『地球の限界』を考えてみよう。それは・・・(5)

いよいよ、気候変動の内容を共有しましょう。
 
1.気候変動
・400億トンの二酸化炭素が化石燃料燃やすコスト。400億トンの二酸化炭素を大気中に排出している。
 
二酸化炭素排出量の最も多い中国は近年、毎年約90億トン以上、2番目に多いアメリカは約50億を排出し、全世界の多くを占めている。日本は中国やアメリカの4分の1以下ですが、5番目に多い国である。一人当たりの排出量(年間)ではアメリカが最も多く約15.1トン、日本は約8.5トンとなっている。
 
温室効果ガス排出量の推移(世界)
二酸化炭素(CO2)

過去20年間における大気中の二酸化炭素濃度の増加の内4分の3以上は、石炭・石油など化石燃料の燃焼による。従って、工業化の進んだアメリカ、 ロシア、日本などの先進国は排出量が大きな割合を占め、とりわけ重い責任を担っていると言える。また、先進国の一人当たりの排出量は途上国を大幅に上回っている。
 途上国では、現在の一人当たりの排出量は少ないものの、経済発展の進行で急速に増加しつつある。経済発展と温室効果ガスの排出抑制の両立した社会システムが、先進国との連携のもとに形成されることが切に期待される。

メタン(CH4)
メタンも二酸化炭素に次いで地球温暖化への影響の大きいガスである。大気中のメタンの濃度は、1750年以降150%増加し、現在も上昇し続けている。メタンの排出の半分以上が、化石燃料の使用、牛などの反芻動物、水田、埋立等の人間活動による。
一酸化二窒素(N2O)(亜酸化窒素ともいう)
大気中の一酸化二窒素の濃度は1750年以降、約20%増加し、現在も増加し続けている。一酸化二窒素の排出の約3分の1は、農耕地の土壌、家畜、化学工業等の人間活動によるものである。
 
フロン、代替フロンその他の温室効果ガス
オゾン層を破壊し、温室効果ガスでもある多くのフロン(CFCs)、代替フロン(HCFCs)の大気中濃度は、1995年以降、モントリオール議定書の規制のもとでの排出削減の効果により、微増又は減少している。
一方で、これらの代替物質(HFCs)や一部の化合物(パーフルオロカーボン(PFCs)や六フッ化硫黄(SF6)など)もまた温室効果ガスであり、それらの濃度は現在増加している。
 
<森林火災>
数字で見る森林火災(Facts & Figures)
 世界で進行している森林火災の現状に関する数字と事実をまとめています。
 
▪世界全体
世界の森林面積は約40億ヘクタールで陸地の31%を占めている(WWF
世界全体の森林面積の65%を有する118ヵ国で毎年1,980万ヘクタールの森林が火災によって消失している(FAO
2020年4月の世界の火災警報の数は、2019年4月と比較して13%増加している(WWF
野火全体の75%は、人間に責任があることが報告されている(FAO)。
世界人口の25%以上に相当する約16億人の人々が生活の糧を森林に頼っている(FAO
 
▪アマゾン
2011年以降、アマゾンでは毎年8月に、約2万件程度の森林火災が起きているが、2019年8月には1か月で約3万件もの森林火災が発生している(WWF
2019年に、生物多様性の宝庫といわれるアマゾンで失われた森林面積は、およそ91万66百ヘクタール。過去5年間で、最悪の被害(WWF
2019年1〜10月の間に180万ヘクタール以上が燃え、11月の終わりまでには、前年比で7.1倍もの焼失面積が記録されている(WWF
 
▪オーストラリア
2020年5月半ば時点で焼亡したと推定される総面積は、1千7百万ヘクタール。北海道の面積の2倍以上に相当(WWF
オーストラリア全体では3,000棟以上の建物が被災。
死者も33名以上にのぼる。
WWF
12億5千頭以上の野生動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)が、犠牲になった可能性(WWF
 
▪カリフォルニア
過去100年の間に、カリフォルニア州の夏の気温は1.4℃上昇したとされている(National Geographic
過去カリフォルニアで起きた20件の大規模火災のうち17件は2000年以降に発生したもの(Cal Fire
2020年にカリフォルニアで起きた森林火災は、120万ヘクタール(東京都の面積の5倍以上)にも及ぶ(National Geographic
1970年代と比べ、カリフォルニア州で夏に火災が起きた土地の面積は8倍にもなり、年間の焼失面積は5倍に増えている(National Geographic
 
