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地球46億年の歴史が教えてくれたこと

2023年7月にAMI6-12(6-12歳国際モンテッソーリ教師)のディプロマコースの全課程を終えると同時に、約1年間のオランダ生活を終えて日本に帰国しました。
情熱と愛情に溢れたトレーナー、1年間共に学び、たくさん議論し、困った時には手を差し伸べてくれた世界中から集まったクラスメイト。日本から離れ、ゼロベースの自分が学ぶことができたのは紛れもなく人に恵まれていたからだと帰国して半年経った今もしみじみと感じています。


日本に帰国してからは、モンテッソーリエレメンタリースクール北九州(MEK)の開設に向けて、1日が24時間では足りないと心底思うほど奮闘し続ける毎日。ついに、2024年4月よりMEKが本格開校いたします。

1日24時間では足りないと思いながらも、1年間のトレーニングで大きく変わったことの一つは、「時間の捉え方」です。
これまでの歴史の知識がいかに縦にも横にも断片的なものだったか。
自分自身が大学まで受けてきた教育で学んだ知識のほとんどが、過去に起こった出来事を断片的に切り取り学んでいたものだとすれば、モンテッソーリの6-12での学びは「生の連続性」を感じる学びでした。
それも、宇宙そして地球が誕生した46億年にもおよぶ繋がりです。
(参考:地球そして生命の誕生と進化(Youtube))


宇宙の存在。地球の誕生。生命の歴史の中で紡がれてきた自分たちの存在。
自らの生命と繋がりが感じられる学びはモンテッソーリ教育の大きな特徴です。特にエレメンタリーの過程のモンテッソーリ教育の特徴は、Cosmic Education(コズミック・エデュケーション)というアプローチで宇宙を探究していきます。

なぜ、「宇宙」を探究するのか。

生命を考えた時に、私たちは人間こそが世界に変化や、新しい何かをもたらしたり、環境を改善してきたと考えがちです。
本当に、人間が中心の世界なのでしょうか。

「奇跡の星」と呼ばれる地球。人間はもちろんのこと、これだけ多くの生命が存在している星は他にないです。なぜ生命が存在できるのか。
地球と太陽の関係性を考えてみましょう。
私たちが生きられるのは、地球と太陽が絶妙な距離関係を保っているからです。もし、地球がもう少しでも太陽に近い位置を公転していたら、太陽の光、暑さで水は蒸発してしまうかもしれないですし、生物も生きられないでしょう。もし、地球が太陽よりももう少し遠ければ、地球は氷の世界に包まれていたかもしれません。
太陽のように自ら光を放つ惑星である「恒星」の寿命は数千年程度と考えられています。それに対し、太陽の寿命は100億年と言われています。
生命が進化するためには数億年の年月が必要であり、太陽は生命が進化するまで十分に光を与え続けてくれています。

月も地球にとって重要な存在です。
月の引力で地球は地軸を23.4度に傾けています。もし、この傾きがなければ地球から季節がなくなります。逆にもっと大きく傾いていたら、何十日も昼や夜が続いてしまいます。

地球には、土と水、空気があり、山があり海があり、大気があります。
これらはすべて、地球上の生命にとってとても重要な要素です。
けれども、これらすべてははじめから今と同じように存在していたわけではありません。地球上に存在していたもの、存在するものすべてが、今日この地球に存在するすべてのものに貢献しています。
当たり前ではなく、「特別である」と感じられること、すべてがお互いに頼り合い、補い合っていること、そうやって環境を保たれていること。
人類が誕生するまでの過程にもたくさんの生命が人間がこの世界に存在できるように、準備をしてきたこと、その事実をコズミック・エデュケーション
を通して、すべての生命の発展に感謝しながら繋がり合う心を育んでいきます。


そして「感謝」とは、するものでもさせるものでもなく、心の内側から湧きあがる感動を常にキャッチしている状態のことだと思います。

1年間の学びから得た「感謝して生きる」ことは、日常のあらゆることに感動が溢れていること、この世界の尊さを日々感じられる心の豊かさです。

吸収精神を使って自分の世界を構築してきた第一段階(0-6歳)までの子どもとは異なり、第二段階(6-12歳)の子どもは物事を理解するために「Why?どうして」、「How?どうやって」と理由づけの精神を発動させます。この理由づけの精神に応えるためには、子供達の活発になった想像力が使えるような大きなビジョンが必要です。目には見えないもの、今目の前で起こっていないものにも想いを馳せることができる想像力です。
子どもたちには、この世界のあらゆることを探究し、感謝の念を抱くようにってほしいと願います。
そしてそれは、自然に感謝するだけでなく、人間が創ってきたものに対しても同じです。書き言葉や記録する方法が発明されたからこそ、私たちは今、この世界のことを少しだけでも知ることができるのです。書物に残されたもの、研究結果や発見・発明は初期の人類の功績であり、その上に私たちは生きています。

この世界を探究し続けることは、日々感動と新たな発見の連続です。
そして、この心の豊かさをもって、今自分が存在できているこの世界に、次の世代に自分がどのように貢献できるかを考えながら、
モンテッソーリ・エレメンタリースクール北九州で子どもたちと日々過ごしていきたいです。



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