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【0927】90年代の日本で画期的なゴミ法案が立案されていた

これが成立していたら、世界をリードする画期的な法律ができていたのでは。という幻の法案があるそうです。

フジテレビ系列28局が1992年から続けてきた「FNSドキュメンタリー大賞」が今年で第30回を迎えた。FNS28局がそれぞれの視点で切り取った日本の断面を、各局がドキュメンタリー形式で発表。今回は第5回(1996年)に大賞を受賞したフジテレビの「幻のごみ法案を追う〜ある厚生官僚の遺言」を掲載する。

https://www.fnn.jp/articles/-/302879より

と、1996年にドキュメンタリー大賞をとった番組の内容が公開されています。一人の官僚が文字通り命を削って、作った画期的な法案と、その結果が綴られています。

画期的というの内容は、企業の過失に関係なく、最終的なゴミの処分についての責任を「企業」が負うというもの。
以下が、その初案の内容だそう。

1.国民の責務
2.事業者(企業)の責務
3.事業者(企業)の処理
「国民の責務」においては、ゴミの発生をなるべく抑え、リサイクルに努めるほかに、廃棄物を分別して排出することが明記。現在ではすっかり定着している“燃えるゴミ”と“燃えないゴミ”の分別、ビン・缶類の分別などはこの時に打ち出された。
そして問題の「事業者の責務」には、事業者はその製造・加工・販売等に係る製品容器等が、つまりメーカーが自分のところで作った製品が、消費者を経由してその処理が困難な廃棄物となった場合、その回収等を行わなければならないとあるのだ。画期的な内容だった。

https://www.fnn.jp/articles/-/302879より

これが成立していれば、企業はものづくりを捨てる部分まで考えた設計で行う必要が出てくるし、自分たちがコストをかけてでも、リサイクル可能な素材を選択するという力が働いていた。と思います。
たらればの話なので、もちろんこれが成立していたら、今の日本の経済状況には至っていないという可能性もあるとは思いますが。

そして、この画期的な法案、想像できてしまいますが、様々な調整の結果、「企業の責任」は跡形もなくなり、「自治体への協力」という形に落ち着いたそう。

現代の様々なステークホルダーとの調整の末の意思決定と照らし合わせて考えても、こういう形に落ち着いていくことは、仕方がないことのようにも思います。SDGsの目標、ターゲットでさえも、例えば「核兵器をなくす」といった言葉が存在していないのは、同じような調整の結果とも言えるかもしれません。

ただこの特集を読んで、今一度、今置かれた状況を俯瞰して、ちょうど良いところに落としこむだけでなく、未来にどうなっていくのか、という時間軸の俯瞰をもって、ものごとを進めていく必要があるんだなと、感じました。

これを明らかにした当時のドキュメンタリー番組制作者の方にも脱帽。

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