【0247】認証マーク調べてみた:RSPO認証って?
認証マークについて調べてみるシリーズで、RSPO認証を調べてみました。
RSPOとは「Roundtable on Sustainable Palm Oil」のことだそうで、「持続可能なパームオイルの円卓会議」ということで、パーム油に関する認証マークのことです。ロゴマークもヤシの木のマークですね。
公式ページは英語版のみですが、下記。
パーム油だけ認証するのはなんで?
パーム油の問題は、SDGsまわりの話でよく挙がってきます。過去に書いたこともありますが、
世界中で色んな用途に使われているパーム油ですが、世界の需要の80%を東南アジアで作っているという状況で、作れるエリアが限られているという状態。そのため、この地域の元々の森林は80%が2000年までに無くなってしまったそうです。
これを改善するためには、作っている人だけではなく、加工・生産・流通などなどたくさんの人の立場で考えないと解決できない問題ということで、WWFさんが取り組んでいることを動画にまとめてくれていました。
そんなわけで、作られたRSPO認証ですが、どんな特徴があるかと言うと、
原則と基準
8つの原則と43の基準というものがあるそうで、原則は下記。
1_透明性へのコミットメント
2_適用法令と規則の遵守
3_長期的な経済・財政面における実行可能性へのコミットメント
4_生産及び搾油・加工時におけるベストプラクティス(最善の手法)の採用
5_環境に対する責任と資源及び生物多様性の保全
6_農園、工場の従業員及び、影響を受ける地域住民への責任ある配慮
7_新規プランテーションにおける責任ある開発
8_主要活動分野における継続的改善へのコミットメント
というもので、これだけ伐採されてしまった森林を回復させう意味でも、新たにプランテーション開発はなるべくしない。だけど、現地で働く人々の暮らしへの配慮するという利害が一致しないところもちゃんと両方見ましょうという内容が含まれています。
2種類の認証方法と3種類のマーク
RSPOにも認証の方法によって種類があるようで、これは他の認証マークと同じく「生産者」と「加工・流通者」の2種類。
また、マークも複数あるようで、これは3種類。厳密にしすぎると、かえって小規模農家等の負担を大きくしすぎてしまうという現状から3種があるようです。
■認証されてるパームと非認証を分けれているか
これが一番厳密版ですが、最終製品に至るまで非認証のパーム油の供給や流通から完全に切り離された商品にだけつけられる認証マーク
■混ざってるけど一定の割合以内(マスバランス)
フェアトレードの認証にもありましたが、完全分離は負担が大きくなることもあるので、少しだけ混ざるのをOKとすることでの認証マーク
このマークは「CERTIFIED」の代わりに「MIXED」という文字が入っているようです。
■ブックアンドクレーム(クレジット方式)?
これが他には無さそうな方式ですが、
生産された数量の認証油を証券化し、それを利用者は必要な数量分の証券を購入する。実際には現物の認証油ではない非認証油を購入することになるが、生産者には相当分の金銭的な還元がなされる。
とのことで、このマークには「CREDITS」というマークがついています。
というのを非常にわかりやすく、、、
サラヤさんがまとめてくれていますw
パーム油を使っている製品をまさに作っているサラヤさんですが、パーム油に課題があると知ってからのこの分野への貢献への本気度は有名ですね。
パーム油問題いろいろ
認証制度なども整備され、各社の問題意識も強くなっているパーム油ですが、関心があつまるものだけに問題も色々と残っているようで、
■企業が独自に取り組むサプライチェーンの方が認証制度より優秀やもんね!という企業もある
制度自体の欠陥の指摘もありますが、問題の本質に取り組もうとしている企業からの認証制度自体への監視という意味では良い争いかもしれません。
■そもそも原材料に「パーム油」と書いてない
使用しているかどうか一目瞭然であれば、認証マークを見れますが、そもそもそのパーム油自体が使われてるのか分からない。という問題もあります。
各社、加盟企業は何年までに100%にするという宣言をされているようですが、あくまでも加盟企業なので、そうではない製品も流通はしているということ。消費する側も意志を持った消費をする必要がありますね。
■食用や日用品以外にも発電にも
バイオマス発電と聞くと「ええ発電しとんねんな」というイメージを持ちますが、このバイオマス発電でもパーム油を使う発電もあるそうです。安定供給ができるという意味で運用しやすいのだと思いますが、いくら認証油が使われたからと言って、食用や日用品以上に消費してしまうだろうし、あえて選ばなくても。。という気もしますが、まあ実際に建設されています。
パーム油での発電は化石燃料に比べてCO2排出量が少ないと発表されていることを受けてのことだそうですし、RSPO会員の中にもバイオマス発電事業者が入っているので、色々と考えられた上での選択ではあるとは思いますが。