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【0389】SDGs未来都市2020:沖縄県石垣市の取組

SDGs未来都市の2020年度版が選定されました。全部で33都市、10事例がモデル事業に選定されています。

それぞれの都市がどんなことを掲げているのか、モデル事業を中心に可能な範囲で調べてみました。

沖縄県石垣市の提案事業

沖縄の石垣と言えば、石垣島。憧れの離島リゾートのイメージがありますが、そんな石垣市が提案している事業は下記のようなもの。

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石垣SDGsプラットフォームを活用した「離島におけるSDGs課題解決モデル」の構築事業。

しっかりとした提案資料がWEB上にアップされています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kankyo/teian/2020sdgs_pdf/presentation/77ishigaki.pdf

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石垣市ではこんな課題を持っているそう。全体の80%近くが観光産業なんですね。そして、地方の中では珍しく人口が「微増」状態にあるとのこと。
お隣の宮古島でも人口流入が続き、家賃が高騰して東京並みになっているというニュースも耳にしたことがありますが、石垣島もそこまでは言わずとも、微増状態。そしてそれによる課題も。

環境は、やはり素晴らしい景色があるので、問題なしかと思いきや、サンゴの減少など人間の経済活動による環境への影響がモロに見えてくる課題があるようです。

石垣SDGsプラットフォーム

SDGsを利害関係の調整のためのツールと捉え、最適化をはかる仕組みとして石垣SDGsプラットフォームというものが中心に据えられています。

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こんな感じ。島内資源を集約するというのも「離島」という環境ならではの管理のしやすさもあるかもしれません。ここでの協議をSDGsという判断軸で調整していくそうで、分かりやすい意思決定基準のツール化されています。(センスいい!)

石垣ブルーカーボン・オフセット制度

経済のための取組のひとつに記載があるのが「石垣ブルーカーボン・オフセット制度」。沖縄と言えば、海藻の産地としても有名でモズクやアオサなどの養殖も盛んだそうですが、この海藻、育てる過程でCO2を吸収・固定するそうです。これをカーボン・オフセットとして他のエリアに販売するという制度。

海藻の販売としても収益をあげつつ、さらにCO2の吸収分も販売する。環境に良い活動を収益源にするという取組になっているようです。

八重山MaaS

これも経済活動の一つにようにも見えますが、「社会」の取組として記載されているのが八重山MaaS。

実証実験が始まっているようで、アプリを使うと離島の観光MaaSらしく、離島船舶、バス、タクシーなど11の交通事業者を利用できるそう。

これが無い間は、離島内での活動はレンタカーが多いそうで、社会的な取組でもある一方、レンタカー増加によるCO2排出量の増加にも歯止めをかける手立てになるかもしれません。地域の公共交通機関にお金が落ちれば、その分交通網も発達させることもできるでしょうし、道路や交通網が発達すれば、孤立する住民やエリアも減るので、回り回って色んな恩恵につながりそう。

沖縄らしい金融「もあい」

こんな金融の成り立ち方あるんや。。と驚いたのが、なんと沖縄の金融の成り立ちは、「もあい」と呼ばれる庶民金融というものがスタートだそうです。

そもそも「助け合う」というDNAがこんなところにも根付いているんですね。

今回のモデル事業の提案の一部では、この「伝統的金融戦略の再定義に伴う地域社会機能の再活性化」ということも計画されているそう。

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こんな感じでグラミン銀行も加わって、2030年に向けて、沖縄文化を取り込んだ貧困削減を実現するとのこと。

センス感じた

離島ならではの課題は色々とありながらも、その取組の中でのSDGsというものの扱いのスタンスや、地域の価値を見つめ直して生み出した施策など、どれも本質的に考え込まれたセンスを感じました(エラそう)。

石垣のこれからが楽しみです。他エリア・他国に誇れる良きモデルになると良いですね。

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