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【第3回】SDGs目標2「飢餓をゼロに」について

今回は目標2「飢餓をゼロに」について考えていきす。

「飢餓をゼロに」は、目標1「貧困をなくそう」からさらに踏み込んで、食料についての目標です。

キャッチコピーが「飢餓をゼロに」なだけあって、お腹を空かせている人たちを支援、保護しようという目標なんだなとわかるとは思いますが、実はそれ以外にも「持続可能な農業の確立」にも触れている。

つまりは、食料支援と食料生産の両面から解決を目指そう!という内容なわけです。

ここからは早速、飢餓の現状、飢餓に陥る原因、持続可能な農業について掘り下げて見ていきましょう。

飢餓の現状

まず飢餓ってどういうことなの?から始めます。

世界中の飢餓をなくすために活動しているWFP(国連世界食糧計画)によれば、飢餓とは、

“身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態を指します。必要なカロリー数は、年齢や性別、体の大きさ、活動量等によって変わります。”
【WFP(国連世界食糧計画)より引用】

と書かれている。

言ってもお腹いっぱい食べられれば言い訳じゃない。栄養もしっかりとって、健康で人間らしい生活を送れるようにしなきゃいけない。

このnoteは、高校時代の野球部の同級生に向けて書いているんですが、彼は松屋で大盛り牛丼、大盛りカレーを食べてさらにはコンビニでパンを買うような大食漢ですから、飢餓といってもピンとこないかもしれません。

話がそれました。

テレビでアフリカの貧しい暮らしを取り上げた番組を見たことがあると思います。そこに映る子ども達はあばらが浮き出るくらいガリガリなのにお腹がぽっこりしてるよね。

あれこそ飢餓の象徴で、栄養不足が原因でお腹の中に水が溜まって腫れ上がってるらしいよ。テレビで見るとほとんどの子どもがそうなってるから、みんなが苦しんでることがわかるよね。

飢餓状態が続くと、免疫が落ちて病気になりやすくなるし、命を落とすこともある。

ちなみに飢餓で苦しむ人は2019年時点で、世界中に6億9,000万人もいるんです。世界の人口が77億人だからだいたい10人に1人。ここ数年は減るどころかむしろ増加傾向にあります。

なぜ飢餓はなくならずに増加傾向にあるのだろう。

飢餓の原因は主に3つ

飢餓が起きる原因は、主に①貧困②自然災害③紛争の3つで、増加傾向にある理由は③紛争によるものだと考えられてる。1つずつ見ていきましょう。

①貧困

やはり貧しければ食料を買えないから飢餓に陥りやすい。目標1「貧困をなくそう」でも触れたんだけど、貧しい国はサハラ以南のアフリカと南アジアに集中している。

飢餓も貧困地域とリンクしてくるんだけど、彼らは貧しいから自分の土地も持てないんです。これだと自給自足生活も厳しくなる。お金がなくて食べ物を買えないし、自分たちで食料を作ることもできないなんて八方塞がりですよね。

そして飢餓は健康以外にもいろんな問題を引き起こします。

例えば児童婚。(これは目標5「ジェンダー平等を実現しよう」とか目標10「人や国の不平等をなくそう」目標16「平和と公正をすべての人に」とも関係してくる問題です。)

家が貧しいと、親は経済的に育てられなかったり、子どもにひもじい思いをさせたくないと考えて、若いうちに結婚させるんだよね。それなら普通の生活が送れていいじゃん!と思うかもしれないけど、地域によっては夫が妻に暴力を振るうのは正当だと考えていることもあって、殴られたり性的虐待を受けたりする。

性的虐待がきっかけでまだ子どもなのに妊娠してしまうケースも多くて、骨格が出来上がってないから亡くなってしまうことも多いらしい。

貧困、飢餓がきっかけで子どもにこんな辛い目に合っているのかと考えると胸が締め付けられる。書いてて泣きそうになってくるよ。

②自然災害

これはちょろっと目標1「貧困をなくそう」でも触れたんだけど、干ばつが続いたり、集中豪雨が起きると作物が育たなくなってしまう。最近は温暖化の影響で頻繁に異常気象が起きることもあって、安定した食糧生産ができなくなってるとも言われてるんだよね。

そして災害の被害に合うと、貧困地域は復旧まで時間がかかる。その間、働くことも難しいから収入がさらに減るからさらに貧しくなってしまう。

異常気象の乱発は温暖化と関係してるって考えられてるから、環境についても考えることで、飢餓を解消できるのではないでしょうか?

