11.【企業分析】なぜ、経常利益率と自己資本比率に注目するのか?
私が企業分析をする際に一番はじめに着目するのは、経常利益率と自己資本比率です。経常利益では経営(事業)の良し悪しを判断し、自己資本比率では会社の健全性をチェックします。
まずは用語の説明をします。
経常利益率とは経常利益 ÷ 売上高で計算ができます。経常利益は企業が通常行っている業務の中で得た利益のことで、その事業の良し悪しを判断できます。業界によりますが、少なくとも10%を確保することが望ましく、10%を確保すると資金を投資に回すことができるので、永続的な発展に繋げられます。理想は20%です。
自己資本比率とは自己資本 ÷ 総資産で算出できます。自己資本とは純資産のことで、返さなくて良いお金になります。返さなくて良いお金が多いほど健全性が高いと言えます。業界にもよりますが、できれば70%、少なくとも50%は維持したいですね。
そもそも会社経営をする理由は、私は2つの理由があると思っています。
優先順位的に記すと、以下です。
⑴全従業員の物心両面の幸せの追求すること
⑵未来を創造し人間の進化を促し続けること
この2つを創り出すために、常に成長している会社=潰れない安定した会社が必要であり、その条件として、経常利益率と自己資本比率は重要な指標になるんだと考えています。
また金融機関も、経常利益と自己資本を重視しています。
例えば経営者保証を不要とする借入の条件は以下とのことでした。
・減価償却前経常利益が2期連続赤字ではない
・直近の純資産額が債務超過ではない
「返済能力」をチェックするのが金融機関ですから、経営を永続的に存続させるという意味では見る視点は同じなのだと思いますが、私からしてみれば、2期連続赤字ではなく、債務超過ではない会社状態で永続的な会社存続はできないと思っています。
この指標を経営をする上での指標として鵜呑みにしてはいけません。
だって返済をするために事業をしているわけではないですからね。
永続的に企業を成長発展させ、社員やお客さんを幸せにするために事業をやるんですよね。
だからこそ経営者が目指すべき最低限の数字は、
①経常利益10%以上
②自己資本比率50%以上
だと思うのです。
成長フェーズによっても変わりますが、経営者は常にこの状態は目指すべきです。そうしないと経営は安定しないと思っています。
圧倒的に成長できる経営者は自己資本比率を下げてレバレッジを効かせたり、投資や採用に積極的にお金を使い経常利益を下げるのもありですが、堅実にやっていくのであればこれは最低限必要な指標になると思います。業界関係ないと思いますね。
また事業の目的意義があるから経営をしているのだと思いますが、それは勇気が湧かないと実行できないのが現実です。だからこそお金を潤沢に作る必要もあると思っています。経常利益率を高め、自己資本比率を高める理由は勇気を出すためにも必要です。
ちなみに弊社は昨年の8期目時点で経常利益率は20%以上、自己資本比率は76%以上です。まだまだ経常利益率ならびに自己資本比率が少ないので精進してまいります。