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SDGs目標1『貧困を無くそう』|企業の取組や私たちができることを徹底解説

みなさんは貧困について考えたことはありますか?

途上国を中心に深刻な問題となっている貧困ですが、日本をはじめ、先進国にも貧困に苦しんでいる人はたくさんいます。もしかしたら、気付かないだけで、みなさんの周りにもいるかもしれません。

今回はSDGs目標1「貧困を無くそう」を通して、世界の貧困に関する現状と私たちができることについて見ていきましょう!

◆SDGsとは|2030年を期限とした国際目標

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SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標、エスディージーズ)とは、2015年に国連にて採択された国際目標のこと。

現代社会が抱えるさまざまな問題を解決すために、「誰一人取り残さない」という宣誓と共に17の目標と169のターゲットを定め、2030年までにすべての目標をクリアすることを目指し取組まれています。

◆SDGs17の目標と内容

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・目標1「貧困をなくそう
・目標2「飢餓をゼロに
・目標3「すべての人に健康と福祉を
・目標4「質の高い教育をみんなに 
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」 
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
・目標12「つくる責任 つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

SDGsの17の目標には、ぞれぞれターゲットが設けられています。

ターゲットは、「何をすれば目標を達成できるのか」を明確にしたもの。SDGsに取り組む各国がターゲットを共有することにより、他国と比較したり、自国の現状の課題を確認したりすることが可能となっています。

合計169個のターゲットには、私たちの生活に関係のあるものも多く見られますので、是非一度目を通してみてください。

◆目標1「貧困をなくそう」のターゲット

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SDGs目標1「貧困なくそう」は、”あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ”をテーマにした目標です。

目標1を達成することは、世界中にいる貧困で苦しむ人が減少、または、いなくなることを意味しています。SDGsは貧困を無くすために、どのような対策が必要だとしているのでしょうか?

以下にターゲットをまとめました。

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1.1)2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。

1.2)2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。

1.3)各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度および対策を実施し、2030年までに貧困層および脆弱層に対し十分な保護を達成する。

1.4)2030年までに、貧困層および脆弱層をはじめ、すべての男性および女性の経済的資源に対する同等の権利、ならびに基本的サービス、オーナーシップ、および土地その他の財産、相続財産、天然資源、適切な新規術、およびマイクロファイナンスを含む金融サービスへの管理を確保する。

1.5)2030年までに、貧困層や脆弱な立場にある人々のレジリエンスを構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的打撃や災害に対するリスク度合いや脆弱性を軽減する。

1.a)あらゆる次元での貧困撲滅のための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、様々な供給源からの多大な資源の動員を確保する。

1.b)各国、地域、および国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する。

◆お金が無いってどれくらい?|国際貧困ライン

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貧困と聞くと、「お金が無い」ことをイメージする人が多いかと思います。しかし、どのくらいお金が無いと貧困に該当するのかを答えることができる人はなかなかいません。

そこで参考になるのが国際貧困ライン

国際貧困ラインは世界銀行が定めるもので、貧困を定義付けるために定めたボーダーラインのことを言います。

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SDGs目標1の最初のターゲットに記されている、「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。」という文面を見て驚いた方も多いのではないでしょうか?

ターゲットに記載されている1日1.25ドルは日本円にして約130円。この金額は、2015年9月まで世界銀行が定めていた国際貧困ラインです。

(※)国際貧困ラインは、2015年10月に1.90ドル(日本円=約200円)に改定されました。

このように、1日いくらで生活をしているのかによって貧困かどうかを定めているようです。

このように、SDGs目標1では、旧国際貧困ラインの状況下で生活している人を支援し、貧困人口を減らすことを第一のターゲットとしています。

◆貧困は「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類

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貧困には2つの種類があるのをご存知でしょうか?
それぞれを以下にまとめました。

【絶対的貧困】
食べ物や家がないなど、人として最低限の生活が維持できない状態のこと。
【相対的貧困】
世帯の所得が、国の平均的な所得の半分に満たない状態のこと。

先進国では相対的貧困が多いとされるのに対し、開発途上国では絶対的貧困が多いとされています。

◆日本でも起きている貧困の実態

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意外と思うかもしれませんが日本でも貧困は深刻な問題です。
日本で多いのは相対的貧困とされています。

相対的貧困は表面上分かりづらいのが特徴のひとつ。

日本は先進国の中でも相対的貧困率が高く、2016年に公表された世界の貧困率の比較データによると、先進国の中で14番目に高い貧困率です。

相対的貧困率とは
相対的貧困率とは、世帯の可処分所得(税金などの非消費支出を差し引いた手取り分)を世帯人数で割って調整した等価可処分所得の貧困線に満たない世帯員の割合のこと。

2016年に厚生労働省が発表したデータによると、日本における貧困はひとり親世帯に多く、7人に1人の割合で貧困状態に陥っています。

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日本において大きく取り上げられるのは子供の貧困です。

・家計を助けるために学業や交友よりもアルバイトを優先させている
・金銭的な理由から進学や習い事を諦めた
・充分な食事を摂っていない

上記は相対的貧困世帯の子供に多く見られるケースです。

Chance for Childrenでは、相対的貧困は子供の教育格差や社会的排除など、あらゆる問題に連鎖すると解説しています。

◆日本企業による貧困への取組事例①【株式会社ジモティー】

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「地元の掲示板♪」のキャッチコピーで知られるジモティー。

