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SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」|企業の取り組みやターゲットまとめ

最近、日本でも差別に対する意識が高まっています。

世界ではどのような差別や不平等が問題となっているのでしょうか?
SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」で、今世界がどのような取り組みをしているのかを、企業の取り組み事例と合わせてご紹介します。

■国際社会の問題を解決するためのSDGs

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SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に開催された持続可能な開発サミットにて採択された「2030アジェンダ」の中心となる国際目標です。

「地球上の誰一人取り残さない」ことを原則としており、現代社会の抱える深刻な問題を2030年までに解決するために定められた17の目標と169のターゲットで構成されています。

以下に17個の目標をまとめたのでご覧ください★

【SDGsに定められている17の目標】
目標1「貧困をなくそう」
目標2「飢餓をゼロに」
目標3「すべての人に健康と福祉を」
目標4「質の高い教育をみんなに 」
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
・目標12「つくる責任 つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

ターゲットは目標ごとに設定されており、なにを実現すれば該当するSDGs目標の達成に貢献するのかが明記されています。私たちの日常生活に関することも多数明記されているので、ぜひ目を通してみてください。

▼ノハム|SDGsの目標とターゲットまとめ!ロゴと共に紹介します

■SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」ターゲット一覧

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目標10は、“各国内及び各国間の不平等を是正する”ことを目的とした目標です。9つのターゲットを見てみましょう。

【目標10ターゲット一覧】
10.1)2030 年までに、各国の所得下位 40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。

10.2)2030 年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

10.3)
差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。

10.4)
税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。

10.5)
世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。

10.6)
地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。

10.7)
計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。

10.a)
世界貿易機関(WTO)協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する。

10.b)
各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助(ODA)及び海外直接 投資を含む資金の流入を促進する。

10.c)
2030年までに、移住労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路を撤廃する。

ターゲットを見てみると、国内・国家間で起こる所得格差や性別問題、途上国の発言力拡大などの幅広い意味を持たせていることが分かります。

そういった意味では、目標10はその他の目標にも通じているものと言えそうです。

▼ジェンダー平等を唱える目標5について

■SDGs目標10が必要な理由①「99%のための経済」

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貧困支援をしている国際協力団体であるオックスファムが、2017年に「99%のための経済(An Economy for the 99%)」という報告書を発表しました。

報告書では、世界でもっとも裕福な8人の資産が、経済的に恵まれない36億人の資産を有しているとしているほか、10人に1人が1日2ドル以下での生活を強いられていると指摘。

これは、世界人口の1%が世界全体の資産の約33%を有していること、そして、国際貧困ライン付近に属する人が拡大していることを意味しています。貧富の格差を改善するためには、富を再分配し、貧困に苦しむ人々が収入を上げられる仕組みが必要です。

▼国際貧困ラインについてはコチラ

■SDGs目標10が必要な理由②「移民問題」

国際連合広報センターによると、調査対象となる105カ国のうち、移民を守る政策があるのは全体の6割に満たないとしています。

世界銀行が「“Record High Remittances Sent Globally in 2018”」で、2018年に移民が母国宛に送金した額、6890億ドル(約64兆7900億円)のうち約77%(5290億ドル)が途上国宛だったとしているように、移民は世界経済の発展にも必要な存在です。

しかし、移民ゆえに不平等な労働や人種差別、人権侵害が起こるケースは珍しくありません。

■SDGs目標10に貢献する日本企業の取り組み『JAL』

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2014年に「ダイバーシティ宣言」を発信したJALは、年齢や性別はもちろんのこと、障がいの有無や人種などの属性に依らず働きやすい環境の構築を目指しています。

着実に成果を挙げている取り組みが女性管理職比率の増加です。

JALグループでは、「2023年度末までに管理職女性比率20%、2030年度末までに30%以上を達成する」を目標としており、SDGsが採択された2015年は15.6%だった女性管理職の比率が2019年度には18.4%に増加。数値目標に近付いています。

障がい者採用にも積極的な取り組みを実施。

2017年には軽度知的障がいのある社員が運営する喫茶室「SKY CAFE Kilatto」、翌2018年には、視覚障がいのある社員が施術するマッサージルーム「Largo」を開設しました。

https://www.jal.com/ja/sustainability/sdgs/sdgs_10.html

■まとめ

今回の記事ではSDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」についてご紹介しました。貧富の格差について驚かれた方も多いのではないでしょうか?

【この記事でご紹介した内容】
・国際社会の問題を解決するためのSDGs
・SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」ターゲット
・SDGs目標10が必要な理由①「99%のための経済」
・SDGs目標10が必要な理由②「移民問題」
・JALの取り組み事例

目標10は国内・国家間におけるあらゆる不平等を解消することを目的としています。目標を達成するためには、国の政策だけでなく個人の意識改革が必要不可欠です。目標10に取り組む人や企業が増えれば、SDGsが期限を迎える2030年の社会は差別のないものとなっているかもしれませんね。

以上、『SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」|企業の取り組みやターゲットまとめ』でした!

▼参考サイト
SDGs JOURNAL|SDGs|目標10 人や国の不平等をなくそう|たった8人が36億人分の資産を所有!?
Edu Town SDGs|10.不平等を減らす
gooddoマガジン|持続可能な開発目標・SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」のターゲットや現状は?


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