《12》電力業界の事例(ハチドリ電力)
今回は「電力業界」の事例をお伝えします。
ご紹介するのは、ハチドリ電力。
「ソーシャルビジネスしかやらない会社」というコンセプトを持つボーダレス・ジャパン株式会社代表の田口一成さんが立ち上げた電力サービス事業です。
電力事業は2016年から全面自由化となり、色々な企業が参入しています。ただ、その中で自然エネルギー100%の電力会社はそこまで多くありません。
ハチドリ電力はその一つで、CO2ゼロの自然エネルギー100%のみを販売しています。
特徴として、利用料金の1%が発電所を増やす基金に使われるため、利用者の増加に伴い自然エネルギーの発電所が増設されます。
さらに、利用料金の1%が社会貢献活動に寄付されます。
子どもの貧困・教育、国際協力、自然環境の保護といった活動を行うNPO法人などが支援先となっているため、利用者はハチドリ電力を使うだけで自動的に社会貢献活動へ毎月寄付していることになります。
もともとこの事業は、地球温暖化に起因する異常気象や自然災害が毎年起こる中で、一人ひとりにできることで気候変動に最も大きなインパクトを与え、多くの人が参加できるものを考えられたことから始まりました。
現在、日本ではCO2の40%以上が発電により排出され、家庭から出るCO2の約半分が電気を使うことで生まれています。
すなわち、一人でも多くの人が自然エネルギーを使うことが地球温暖化の抑制につながるのです。
もしかすると自然エネルギーは高く、電気代が上がってしまうというイメージがあるかもしれませんが、実際には料金が下がるケースも多いようです。また、昨年末から電力卸取引価格の高騰がニュースになりましたが、その中でもハチドリ電力は固定単価の料金プランをつくり、利用者の電気料金が電力の高騰に左右されない仕組みができています。
実は「家庭で使う電気を自然電力に変える」というのは、個人でできる最もインパクトの大きなSDGsアクションの一つです。「買い物は投票」とよく言われますが、気候変動リスクの大きいこれからは「電力選びも投票」と言われる時代が来るのではないでしょうか。
「ハチドリ電力」の名前の由来にもなっているハチドリのひとしずくの物語のように「私は、私にできることをやるだけ」と言って行動する人が増えると、気候変動に少しでも歯止めがかかり、SDGsの推進も加速するのではないかと考えます。
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