③紛争

この紛争が近年飢餓人口が増えている原因だといわれている。

紛争が起きると、故郷を捨てて別の国に移住したり難民キャンプに避難したりする。移住してもすぐに仕事をみつけられなかったり、難民キャンプも食料がとても充実しているわけではないから、飢餓に陥ってしまうわけです。

そして故郷に残ったとしても、いつ銃撃戦が始まるかわからないから家から出れないんだよね。働けないし、収穫にもいけない。

詳しくはWFPの「深刻化する紛争地域の飢餓」って記事に書いてあるから、時間があるときにでも目を通すといいかも。

日本でも飢餓はある

ここまで主に世界の飢餓状況とか原因について見てきたけど、日本でも飢餓はある。

冷蔵庫の中身は空っぽで親子で餓死してたってニュースを聞いたことがあって、人口統計を見てたんだけど、平成27年に食糧の不足が原因で亡くなった人が22人もいた。

22人を多いととるか少ないととるかは個人差があると思うけど、個人的には多いと感じてるし、だれ1人取り残さないって理念に反する。

日本も含めて世界中の飢餓をなくすにはどうすればいいのかを考えていく必要があるね。

持続可能な農業

はい、では最後のポイント「持続可能な農業」についてです。

持続可能な農業って何?となるだろう。簡単にいうと、環境に優しい・自然災害が起きても負けない・地域の生活や生態系に大きな影響を与えない農業を指します。

ちょっと話はずれるけど、飢餓って⑴慢性的飢餓⑵一時的飢餓の2種類があります。

飢餓の原因と照らし合わせると、慢性的に飢餓状態が続く①貧困は⑴慢性的飢餓に、②自然災害③紛争は⑵の一時的飢餓に分類されます。

どっちの飢餓も食料の支援が必要なんだけど、⑴の慢性的飢餓は、一時的に食料を支援したところで根本の解決がされてないんだよね。

結局長期に渡って安定した食料を自分たちで作れるようになれば、飢餓もなくなるはず。

だからこそこの持続可能な農業が大事になってくるんです。

この課題に関しては、結構いろんな取り組みが行われてます。目標1「貧困をなくそう」でも書いた、現地の人に激安でスマホを提供して、作物の写真を送ってもらってアドバイスするのも持続可能な農業に対する支援です。

他にも現地の人に技術を教えに行ったりしてる。これは生徒みんなで話し合えそうなテーマだと思います。

「どんな取り組みをすれば現地の人も自分たちも幸せになれるか」みたいな感じで話せばたくさん意見が出るんじゃないかな。

最後に

noteを書くのは1時間って決めてるから駆け足になってしまった。でも抑えたいポイントはまとめられたかなと思います。なんかわかんないことあれば聞いてくれれば答えるようにするね。

ちなみに授業で使えそうな飢餓に関する資料をまとめておきますね。

ハンガーマップ→世界の飢餓状況が色分けされてて一目でわかる。

ゼロハンガーチャレンジ→WFP主催のSNSと連動した飢餓キャンペーン。食品ロス削減の取り組みを発信しようって内容。

※食品ロスについて書き忘れてしまった。目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲットに出てくるからそこで詳しく書くつもりだけど、食品ロスを削減することも飢餓の解決につながるから簡単に急いで書きます。

食品ロスは、本来なら食べられるのに捨ててしまうこと。恵方巻きなんかは毎年のように話題になるよね。日本も食品ロスが多くて、1人あたりで換算すると、1日茶碗1杯分の食料が捨てられているらしい。

削減するのはもちろん大事なんだけど、なんでこれが飢餓の解決につながるんだろうと疑問に思って調べたんだけど、どこにも具体的な記載がなかったから自分なりの解釈を。

おそらく「食の再分配」という考え方が当てはまるんじゃないかなと。本来捨ててしまうはずの食品を飢餓で苦しんでいる人たちの所へ送る。そうすればみんながご飯を食べられるようになる。ローソンなんかもこの取り組みをしている。

以下ローソンニュースリリースより引用

従来は物流センターにおいて廃棄しなければならなかった「店舗への納品期限を迎えてしまった商品(賞味期限は残っている商品)」などの余剰食品※を、一般社団法人全国フードバンク推進協議会(東京都小金井市、代表理事 米山惠子:全国のフードバンク30団体が加盟)を通じて、食品の支援を必要としている家庭やこども食堂・児童養護施設・障がい者福祉施設などに寄贈する取り組みを始めます。

ただこれは国内限定のような気もするんだよね。食品を海外に輸送となると時間がかかって腐っちゃうし。

もう少しこの辺は勉強したいと思ってます。

TABLE FOR TWO→健康的な社食を提供して、その売上の一部を途上国に支援している団体。結構考えさせられる取り組みだから、これを元に授業も組み立てられるかも。

残念ながら1時間が経ってしまいました。今日はここまでとしますが、「飢餓をゼロに」は、後半の目標に比べて、中学生は「自分ごと化」しやすいテーマだと思うからいろんな意見を引き出せるんじゃないかな。

ということで次回は目標3でお会いしましょう。

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