【0744】透明性と匿名性を保つサーキュラー・エコノミーのための情報統一
ideasforgoodさんでウェルビーイング特集がされていて、気になっていたのですが、まだすべては読めず。その中の一つにブロックチェーン技術を使って、どこで何が作られているのかを証明するサービスで透明性と匿名性が両立できるというものが紹介されている記事がありました。
「リサイクル」というものだけに限ったとして、リサイクル業者がもっとたくさん増えればサーキュラー・エコノミーは成立していくのかというとそうでもない。リサイクル業者に対象物が届いたとき、それに何がどう使われているのかは、実際は解体をしてみて中を見るか、製造メーカーに問い合わせるかという方法になるそう。
このとき、製造に関する情報が一元管理できているプラットフォームがあれば。おそらくスムーズにこの製品に何が使われていて、どういうリサイクルをすべきかわかると思います。ただ、「何が使われているか」という情報は、ある意味企業秘密。使われているものがどこで製造されているかという情報も企業秘密。製品に関する情報は、競合優位性を保つための企業秘密に溢れているそう。
こういった、情報のトレーサビリティが重要という話はよく耳にし、ブロックチェーンでそれを実現というニュースも何度か見ていましたが、「ブロックチェーンで守らずとも、みんなが情報を書き込むプラットフォームがあれば、難しいことはしなくて良いんじゃない?」と思っていました。いやいや、そういうわけにもいかないんだよ。というのが、この記事の説明でわかります。
透明性と匿名性
サーキュラー・エコノミーをあらゆる産業で実現するには、この情報の透明性と匿名性を両立させる必要がある。で、その両立された状態ってどういうこと?というのがいまいちよく分かっていなかったのですが、すごくわかりやすく書いてくれているところがありました。
この課題を同時に解決するために私たちがたどり着いたのは、暗号学でも新しい分野の「ゼロ知識証明(Zero-Knowledge Proof)」と呼ばれる技術です。このゼロ知識証明を用いると、私の誕生日を開示することなく私が18歳以上であることを数学的に証明することができます。
このとき、誰も私のインプットする情報を見ることはありません。そして、仕組み上私は虚偽の入力をすることはできません。見る側の人は、私が「18歳以上である」という条件に当てはまり、これが事実であることだけがわかります。
前述の「ブロックチェーンで守らずとも、みんなが情報を書き込むプラットフォームがあれば、難しいことはしなくて良いんじゃない?」という状態が、「私は18歳です」という申告をただただ信じるという方法。これだと、嘘をついていたとしてもわからない可能性はかなり高い。
「生年月日を見せてください。」というのが一つの解決策で、免許証等で証明はできると思いますが、この生年月日という情報が、仮に極めて気密性の高い情報だった場合、この証明は非常に難しくなる。
それが、仕組み上、生年月日を伝えなくても「18歳であることは事実」ということが証明できるのがこのサービスに活用されている技術だそう。
製品づくりのための情報であれば、ちょっとしたことでもこういった開示できない情報は非常に多そうです。
FacebookではなくEメールを
さらにこのサービスの目指すところがすごいのが、このプラットフォームを1社で独占するというのをやらないようにしている思想だということ。例えとしてFacebookではなくEメールのような情報のやり取りとすべきということでした。
どんなツールや入り口だったとしても、共通の規格やルールに基づいてやり取りをしていれば、互いの環境を問わずに情報のができる状態。
それが、サーキュラー・エコノミーには必要とのこと。確かに。
ポルシェとの取組
サプライヤー同士での活用ではなく、ユーザーがアプリを通じて、自分のポルシェがどんな作り方をされているかが見える化するというものがポルシェとの取組であるそうで、ムービーも公開されています。
サーキュラー・エコノミー、バイオ的なテクノロジーだけじゃなく、ブロックチェーンなどのソフトウェアテクノロジーでも最新技術を駆使していく必要がありそうですね。
ideasforgoodさんのウェルビーイング特集の他の回もまた見てみたいと思います。