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【第2回】SDGs目標1「貧困をなくそう」について

第2回目は早速目標について書いていきます。

ここで取り上げる「貧困をなくそう」は1番最初の目標というだけあって、すべての目標に通じる内容ですね。

「貧困をなくそう」の主旨

SDGsの各目標にはそれぞれわかりやすくキャッチコピーがついてる。目標1もパッと見で「ああ、貧困をなくす目標なんだな」とわかります。

ただ、具体的にどんな内容なんだろうと考えると、まずは正式和訳を読む必要がある。目標1でいうと「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」になります。

貧困っていうとどうしてもアフリカとかのイメージがあるけど、どの国でも貧困で苦しんでる人がいるんだよね。だからアフリカだけじゃなく、世界中の貧しい生活をしている人たちを支援しよう!というのが目標の主旨になるかなと。

ターゲットを知る

目標を詳しくを見る前に、SDGsの基本的なところを説明します。

SDGsは、各目標にそれぞれターゲットといわれる行動指針のようなものが設定されている。合計で169個もあるから子供達には全部教えなくてもいいと思うけど、自分では1回ちゃんと目を通してどんなことを言ってるのか確認するべきかな。

ターゲットに関しては農林水産省のHPが一番見やすいと思うからぜひ参考にしてください。>>農林水産省HP

ちなみにターゲットはこんな感じで書かれてる。(「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット(外務省仮訳)」から引用)

1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

太字にした数字とアルファベットの違いなんだけど、数字は「目標に対する具体的な課題」で、アルファベットは「課題を達成させるための手段や策」になってます。

要は、目標1でいえば数字の場合は「世界では貧困に関してこんな課題があるから解決しましょうね。」アルファベットは「貧困を解決するために具体的にこんなことをしていきましょうね。」ってことだね。

ただ結構難しいことが書いてるし、特にアルファベット部分は政策とか法律とかに絡んだ話が多いから、完全に理解しようとしなくてもいいかもしれない。まずは1回読むことが大事。

ということで、一旦ここまで基本となるところを紹介しました。次からは踏み込んで内容を見ていきましょう。

「貧困をなくそう」の具体的な内容

貧困に陥っている人とはどんな人を言うの?というところから始まります。SDGsでは貧困層1日1.25ドル未満で生活する人と具体的に定義している。これは、主に途上国の貧困削減や開発支援を目的とした「世界銀行」が定めた貧困ラインなんだよね。

この貧困ラインは、世界情勢や物価の変動とかを鑑みて定期的に変更されるんだけど、2015年に1.25ドルから1.90ドルに引き上げられた。

ただ、SDGsは1.90ドルに貧困ラインが引き上げられたのと同じ時期の2015年に採択されたということもあって、1.25ドルにしているんだと思う。

それとSDGsの前身であるMDGsも1.25ドルに設定していたから、SDGsになってどのくらい改善されたのかを比較しやすいってのもある。

いずれにしても日本円にして1日100〜200円未満で生活するのはしんどいし、人間らしい生活を送れるはずがない。金額どうこうっていうより、彼らが少しでも豊かな生活を送れるようにみんなで色々考えていこう!というのが大事です。

貧困の原因は?

次に貧困に陥っている原因を考えていきましょう。いろんな意見があるんだけど、一般的には「①インフラが整っていない」「②教育を受けられない」などが挙げられるかな。

①インフラが整っていないことについて

貧困層がのほとんどは、アフリカでもサハラ以南のアフリカと南アジアに住んでいます。

この地域には「水道がない」「電気がない」「整備された道路がない」と生活するための基本的なインフラが整ってなくて、産業が発達しにくい。

それはなぜか。

貧困層のほとんどは農民なんだけど、例えば農業で作物をたくさん収穫したとしましょう。

でも道路が整備されてないからたくさんの量を市場に輸送できない。そのうち作物も腐ってしまう。

獲った作物を保存できないの?電気がないから長期保存できる方法もない。

缶詰みたいに加工もできないの?水や電気がないからこれもなかなか難しい。

こういうことが原因で、農業以外の仕事が発展しないし、安定して稼ぐこともできないというわけです。

さらに産業を発達させたり、農業以外の仕事に就こうと考えた時に教育の存在が大事になってくる。でもこの地域では教育を満足に受けられない人も多いんだよね。

②教育を受けられない

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文字の読み書きができれば色々な職業を選択できるようになるんだけど、彼らは教育を受けていないからそれができない。

