【0287】SDGs✕Tech:農林水産省がフードテックに備えはじめてる?

農林水産省のリリースで、多様なタンパク質の供給に向けた「フードテック研究会」の設置及び第1回会合の開催についてというものが掲載されています。

数あるフードテックの中でも「タンパク質供給」に絞ったフードテックの研究会ということで、内容は非公開ではありますが、年央(6月くらい?)には中間発表があるとのことなので、どんなものか見ておきたいと思います。

視点から見てみると?

なんで研究会立てたの?の視点からも考えていることはわかるかなと思います。
・世界の人口増に伴う食肉等の畜産物の需要増加
・高齢社会の中でのフレイル予防等のための十分なタンパク質摂取
・おいしさと安定供給の両立
・食料安全保障上のリスク低減の模索
というあたりが挙げられています。だいたいは、まあそうか。という感じですが、「高齢者の健康増進のためのタンパク質」というのが、タンパク質テック系では意外な理由ですね。
日本の省庁で研究会が立ち上がっているのも、そういう点がよく議論されているのかもしれません。

ちなみにフレイルってなんや?と思ったので調べてみると

健康な状態から要介護に至るまでの間の中間時期を「フレイル」と呼ぶそうです。様々な兆候があり、その状態を見逃さないことで早期治療にもつながるし、対策が打てるようになるということだそう。
これに向けて、タンパク摂取が大事とは。

議題から見てみると?

話されている議題は
(ア)研究会の目的、問題意識(農林水産省)
(イ)タンパク質供給に関する新たなビジネスの情勢
(ウ)タンパク質供給に関する動向(倫理的・法的・社会的課題の検討状況)
がメインです。ビジネスの情勢というところは、
インポッシブルフーズとか、昆虫食、3Dフードプリンター、スマート畜産などなどでしょうか。

過去、こんな「タンパク質関連Tech」というイベントも行われているそうで、このあたりの情報や識者が集まってお話されているのかもしれませんね。

価格変動の安定した魚粉代替飼料
2054年には世界のタンパク質消費量の実に3分の1が、微細藻類や昆虫などの新たなタンパク質となる可能性
藻類なども代替タンパク質の原料として注目されていますね
青森県の弘前大学では、サケの鼻軟骨からプロテオグリカンを大量かつ安価に精製する技術を開発し、様々な大手企業と商品の共同開発を進めています
同じ弘前大学の研究なのですが、青森県は山芋の産地でもあって、山芋にはディオスコリンという成分が大量に含まれています。これはインフルエンザウィルスの活性を抑える効果があるタンパク質であることが判明しています
アメリカのビール会社では昆虫のスタートアップと協業して、ビール製造過程で発生する食品副産物を活用してアメリカミズアブの幼虫を育てているところがあります
最近では一次産業への人工知能の応用展開事例も増えてきました

と。なるほど、この分野、「タンパク質」はただの供給にとどまらず、色んな視点での広がりがありそうですね。

この分野、もう少し調べてみたいな。と思いました。

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