【0085】目標10「人や国の不平等をなくそう」

本日は、目標・ターゲットを見てみたシリーズ。目標10を見てみました。2030アジェンダの原訳文は「各国内及び各国間の不平等を是正する」です。

ほぼ収入の話

不平等撤廃についての目標ですが、書かれているターゲットの中身は、ほぼ「収入の格差を減らす」ということが多かったように思います。その中でも、気になったものをいくつかピックアップすると、

<ターゲット>
10.1 2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。
<指標>
10.1.1 1人当たりの家計支出又は所得の成長率(人口の下位40%のもの、総人口のもの)

一番目のターゲットでさらっと書いていますが、下位40%の人の収入の上がり方が、全体平均よりも上回る成長率の実現でかつ、それを持続するとのこと。年収が高くなればなるほど、まあ前年よりもさらに稼ぐのは大変になってくるので、年収が低い人の方が上げやすいという単純計算もできますが、実際には、年収が高くなると、より稼ぎ方を知れるイメージはあるので、この一つのターゲットだけとっても、達成ししかもをそれを持続させるのはかなり難しいんじゃないかと思いました。

この後は、収入の話がつづき、宗教や性別・障害・人種に関わらず全ての人の能力強化国際的な人権法で禁止している差別等を受ける人がいなくなるようにというターゲットが続きます。
SDGsの各国の具体的な行動や成果目標は、その国に任せられているということなので、その国の文化や慣習としてこういったことが成果目標に入りにくいこともあるかなと思うので、国が定める目標を第三者で評価するという取組の重要性が伺えます。

国家間の不平等は援助

国の不平等ということについても触れられている目標ですが、その解決方法はおもにODAなどの資金援助、そして

<ターゲット>
10.6 地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。
<指標>
10.6.1 国際機関における開発途上国のメンバー数及び投票権の割合

こういった、重要な意思決定の行われる場に開発途上国がきちんと参加でするようにする。というものがターゲットに記載されていました。

お金のチカラ

平等・不平等の大きな原因として捉えられている収入やお金。もともとは人間が便利にやり取りを行うために開発された単なる手段・道具のはずですが、影響力が大きすぎて、お金のチカラに振り回されているのが今の世の中なんだなと、改めて感じます。信用経済やブロックチェーンなど、この状態に一石を投じる技術や考えもはじまりつつあると思うので、「平等・不平等」を語る指標として”お金”の話がメインになっているのが、古臭く見える時代が来るかもしれないですね。

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