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第5回 「SDGsアクションプラン2021を考える」

 少しタイムリーではないのですが、令和2年12月21日のSDGs推進本部の会合で日本政府の2021年のSDGsアクションプランが決定しました。

SDGs推進本部ですが、2016年に総理大臣を本部長、官房長官、外務大臣を副本部長とし、全閣僚を構成員として国内実施と国際協力の両面で率先して取り組む体制として設置されました。

その推進本部が毎年年末アクションプランを発表しています。2017年末から発表されており、翌年の日本のSDGsへの取り組みの具体的な計画が予算付きで発表されます。
2021年の予算総額は6.5兆円です。SDGsのためにそれだけ使うというのです。すごいですね! 委員はすべての閣僚ですのですべての省庁にわたって出ているのです。

さて、今年のアクションプランのサブタイトルですが、
~コロナ禍からの「よりよい復興」と新たな時代への社会変革~
でした。
昨年のサブタイトルは
~2030年の目標達成に向けた「行動の10年」の始まり~
でしたので、打って変わって現実的なタイトルとなりました。

2020年は歴史に「コロナ」が未来永劫残る年になりましたので、当然と言えば当然ですね。

SDGsアクションプラン2021の重点事項ですが、4つありまして 

Ⅰ 感染症対策と次なる危機への備え
Ⅱ よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略
Ⅲ SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出
Ⅳ 一人ひとりの可能性の発揮と絆の強化を通じた行動の加速
です。
2020が
Ⅰ ビジネスとイノベーション~SDGsと連動する「Society 5.0」の推進~
Ⅱ SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
Ⅲ SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント
でした。2020に比べて2021が、「危機」に対する対応策が表に出てきています。

そのようななか、私が注目した言葉が2021年のサブタイトルにも出ていた、「よりよい復興」です。

「よりよい復興」ですが、昨年4月、コロナに立ち向かう復興計画を国連が示し、その標語となったBuild Back Better(ビルド・バック・ベター)のことです。これに関しては、アントニオ・グテーレス国連事務総長は「私たちは、この復興を、未来のために正しいことをする真の機会とする必要があります」とメッセージを発しています。意味はと言えば、「この際、より持続可能でレジリエントかつ包摂的な社会を作り上げることを目指しましょう」ということです。

ここで、日本政府が国連のこの言葉をそのまま持ってきたのかということですが、必ずしもそうではありません。この言葉が提唱されたのは2015年に仙台で開催された第3回国連防災会議で採択された国連文書である「災害リスク削減のための仙台枠組み 2015-2030」の中でした。防災の世界での世界標準の言葉になっていますが、2011年の東日本大震災がベースとなっているいて、日本が提案した言葉でもあるため、我が国にとっては非常に重要な言葉であるからなのです。


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