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【0718】地域脱炭素ロードマップ読んでみた④

国・地方脱炭素実現会議というところから、地域脱炭素ロードマップというものが発表されました。以下は目次ページ。

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その④の今回は3-2の中の重点対策7から見ていきたいと思います。

その③のnoteはこちら↓

□脱炭素の基盤となる重点対策の横展開

基盤となりうる重点施策を8つ掲げ、それらの分野でどんな絵姿を目指しているかを明示してあります。また、「こういう創意工夫の例」というものも示していて、これによって、脱炭素先行地域じゃなくても、こういう工夫をしているのでは?というものを紹介してくれています。

重点対策7 コンパクト・プラス・ネットワーク等による脱炭素型まちづくり

都市のコンパクト化・ウォーカブルな空間によって、車中心から人中心の空間への転換などのキーワードがあがっており、ヨーロッパの色々な地域で行われている動きや、スマートシティのようなことを目指したことが書かれています。

<創意工夫例>
・LRT、EVバスや合成燃料(e-fuel)を活用したバスを本格導入し交通ネットワークを再構築、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを推進するとともに、多様な利用促進策により需要を拡大。
・車道が中心であった駅前をゆとりある歩行者中心の空間に再整備しトランジットモール化 するとともに、広場空間の芝生化等の緑化空間の創出により、居心地が良く歩きたくなる 空間を創出。
・駐車場配置適正化区域を導入し、駐車場設置等の指導によりまちなかへのマイカー流入を規制。それに伴い、シェアサイクル等を活用し、回遊性を向上。

歩ける町と町を公共交通やシェアサイクルによって結び、車道が当たり前だった町の景観を変えるような事例。「歩く」まちづくりについては、国土交通省でもこんな資料で検討がされているようです。

https://www.mlit.go.jp/common/000022979.pdf

<絵姿・目標>
・ 全国各地で都市のコンパクト化やゆとりとにぎわいあるウォーカブルな空間形成が進み、車中心から人中心の空間に転換されるとともに脱炭素化に向けた包括的な取組が進展していることを目指す。
・ まちづくり・地域交通等に関する地域の計画や関係主体間の連携が図られていることを目指す。
・ 2024年度末までに「立地適正化計画」(都市再生特別措置法)を作成した市町村数600 市町村、「地域公共交通計画」(地域公共交通活性化再生法)の策定件数 1,200 件を目指す。
・ 2025年までに「滞在快適性等向上区域」(多様な人々が集い、交流する「居心地が良く 歩きたくなる」まちなかの創出を図る区域として、市町村が都市再生整備計画に位置付け るもの)を設定した市町村数 100 市町村を目指す。
・ スマートシティに関し、2025年度までに技術の実装をした自治体・地域団体数100団体を目指す。

という目標が掲げられていて、数字も具体的なものがあがっていることもあるので、これに特化した賞や事例紹介なども出てきそうですね。

重点対策8 食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立

農業自体にも持続可能性との両立の課題あるとも言われていますが、そこへの真っ向からの挑戦。

<創意工夫例>
・堆肥の高品質化、ペレット化の促進、堆肥を用いた新たな肥料の生産、広域循環利用シス テムの構築、自給飼料の増産
・水田の水管理によるメタン削減(自動水管理システムの導入・中干し期間の延長)
・ハイブリッド型施設園芸設備の導入(ヒートポンプ)
・省エネ型漁船への転換(LED集魚灯の導入)、漁船の省エネ航法の導入

といった、サーキュラー・エコノミーのためにも必須の取組が工夫例に記載されていますが、こちらも絵姿・目標が具体的です。

<絵姿・目標>
○ 2050年までに目指す姿として、
・ 農林水産業の CO2 ゼロエミッション化
・ 園芸施設について化石燃料を使用しない施設への完全移行
・ 農林漁業の健全な発展に資する形で、我が国の再エネの導入拡大に歩調を合わせた、農 山漁村における再エネの導入
・ 2040 年までに、農林業機械・漁船の電化・水素化等に関する技術を確立
○ 2050年までに輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量の30%低減
○ 2040年までに次世代有機農業に関する技術を確立し、2050年までに耕地面積に占める有機農業(※国際的に行われている有機農業)の取組面積の割合を 25%(100 万 ha)に拡大

2050年までの大きな目標に加え、2040年までの中間目標も置いた状態。ちなみに、有機農業の面積の割合ですが、現在は1%ほど。これを25%に拡大していくというのはなかなかの野心的な目標かと思います。

https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kazyu/r01_6/attach/pdf/index-9.pdf

こちらもこういった、資料を農林水産省がまとめていて、国をあげた課題意識のあらわれになっているようです。

続きます

次は基礎的施策以降からです。

2021.06.30追記 その⑤を更新しました。


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