【0293】目標1:貧困をなくそう
SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。
目標 1 あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
からはじまる貧困に関する目標。アジェンダの冒頭でも「あらゆる形態のすべての貧困を終わらせる」ということが書かれているくらい、SDGsの全体の中で最も解決すべき課題として位置付けられています。
目標の1番目なのも、1.1に絶対的貧困(極度の貧困)の解決が位置付けられているのもSDGsの意志の集約だと思います。
◯目指しているのは"格差"の是正
絶対的貧困と相対的貧困という言葉があり、それらも「あらゆる形態のすべての貧困」のうちの一つです。
相対的貧困とは、一つの国の中で大多数より貧しい状態のこと。
所得で言うと、「国民の所得の中央値の半分未満」だと相対的貧困と言われているそうで、日本の場合では年収が約122万円以下の場合だそうです。
7人に1人
これは日本の相対的貧困の子どもの割合。35人クラスで5人いる計算になります。
↓こんな記事もあり「アンダークラス」と呼ぶ層の考え方もあるそうです。
1日1.25ドル未満では暮らしちゃいないけど、日本の中で暮らすにはなかなか厳しい。そういう状態の人もなくしていきましょう。というターゲットが、1.2や1.3、1.4に設定されています。
このターゲットをクリアして、富の再配分が機能し、格差是正につながれば、相対的貧困という状態は減っていくことになるという思いでのターゲットと指標ですね。
◯貧困は個人の責任じゃなく、世代間で引き継がれる
この目標の中にはよく「貧困層・脆弱層」という言葉が登場します。
全員に平等にではなく、特に貧困・脆弱層に配慮するべしということがターゲットのそこかしこに記載されているんですが、それは、貧困を個人の責任だけの問題としていない発想があるからだそうです。
貧困は世代間で連鎖しているという調査もあり、貧困がゆえに教育機会が減り、教育機会が減るがゆえに、選べる職が減り、という風に次の世代に連鎖していくという状態。どこかでこの連鎖が断ち切られれば、次はプラスの連鎖が働くことになるので、より配慮していくのが社会全体にとって合理的という考え方です。
合理的配慮に関しては、障害のシーンでよく出来ていると有名な下記のイラストがありますが、
http://sam-eatlab.blog.jp/archives/13878807.htmlより
相対的貧困についても同じことが言えると思います。合理的な配慮や環境の改善があるだけで、そのハンディは無いものと同じように過ごせ、貧困の世代間連鎖が断ち切られ、社会全体の格差是正につながる。という感じ。
◯貧困の目標だけど防災に関するターゲットも
ターゲットのなかには
こういったものもあり、指標に記載のあるように本来ならまちづくりの目標の中に記載されるようなことも書かれています。
【貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し】というところが、おそらく貧困の目標の中で記載される理由で、格差が是正されていない社会では、災害が起こった時のレジリエンス(災害後の復旧の速さやビルドバックベターの発想でより良く復旧すること)が難しいというのが大きな理由だと思います。貧困層・脆弱層に合理的配慮のある施策をしておくことが社会全体でのレジリエンスにつながるというのは、例えば感染症に関する災害を想像すると、その対策の在り方はめちゃくちゃ分かりやすいかもしれません。
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