なぜ教育を受けられないのか?これもインフラの未整備が関係してくる。

水道がないから飲み水や生活用水を確保するために川に水を汲みにいかなければならない。電気がないから火を起こすのに木材を集めてこなければならない。

これらは主に子供と女性の仕事と言われています。子供が重い水とか木材を背負って何キロも歩いてたら、帰ってくるころにはヘロヘロになって学校に行く気力もないよね。

水道、電気があれば何も気にせず学校に行けるんだが…。

とはいえ、インフラが整っていても教育を受けられないこともある。

貧困層の親は、教育を受ける必要性がわかってないんだよね。自分も受けてこなかったし、学校に行っても無駄だから早いうちから労働力としてカウントしてしまう。

こればかりは価値観から変えないといけない。

子供が教育を受けられるようになれば、もしかしたらその重要性を知ってもらえるかもしれない。そうすると全員が教育を受けるべきといった認識が生まれて負の連鎖から脱却が期待できるし、安定した職に就く可能性も広がる。

だからこそ貧困からの脱却を目指すには、みんなが教育を受けられるようにしないといけないんだよね。

他にも気候変動が原因で異常気象が増えて、干ばつが続いて農業に支障がでたり、集中豪雨で家が流されて生活基盤がなくなってしまうこともある。男尊女卑の思考が根強くて女性が活躍できない、ひどいときには人身取引されることも。と、貧困になる理由はたくさんあるし、貧困が原因で起こる問題もだってある。

早いうちに解決したい問題なんだけど、自分達にはなにができるかを生徒に考えさせるのもいいかもしれない。

貧困の解決に向けたポイント

貧困の解決のためにできることは、お金による支援と、稼ぐ方法を提供する支援の2つがある。

お金による支援は基本的には募金なんだけど、これも立派な解決に向けた取り組みです。

ただ、個人的にはもう1つの稼ぐ方法を提供するってのがかなり大事だと思っています。

よく魚を与えるのではなくて、釣る方法を教えろって言うけどまさにその通りなんじゃないかな。

子供たちと目標1について考えるときには、どんな方法で稼ぐ手段を提供すればいいのかを考えさせるのもいいかもしれない。

どこだったかの企業は、スマホを格安で貧困層に提供して、アプリ上で農作物を効率よく育てるアドバイスをしていたりしている。企業がどんな取り組みをしているのかを調べさせるのもいいね。

ここまで見てきたアフリカとか南アジアの貧困は「絶対的貧困」って言われています。

でももう一回思い出してみよう。SDGs目標1は、世界中の貧困をなくすことが掲げられていることを。

相対的貧困について

日本みたいな先進国といわれる国でも貧困で苦しむ人たちはいるから、この人たちも支援していかなければならない。

ちなみにこの貧困層にも、さっきの絶対的貧困と同じように定義がある。

それは、大多数の人たちの所得水準より下回っている状態を指し、これを相対的貧困といいます。

所得は年によって変わるから、それに応じて貧困ラインも変化するんだけど、2017年の数値でいえば、1人世帯で年収127万円未満でした。

相対的貧困に多いのは、老人世帯・ひとり親世帯・郡とか地方の山間部に住む世帯とされている。

とりわけ深刻なのが母親と子供で生活しているひとり親世帯なんだよね。

ひとり親世帯の子供は、一般的な世帯の当たり前ができない。例えば習い事にもいけない、本も買えない、バイトに明け暮れるとか。

世間的には自己責任だなんだみたいなことを言われるけど、個人的にはそう思わない。色々な事情があるから苦しい人には手を差し伸べるべきだと考えている。

ただ今の所自分にできる具体的なアクションは思いつかないから、これから勉強していこうかな。

よし、ここまでが目標1のポイントです。

読んでて気づいたかわからないけど、他の目標とリンクするところが多い。目標2の「飢餓をゼロに」もそうだし、4「質の高い教育をみんなに」とかほとんどと関連してくるんじゃないかな。

だからこそSDGsを学校現場に取り入れるならこの目標1に時間を多く割いた方がいい気がしている。

日本も含めた世界中でどんな問題が起きているのか、みんなでしっかり共有してから2以降の目標に取り組んでみてはどうでしょう。


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