【0269】他人のためにこそ人は行動するらしい

連日、コロナのニュースばかりですが、その中にもSDGsや他のことにも通用する調査結果などもあり、面白いものがありました。

災害時の非難行動が、より促進されるのはどういう呼びかけか。というものを行動経済学の観点から分析したそうです。

自分の行動が他人を犠牲にする。が一番避難する。

通常通りの避難誘導の案内は、

C「広島県では夏場に土砂崩れなどが発生しています。危険が迫った時に正しく判断できる力をつけ、災害から命を守りましょう」

というもの。これに対して、行動経済学の観点から、2つの利他性をもった設問を用意したそうです。

A「これまで豪雨で避難した人は周りの人が避難していたからという人がほとんどです。あなたの避難は(周りの)人の命を救います」
B「これまで豪雨で避難した人は周りの人が避難していたからという人がほとんどです。あなたが避難しないと人の命を危険にさらします」

結果は、Cがダントツに低かったそうで、Bが僅差で勝利。

洪水被害においても他人に利する行動から自分が避難することにつながるというのは、まず面白いし、そもそも行動経済学的に「利他性」というものが行動のモチベーションにつながると考えられていることも、「へー!」という感じですね。

名刺アプリでも利他性の例

名刺管理アプリで有名なsansanでも行動経済学に基づいた「利他性」が機能する呼びかけというものがあるそうです。

純粋な利他性を持つ人は、自分が提供したものがどんな風に使われたかをすごく気にするんです。ですから、彼らが共有した情報が会社や他の社員の役に立ったと示すことがとても大事です。例えば、ある社員が名刺などの紙の情報を共有したら同僚の仕事がこんな風にうまくいったという事実をきちんと見せると、「自分が名刺を共有したときにも、その情報が誰かのために使われるはずだ」「自分の行動が役に立つときが訪れるはずだ」と思えるようになります。それが「純粋な利他性」を刺激し、スキャンするという協力行動を促すことにつながると思います。

だそうで、なんか分かる気がします。一方で、この「純粋な利他性」を持っている人は、「誰が人を喜ばせているかに無頓着」という特徴があるそうで、つまりは自分ではない誰か違う人が、名刺スキャンをすごく頑張っていたら、組織としては喜んでくれている人がいるので、満足しちゃって自分は協力行動に出ないそう。(わかる気がする。)

逆に「不純な利他性」というものもあるそうで、その人は、「人に良くしている自分が好き」みたいなことだそうで、この場合は「誰が人を喜ばせているか」がめちゃくちゃ重要で、それが自分でありたいという気持ちがあるそう。そういう場合が、周囲に名刺スキャンをすごく頑張ってくれている人がいても、自分も辞めずに協力行動を続けるのだそうです。(これもめちゃわかる気がする。)

利他は経済も環境も社会も救うのでは

実は経済という側面をとっても、「利他性」というのは行動のモチベーションになりえるということ。この考え方がビジネスモデルやプロモーションにしっかりと根づいていけば、実は結構色んなことが上手くまわるのでは?と思えてきます。

コロナの外出自粛問題もきっと、
「感染したくないでしょ、家にいなさい」と言うよりも
「人に感染させないために、家にいよう」とか
「家にいるだけで、世界を救える」と呼びかける方が、効果が長持ちするんでしょうね。

ぜひ、政府からのお達しもそういう方向で利他の心をくすぐる内容になってるといいなと思う、そんな緊急事態宣言間近か?な4月6日。

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