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【0637】コーヒーが森を回復させる研究結果

コーヒーといえば、チョコレートやパーム油と並んで、社会課題が取り上げられる印象がありますが、そんなコーヒー農園周辺の森林の研究で、コーヒーを使わない土地に比べ樹高が4倍になるという研究結果が得られたそうです。

コーヒーの実は「コーヒーチェリー」と呼ばれ、鮮やかな赤や黄のサクランボに似ている。コーヒー豆を得るには、この実から皮やパルプなどを取り除かなければならない。その後、乾燥と焙煎(ばいせん)を経て、朝の一杯を抽出できる状態になる。収穫されたコーヒーは重量の半分が廃棄される運命にある。

とのことで、有機廃棄物が収穫の時点でもかなりの量出てしまうそう。

このパルプを敷き詰め、堆肥化させる過程で生まれる熱などで、外来種の雑草は死滅し、土地は肥え、周辺の樹木に常に肥料を与えられている状態を作り出せるそうで、それによってコーヒーを使っている場所とそうでない場所で樹木高が4倍の差になったり、コーヒー未使用の土地では外来種の雑草が優位になり樹木が20%ほどしか生えていないという状況もあったそうです。

すごい。

課題もあり、異なる前例もある

ただやはり課題もあるそうで、このパルプを敷き詰めた周辺は非常に臭いがきついそう。近隣住民からの苦情は想像されるし、堆肥化の途中段階のものが川などに流出すれば汚染の可能性もあるそう。

前例としては、かつてオレンジの皮でも同様の効果が認められ、大手メーカーがこういった取組をしたそうですが、反対勢力にあって、「単なる廃棄物投棄だ」とされて、プロジェクトが中止になったそう。

それくらい、はじめの数ヶ月は酷い臭いや見た目だそうです。

ただ、コーヒーでは良い状況でもあるようで

コーヒーパルプは、中止になったオレンジの皮プロジェクトと同じ運命をたどることはないとジャンセン氏は考えている。「厄介な政治問題に巻き込まれておらず」、競合する2つの大企業ではなく小規模な生産者が関わっているためだ。

というコメントもあります。

様々な課題はあるものの、可能性も見える研究結果、良い方向に進んで行くといいなと思います。


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