▪日本
日本では、1日あたりにすると、全国で毎日約3件の山火事が発生し、約2百万ヘクタールの森林が燃え、1.6百万円の損害が生じていることになる(農林水産省 林野庁
森林火災の範囲はこれまでと比べると年々大きくなっていることは明らかであり、それにより生物多様性や人々の暮らしにも影響している。
 
 
▪森林火災を防ぐためにできること
森林火災を食い止めるために、私たちができることは何だろうか?毎日の生活の中からでも森林を守るためにできることは数多くある。
これまでIDEAS FOR GOODでも「オーストラリア森林火災のために私たちができる3つのこと」や「#ActforAmazonas 森林破壊を防ぐために私たちができる5つのこと」などでまとめている。
 
・森林の近くにいるとき
枯れ葉や枯れ草など火が燃え移り、火災が起こりやすい場所で焚き火をしない。
 
・買い物のとき
違法伐採された商品を買わない
森林認証されているものを選ぶ
木材の輸入を減らす
肉の消費を控える
 
・日々の生活で
個人のカーボンフットプリントを減らす
森林火災の問題を誰かに伝える
直接的な森林火災の原因となる焚き火やタバコのポイ捨て以外にも、私たちの日々の生活ひとつひとつから見直していくことで森林火災の間接的な原因を防ぐことができる。
たとえば、何気なく使う商品の原材料を把握しておくことも大切だ。チョコレートやカップラーメンの原材料の1つであるパーム油は、熱帯地域で栽培されるアブラヤシから抽出されている。このアブラヤシを栽培するために広範囲で熱帯雨林が伐採されている現状がある。商品を買う際にパーム油が使われていないか確認してみ寄ってみよう。
さらに、日本の木材輸入量は世界トップ3といわれている。こうした輸入国が原因で違法伐採が進むという現状もある。住宅・紙・家具など、国産木材が利用されたものを購入したり、日々の生活では、再生紙や森林認証のある商品を選ぶなど一人一人が責任ある消費を心がけることが大切である。
 
▪オーストラリア史上最悪の森林火災はなぜ起きたか-地球の息吹を感じるオーストラリア
 オーストラリアは昨年9月から続く森林火災が年末にかけて悪化。オーストラリア史上最悪の森林火災となっている。大晦日から2日にかけては、数万人規模の住民や観光客らに避難勧告が出され、こちらもオーストラリア史上最大規模の避難が行われた。
 2020/1/5時点で、オーストラリア全体の森林火災面積は、関東地方(32,424 km2)の2.5倍近い約79,800 km2、25人が死亡、ニューサウスウェールズ州だけで5 億もの生き物たちが焼死したのではないかと言われている【1】
 火災が起きていない州はノーザンテリトリー準州のみで、スコット・モリソン豪首相は2020年1月5日、国内各地で起こっている森林火災は、今後、数ヶ月は続く可能性があると発表。火災エリアは拡大する一方で、延焼していくうちにいくつかの火災が合併し、巨大な火災エリアとなって、手が付けられないほど猛威を振るっている。
 オーストラリアの植物には固有種が多く、中でもユーカリやマートル、ティーツリーと呼ばれるメラリューカ(メラレウカ)は種類が豊富で、森を形成する樹木類のかなりの部分を占めています。ユーカリやティーツリーと聞いて、ピンとくる人も多いと思いますが、どちらも「精油」で有名な樹木です。
 ユーカリは、葉で揮発性の高い油分を生成し、空気中にそれらを含んだ気体を放出します。また、葉を大量に落とし、幹や枝の表皮が定期的に剥がれ落ちて根元に積もることで、菌類による分解を防いでいます。
 ティーツリーは、精油がとれるだけでなく、幹の部分が紙のように剥がれ落ちる表皮になっていることから「ペーパー・バーク」とも呼ばれています。その昔、先住民アボリジニの人々は、この表皮を火おこしに使ったというほど、燃えやすい特性があります。
 つまり、森林を形成する多くの木が、油分を多く含み、燃えやすい表皮に覆われていることもあり、一旦火が点くと、木から木へと火が飛び移ってしまうのです。また、ユーカリのように地面に落とした表皮や葉は、下からやってくる火の着火剤にもなりえます。
 しかし、こうしたオーストラリア固有の植物は、発芽するのに火が必要な種が多いのも事実です。火災になっても表皮のみが焼けるだけで内部までは延焼しないため、木そのものが死んでしまうことはほとんどありません。むしろ、火がないと新しい芽が出ず、森が生長しなくなってしまうという一面もあるのです。
 
 
 
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