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【0295】目標3:すべての人に健康と福祉を

SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。

目標3 あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

健康に関する目標。これはめちゃくちゃ広いです。
妊産婦新生児マラリアエイズ糖尿病だって、アルコール依存だって薬物だって、出生率もだし、たばこ規制もだし、小さな島国の医療従事者数、大気汚染水質汚染まで。もっというと、交通事故まで。
ターゲットの数も多いし、そのカバー範囲も非常に人生です。

○指標など数値が明確

保健・医療関係の目標ということもあって、ターゲットや指標に規定されているものが他の目標に比べると「このラインをクリアしましょうね」という基準線が数値でしっかりしているものが多い印象です。例えば、

<ターゲット>
3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
<指標>
3.1.1 妊産婦死亡率
3.1.2 専門技能者の立ち会いの下での出産の割合

<ターゲット>
3.2 全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、 2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
<指標>
3.2.1 5歳未満児死亡率
3.2.2 新生児死亡率

こんな感じ。医療の現場でここが一つの目指すべき線だ。というのがあるのだと思います。

○日常に潜む健康などの被害も

健康という言葉ひとつとっても、途上国での健康課題と先進国での健康課題は全く異なると思います。前者であれば、マラリアやエボラなど熱帯地域での感染症というものがよく問題に上がりやすいと思います。顧みられない熱帯病NTDsについても以前少しとりあげましたが、

こういった撲滅すべきだけどちゃんと見られていない病気もあれば、

<ターゲット>
3.4 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
<指標>
3.4.1 心血管疾患、癌、糖尿病、又は慢性の呼吸器系疾患の死亡率
3.4.2 自殺率

というターゲット・指標もあり、慢性の病に関する課題まであります。

健康"など"の被害と書いたのは、この目標のターゲットには交通事故の被害を減らすというものまであるし、アルコール・薬物依存を減らすというものまで。

解決方法も医療の充実だけでなく、レベル5の自動運転まで広く必要になりますね。アルコールに至っては、明確にこの目標内でアルコール飲用量まで指標に記載があるため、アルコールメーカー各社の社会的責任を問う内容にもなっているなと思います。

○世界に貢献できうる日本メソッド

SDGsの中では、「達成すべきこと」としてターゲットに規定されているもので、日本はすでに達成していて、その方法が世界に貢献できるものがあります。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage : UHC)というもの。

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage : UHC)とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を指します。
 2015年9月の国連総会で定められた「持続可能な開発目標(SDGs)」のターゲットの1つとしてUHCの達成が位置づけられており、全ての人々が基礎的な保健医療サービスが受けられ、医療費の支払いにより貧困に陥るリスクを未然に防ぐことが重要であることが確認されています。

といういわゆる国民皆保険状態の達成。これによって日本の平均寿命が世界的に見ても高い状態だそうです。

他には「母子手帳」についても同じく日本のメソッドが世界に輸出できているそうです。

(余談ですが、最近は"母子"手帳ではなく親子健康手帳と呼ぶと思っていたら自治体によるようです。)

目標1貧困→目標2飢餓ときて、目標3健康。日本人感覚の「健康」というと貧困や飢餓に比べると課題感がマシな分野なのかな?と思いきや、これもさらに広い課題と解決策の必要なチャレンジングな目標です。

・ヘルステック
 →しかも医療現場から日常の問診、日常生活での健康管理も
・自動運転
・MaaS
・生物多様性
・気候変動
・栄養課題
などなど、関連するテクノロジーやテーマもたくさん。たくさんのステークホルダーが認識しておくべき目標だと思います。

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