルで言うと、天板という部位のWHYは、モノが置きやすいということが考えられるし、さらにWHYを高めると、作業がしやすいとか・家族のやすらぎをつくるのような抽象度の高い目的や理由が現れてくる。

という状態になります。

ここまでですでに、「我々が作っているのはテーブルではない、家族の安らぎだったのかもしれない」とクリエイティビティの一端を感じるような問いに昇華できそうにも思いますが、この「解剖」は、物事を秀才的に観察する「適応」の中のワーク。これらの全体像を分解して解像度をあげた上で、今度はバカになっていくというワークにループしていく構造を持っているのが、改めて進化思考のすごいところだなと思います。

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https://nosigner.com/evolution-thinkingより

○系統:分類

適応の中のもう一つの思考「系統」。これは、過去の歴史からその対象Xの系統を整理していくものになりますが、そのための準備として「分類」ということを行いました。

そのものが類するものをひたすら書き出していくというワーク。例えば、先ほどの学校で言うと、

小学校・寺子屋・部活・カルチャースクール・インターン・学童・テスト・スポーツクラブ・・・・・・

と学校に類するものがバーっと洗い出されていくワーク。

このあと、勝手に一人ですごいなと思っていたのですが、こうやって類するものをバーっと洗い出しただけのつもりなのに、これが歴史を紐解いて、系統樹に置き換えていくことができそうに感じるというのが、思考の流れとして鮮やかなスムーズさを持っているなと思います。

と、そのスムーズさを感じていたのは、実は学問の成長もそういう構造だったそうで、進化論もはじめはみんな生物の分類をしていた。というところからはじまり、分類しているとどうやら、何か全てが分類できることではなく、生き物は変化し続けているのではないか。と気づいた人がいて、そこに系統的な歴史を見出すと進化の系統になっていった。という歴史があるそう。

思考法を通じて、歴史の偉人たちの考え方とリンクしたような不思議な気持ちになりました。

次回からは、この系統、そして変異のワークになっていきます。

●反転学習

このスクールは、主に反転学習の方式で進められていて、事前に自分でどんどんワークを進める人は進めていき、出てきた疑問を講義でぶつけながら進めていくというやり方で進んでいきます。

これがめちゃくちゃ学びになります。

ある程度自分で叩いてきたあと、一度冷ました状態で、また叩く。ということを繰り返すことで、新たな発見につながったり、冗長だったところに気づいたり。

そして何よりも、事前の学びを繰り返してきた他のメンバーの方の質問が全てめちゃくちゃ学びや気づきにあふれています。

●質疑がエライことになる

反転学習方式で進めるため、講義に入る前に質問からスタートするという進め方になりましたが、この質疑というコンテンツがとてつもない広がりを見せる構造になっていました。1時間以上質疑でもまだまだ足りない。問いが問いを生み、土曜の朝から問いに酔っ払う気分になりました。

例えば、進化思考はAIのGANと似ているんじゃないかという話や、強化学習とも似てるよね。ただ、AIは適応の時空観マップのようなものを持っていないから、もしかするとそれがあるとAIに感情とかを感じる進化がありえるんじゃないか。とか。

これ実はAIの世界でも、AIに意味を理解させる状態を持てないかという研究があったように思いますし、AIの歴史を遡れば、実は最初は全ての情報を保持する情報量のマップをつくるという適応的な方向から研究が進んでいたということも。それだと精度が上がらなかったところに「変異」的アプローチを取り込んだのが機械学習や深層学習でもあり、そこから今度はやはり「意味ネットワーク」を持てるのではないかというループしている構造も、これも進化思考のループに近い現象ですね。

いやー、学びが尽きない。

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