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SDGsに取り組む意味|日本政府による普及活動と合わせて紹介します

テレビCM、雑誌、小売店etc...
最近よくSDGsというワードを見掛けませんか?
名前は知っていて内容が気になっていた方も多いハズ!

そこで今回は、SDGsに関する基本的な内容を踏まえ、国家がどのようにSDGsの普及に取り組んでいるのかをご紹介します。

■SDGsとは2030年を期限とした国際目標のこと

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2015年に開催された国連サミット『持続可能な開発サミット』で全会一致で採択された”我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ”、通称『2030アジェンダ』

SDGsは2030アジェンダに記載されている国際目標のことを指します。

”2030”とあるように、SDGsの取り組み期限は2030年まで。SDGsは2030年までに深刻な社会問題を終わらせることを目的としています。

▼2030アジェンダ日本語仮訳

SDGsを構成しているのは17の目標と169のターゲットです。「誰一人取り残さない」という宣誓のもと、現代社会において深刻化している問題を解決するために何をすべきなのかが明記されています。

■SDGsの17目標一覧でチェック!

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・目標1「貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

・目標2「飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

・目標3「
すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

・目標4「質の高い教育をみんなに 
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

・目標6「安全な水とトイレを世界中に」 
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

・目標8「働きがいも経済成長も」
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

・目標10「人や国の不平等をなくそう」
各国内及び各国間の不平等を是正する

・目標11「住み続けられるまちづくりを」
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

・目標12「つくる責任 つかう責任」
持続可能な生産消費形態を確保する

・目標13「気候変動に具体的な対策を」
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

・目標14「海の豊かさを守ろう」
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

・目標15「陸の豊かさも守ろう」
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

・目標16「平和と公正をすべての人に」
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

ターゲットはそれぞれの目標ごとに設定された項目のようなもの。何が問題となっていて、何を解決することが目標達成に繋がるのかがまとめられているので、世界の状況を知りたい方は一度ご覧ください★

■持続可能な開発ってどんなこと?

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持続可能な開発とは、国際連合広報センターによると、『将来の世代がそのニーズを満たせる能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発』のこと。つまり、地球環境や人、社会にとってプラスとなることを前提に、未来に向かって続けられるシステムやプロセスのことを指しています。

「SDGsとは?17目標と日本の政府・企業の取り組みを徹底解説(誰一人取り残さないSDGs media)」では、SDGsの実現には、全ての人々が協力して取り組む必要があると解説。

SDGsの目標を意識することで、現代に求められている持続可能な開発を進めることが可能です。

▼サスティナブルについて知ることでより深く理解できますよ♪

■SDGs実施指針改定版を発表|日本の優先課題とは

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途上国のみならず、先進国にも多くの社会問題が存在しますが、国によって優先すべき課題はさまざまです。

日本では、SDGsが採択された2015年の翌年に当たる2016年にSDGs実施指針を発表し、2019年12月にジェンダー平等の実現と防災に関する事項を追加する形で改定しました。

【SDGs実施指針改訂版8つの優先課題】
1. あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
2. 健康・長寿の達成
3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
5. 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
7. 平和と安全・安心社会の実現
8. SDGs実施推進の体制と手段

優先課題の解決に向けた取り組みをSDGsアクションプランと呼び、総理大臣を本部長、官房長官と外務大臣を副本部長としたSDGs推進本部がまとめた具体的なプランを半年ごとに改定しています。

▼SDGs推進本部|SDGsアクションプラン2021資料

SDGsの各目標を達成するためには、国や企業などの団体、個人が一丸となって取り組まなければなりません。しかし、SDGsの普及はまだまだ十分とは言えないのが現状です。

そこで日本政府はSDGs普及活動として2つの施策を実施。それが、「ジャパンSDGsアワード」「SDGs未来都市」です。

■日本政府によるSDGs普及活動と取り組み①『ジャパンSDGsアワード』

ジャパンSDGsアワードは、SDGs目標達成に向けた取り組みをしている団体を公募により受付、選考委員会の審査を経て政府が表彰するものです。

賞は、「SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞」、「SDGs副本部長(内閣官房長官)賞」、「SDGs副本部長(外務大臣)賞」、「SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」の4つとなっており、2020年までに4度行われました。

【「SDGs推進本部長賞」を受賞した団体】
第1回:北海道下川町
第2回:株式会社日本フードエコロジーセンター
第3回:魚町商店街振興組合(福岡県北九州市)
第4回:みんな電力株式会社

第4回の「SDGs副本部長(内閣官房長官)賞」、「SDGs副本部長(外務大臣)賞」、「SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」は以下の通り。

【SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞】
• 北海道上士幌町
• 青森県立名久井農業高等学校 環境研究班
【SDGs推進副本部長(外務大臣)賞】
• 特定非営利活動法人Support for Woman’s Happiness
• 特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
【特別賞(SDGsパートナーシップ賞)】
• 長野SDGsプロジェクト
• 一般社団法人Waffle
• 富士通株式会社
• ふくしま未来農業協同組合
• 株式会社エムアールサポート
• 阪急阪神ホールディングス株式会社
• 川崎市立平間小学校
• 株式会社キミカ

