【0309】目標16:平和と公正をすべての人に
SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。
目標16 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、全ての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
平和と公正の目標です。目標のタイトルだけだと目標10の不平等と何が違うんだろう?となりそうですが、目標10の不平等は主に「所得」の不平等をなくす目標で、こちらの目標16は「暴力に関するもの」をなくすための目標です。
という殺人や紛争、虐待などのあらゆる暴力を撲滅するというターゲットや、
法の下の平等に関するターゲット、他には違法な資金の流れによる武器の流通を防ぐターゲットがあったり、汚職や賄賂をなくすというものもあり、悲しい状況を無くすという問題を撤廃する方向のターゲットが前半に並び、後半にはどちらかというと「安定した暮らしをおくるために必要な機関や仕組み」の作ることがターゲット化されています。
例えば、こんな出生登録・身分証明という仕組みがターゲット化されているなど。
○武器や兵器はなくならない前提
ターゲットを見て分かる通り、武器の存在そのものは否定されていません。あくまでも「違法」な武器の流れを止めることです。また、あらゆる暴力を無くすなら、「核兵器をなくす」という意欲的な目標も立てれたと思いますが、そこまでにはSDGsでは至れていないという状態です。
地政学的なことも影響はしていて、建国の歴史が武器を手に取り戦ったことで自分たちの国の権利を勝ち得ているという場所では、武器は必要なものでなくなってはいけない権利として意識の中にあるのかもしれません。
例えばアメリカ。こんな銃が開発されているそうです。
銃がなくならない前提の社会では、正義のための武器ではなく、悪意や事故によって人を殺してしまう道具になることも。子どもが遊んでいて銃で死んでしまったり親を撃ち殺してしまったりという事件もある。
そんな状況に、せめてできること、としてスマートガンが注目されているそうです。※思いをもってスマートガンの研究をしていると「銃を作るとは何事だ」とアメリカでさえ罵られるそうですが。
○実はこれまでの延長線上?
平和に関する目標は、中身を見ると実は今やってきていることの延長線上のものが多いように思います。民主的な国家を目指す機関や仕組みや、違法な武器や資金を無くすことなど。
考えてみれば、今の社会でもそらできた方が良い。と思えることがたくさん。
それだけ、この目標の理想像は「こんな状態が良いよね」というのは、みんなわかっているものということ。それでも実現できていない現実がある。それを解決する方法を探すことが、新たな問いかもしれません。この目標16は、それのみの達成に向けた行動よりも、ここに書かれている課題がなぜ起こっているのか、つながりを断つことが目標達成につながる目標だと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?