ジモティーは”地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ”という経営理念もとサービスを運営している会社です。個人的な物のやり取りをサポートするサービスは多くの方が利用しています。

同社では、ユーザー調査を実施。その結果、ひとり親世帯の約65万世帯と日本のひとり親世帯の半数近くがユーザーであることが分かりました。

調査の結果を受け、2018年には企業からの支援物資をジモティー上に掲載し、ひとり親家庭を優先に物品の受け渡し会を開催するなど、日本のひとり親世帯を支援する取り組みをしています。

◆日本企業による貧困への取組事例②【UCC上島珈琲株式会社】

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収入のために森林破壊が進められていたエチオピアの自然環境と経済的自立を支援するため、2014年にスタートしたJICA(国際協力機構)「ベレテ・ゲラ・フォレスト森林保全プロジェクト」に協力する形で品質向上のための技術指導を行っています。

◆今貧困を無くすために私たちができること①『フェアトレード品の購入』

世界で深刻な問題となっている貧困。
私たちはどのような支援ができるのでしょうか?

ここからは、今日からできる主な支援をご紹介します★

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みなさんはフェアトレードをご存知ですか?
飲食店やスーパーマーケットで目にしたことがあるかも!

フェアトレードとは公正公平な貿易のこと。

立場の弱い開発途上国の自立を支援するため、適正価格での取引を行う仕組みとなっているので、普段使用しているアイテムなどをフェアトレード品に変えるだけで支援ができちゃいます★

フェアトレード品というとコーヒー豆が人気。
もちろん、いろいろな商品がフェアトレードされているんですよ♪

【フェアトレード品の例】
・コーヒー
・紅茶
・ カカオ由来の製品
・砂糖
・ハチミツ
・フルーツ(加工品を含む)
・ナッツ類
・ワイン
・スパイス
・ハーブ
・オイルシード
・穀物
・コットン製品
・化粧品

いつも使っているものを変えるだけ!
とっても気軽に支援ができるのって素敵ですよね。

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フェアトレード品を購入する際の目安となるのが認証の有無。

国際フェアトレード認証ラベルは、社会的かつ環境的、そして経済的な基準をもとにした国際的に認知度の高いラベルです。認証ラベルは消費者にとって安心して購入するための目印としての役割も担っています。

▼SDGsの支援ができる認証マークなら『エコマーク』も有名です♬

貧困を無くすために私たちができること②『募金・寄付をする』

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貧困に苦しむ人を救うための直接的な支援といえば、「募金」や「寄付」。
受付をしている団体も多くあるんですよ♪

団体を選ぶことで支援する対象を選ぶことも可能です。

1人の募金や寄付金が少なくても、多くの方が参加することで大きな支援に!例えば、日本の貧困に悩む子供への支援に特化したKATARiBAや世界の貧困人口への支援をしている国連WFPは月1,000円~の支援を募っています。

国連WFPによると、国や地域によって異なるものの、5000円あれば子供1人に1年間給食を食べさせることができるんだそう。

貧困に悩む人々のために、是非寄付の検討をしてみてください。

◆貧困を無くすために私たちができること③『イベントの開催』

芸能人などの著名人が開催することも多いですよね。

支援を目的としたイベントの開催は少しハードルが高く感じてしまいますが、実は幅広い層の方がイベントを開催しています。

イベントによって得た利益の一部、または全部を募金したり、お客さんから頂いた不用品を寄付したり。イベントの開催は、関心を持っていない人々にアプローチする意味でも大きな役割を担っています。

なにか趣味や特技を持っている方はチャレンジしてみるのもオススメ★

◆貧困を無くすために私たちができること④『ワークショップや無料塾への参加』

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ボランティアの参加がどのように貧困の支援に繋がるのか不思議に思うかもしれませんね。

日本における貧困層へのボランティアの代表はワークショップや学習支援です。学校に行けない子供や、習い事ができずに友達との差が生まれてしまっている子供に向けて、学習支援やワークショップを開催することで、人格形成に関わる体験や学力を平等にする機会が生まれます。

学習指導やワークショップのボランティアは、学生の参加も可能なことが多いですよ♪

外国語が得意な方は、外国人に日本語を教えるのも◎

日本は海外からの人気が高いので、多くの外国人に喜んでもらえるハズ。

◆SDGs目標1「貧困をなくそう」についてのまとめ

この記事では、SDGs目標1「貧困をなくそう」について解説しました。企業の取組事例や私たちができることもご紹介しましたね。

【この記事でご紹介した内容】
・SDGsは2030年を期限とした国際目標
・SDGsを構成している17の目標と169のターゲット
・目標1「貧困をなくそう」のターゲット一覧
・世界銀行が定める国際貧困ラインは1日1.90ドル
・貧困の種類は「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類
・日本では相対的貧困が多い
・ジモティーの取組事例
・貧困に対して私たちにできること

貧困の解消に向けて個人で支援することは限られていますが、フェアトレードでは途上国の支援ができますし、ワークショップでは貧困層に属する家庭の子供を支援することが可能です。

是非、みなさんも貧困に対して何ができるかを考えてみてください★


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