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【0382】SDGs未来都市2020:東京都豊島区の取組

SDGs未来都市の2020年度版が選定されました。全部で33都市、10事例がモデル事業に選定されています。

それぞれの都市がどんなことを掲げているのか、モデル事業を中心に可能な範囲で調べてみました。

東京都豊島区の提案事業

SDGs未来都市への選定自体は23区では初。SDGs未来都市とモデル事業のダブル選定は東京都初だそうです。

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豊島区は実は、東京23区にありながら2014年に「消滅可能性都市」に選ばれてしまった場所だそうです。池袋とか、聞いたことのある街を有する区なので、「え?どういうこと?」と思ってしまいますが、

少子化や人口移動などが原因で将来消滅する可能性がある自治体
具体的には、20~39歳の女性の数が2010年から40年にかけて5割以下に減るなどの基準で896の自治体が消滅可能性都市に選ばれた。https://turns.jp/19245 より

とのことで、豊島区は人口自体は増えているものの、

・転出入が活発であり、定住率が低い傾向にある。
・単身世帯の割合が多く、その半数が若年世代。

という理由で、ファミリー等の定住がなく、一気に少子化が進む可能性があるとされていたそう。
そこから「国際アート・カルチャー都市」へしていくぞ。という事業モデルです。

従来から取り組んでいる「『国際アート・カルチャー都市』実現戦略実施事業」というものがあるそうで、その取り組みの実行状況も鑑みた評価かもしれません。

IKEBUS(イケバス)という電気バスが区内にある4つの公園を結んでいて、環境に配慮しつつ地域の観光スポットの回遊性を高めているそう。事業提案の中に記載のある「暮らしの中にある中小規模公園活用」というのも、全国の公園の存在価値に良き事例になるのでは。と思います。

※公園には大規模・中規模・小規模とあり、それぞれに防災や地域コミュニティ形成などの役割があったはず。デッカイのがあるから小っちゃいのは要らないという話にはならない価値がある。

豊島区のアート・カルチャー観光

豊島区の観光協会がこんなサイトを立ち上げています。

トキワ荘や江戸川乱歩邸などもあるんですね。今はコロナ対策で大変ではあると思いますが、こういった歴史のある観光地もあれば、サンシャインシティのような場所もあったり、巣鴨もあったり、オリンピックイヤーに向けて建造されていくいわゆるレガシーの活用もできたりというものも、今後広がっていきそうです。外国人向けだった部分の国内向けへのアジャストは必要そうですが。

他の消滅可能性都市が見たら、羨ましすぎるリソースですねw

女性にやさしいまちづくり

消滅可能性都市に選ばれてしまったすぐその後、行動を起こし始めていたそうで、それが「女性にやさしいまちづくり」というもの。ファミリー層や定住という観点でも重要なテーマだと思います。

取り組む人も公募で募集しての決定だそう。

女性目線でまちを考えれば、子どもや年配者、外国人などすべての人が住みやすいまちになるよね、というのが真意。これが伝わりやすくなるように4月からは課名が『わたしらしく、暮らせるまち。」推進室と変わります。

ということで、今は『わたしらしく、暮らせるまち。』という名前で進めているそう。

こんなオウンドメディアを運営していたり、今回のモデル事業の中に記載されている中小規模公園の話も、「小さな公園活用プロジェクト」というものがここから立ち上がっているようです。

女性にやさしいというフォーカスが、今のSDGs未来都市という形につながっている点も、他の自治体の参考になるんじゃないでしょうか。

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