表彰基準は以下のように公表されています。

【表彰の種類及び表彰の対象】
(1)極めて顕著な功績があったと認められる企業・団体等
SDGs推進本部長(内閣総理大臣)表彰

(2)特に顕著な功績があったと認められる企業
SDGs推進副本部長(内閣官房長官及び外務大臣)表彰

(3)特筆すべき功績があったと認められる企業・団体等
特別賞「SDGsパートナーシップ賞」

(参照:第4回「ジャパンSDGsアワード」の結果より

受賞する際は表彰式が行われます。
団体にとって大きなアピールとなりますね♪

■日本政府によるSDGs普及活動と取り組み②『SDGs未来都市』と『自治体SDGsモデル事業』

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「SDGs未来都市」は、SDGsに取り組んでいる自治体を政府が選定するもの。なかでも優れた取り組みをしている自治体は、「自治体SDGsモデル事業」として選定され、補助金による資金援助も受けることができます。

地方創生とも大きな関わりがあるんですよ♪

【「自治体SDGsモデル事業(2020年)」に選定された自治体と事業名】
・宮城県石巻市:コミュニティを核とした持続可能な地域社会の構築

・東京都豊島区:国際アート・カルチャー都市 実現戦略実施事業

・石川県金沢市:市民生活と調和した持続可能な観光の振興~「責任ある観光」により市民と観光客、双方の「しあわせ」を実現するまち金沢~

・三重県いなべ市:グリーンクリエイティブいなべ~グリーンインフラ商業施設「にぎわいの森」から、カジュアルなSDGs推進を世界へ~

・京都府亀岡市:「かめおか霧の芸術祭」 x X(かけるエックス)~持続可能性を生み出すイノベーションハブ~

・大阪府・大阪市:大阪発「大阪ブルー・ オーシャン・ ビジョン」推進プロジェクト

・大阪府富田林市:富田林発!「商助」によるいのち輝く未来社会の実現プロジェクト

・岡山県倉敷市:多様な人材が活躍し,自然と共存する“持続可能な流域暮らし”の創造事業~高梁川流域圏の発展は倉敷市の発展~

・愛媛県松山市:“観光未来都市まつやま”推進事業

・沖縄県石垣市:石垣SDGsプラットフォームを活用した「離島におけるSDGs課題解決モデル(=石垣SDGsモデル)」構築事業

こちらもジャパンSDGsアワードと同様、大きなアピールになるほか、地方創生のキッカケにもなり得るため、多くの自治体が取組んでいます。

■SDGs達成度ランキングで日本はアジア諸国トップの17位にランクイン!評価ポイントと課題

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毎年、SDGs達成度ランキングが発表されています。

これは国別にSDGs活動の進捗状況を評価するもので、国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)と独ベルテルスマン財団が報告書として発表するものです。

以下に最新のランキングTOP20をまとめました。

1.スェーデン(84.72)
2.デンマーク(84.56)
3.フィンランド(83.77)
4.フランス(81.13)
5.ドイツ(80.77)
6.ノルウェー(80.76)
7.オーストリア(80.70)
8.チェコ共和国(80.58)
9.オランダ(80.37)
10.エストニア(80.06)
11.ベルギー(79.96)
12.スロベニア(79.80)
13.英国(79.79)
14.アイルランド(79.38)
15.スイス(79.35)
16.ニュージーランド(79.20)
17.日本(79.17)
18.ベラルーシ(78.76)
19.クロアチア(78.40)
20.大韓民国(78.34)

(引用:FROGS Corporation|【2020年版】世界SDGsランキングや上位国のSDGsに対する取り組みまとめ

日本はアジア諸国の中でもトップの17位にランクインしましたが、前回のランキングよりも2ランク下がる結果となりました。

公表された評価によると、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」のほか、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「 陸の豊かさを守ろう」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の5つの目標が最大の課題となっているようです。

これら5つの課題の内、目標17以外は先に記した優先課題とも一致します。

SUSTAINABLE BRANDS JAPANでは評価を分析。それによると、女性国会議員の数の少なさ、男女の賃金格差、無償労働を行う時間の男女格差、全エネルギー消費のうち再生可能エネルギーが占める割合などが課題だと解説しています。

日本がより上位にランクインする日が来るのでしょうか?
次回のランキングも楽しみですね!

■SDGsの意味と日本政府による取り組みまとめ

今回の記事では、SDGsと日本政府による普及活動などをご紹介しました。SDGsが社会問題を解決するためのものであることや、『ジャパンSDGsアワード』や『SDGs未来都市』について知ることができましたね。

【この記事でご紹介した内容】
・SDGsは2015年に採択された国際目標
・SDGsを構成するのは17の目標と169のターゲット
・持続可能性の意味
・SDGs実施指針改定版と日本の優先課題
・ジャパンSDGsアワード
・SDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業
・SDGs達成度ランキング

SDGsの取り組みは年々活発化しています。
期限を迎える頃、日本はどのような社会になっているのか、また、次回のSDGs達成度ランキングも気になるところ!

是非、皆さんもSDGsを通した世界の動向をチェックしてみてください★

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