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植物と香りのネセセールvol.2〜ニコラス・カルペパーの窓

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オンライン開催|2024.10.13〜10.19 *10/16・10/17休|シリーズ企画展の第二弾テーマは、17世紀英国に生きたハーバリスト・占星術師の「ニコラス・カルペパー(…
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植物と香りのネセセールvol.2〜ニコラス・カルペパーの窓|オンライン展覧会のご案内

* オンライン開催 at SCRIPTORIUM (モーヴ街・7番地)  シリーズ企画展《植物と香りのネセセール》第二弾をオンライン開催致します。  第一弾は昨秋、旅行家・植物画家「マリアンヌ・ノース(1830〜1890)」を題材に、在りし日の菫色の小部屋(霧とリボン実店舗・昨年末閉廊)にて開催致しました。  植物と香りを求めて辿り着いた今回のテーマは、17世紀英国に生きたハーバリスト・占星術師の「ニコラス・カルペパー(1616〜1654)」。  いにしえの時代から私

ニコラス・カルペパーの窓|DAY 5|

DAY 5 配信ラインナップ 文霧とリボン  秋の到来と共に幕を開けた霧とリボン企画展が本日最終日を迎え、全記事の配信が無事終了致しました。  お好きな時間、お好きな場所からオンライン展覧会を楽しんで下さった皆々様に心より深く感謝申し上げます。  5日間の会期中に配信した記事は30本(+告知関連記事3本)。参加アーティスト、エッセイ執筆者総勢20組がお届けした作品は89点にのぼりました。本展記事は以下にまとまっていますので、折に触れてぜひまたご高覧下さいませ。  全8

ニコラス・カルペパーの窓|藤本綾子 × Du Vert au Violet|占星術師の薬草室

 洗練の白の世界を追求し続ける陶芸家「藤本綾子」さまと霧とリボン運営のプライヴェート・ポプリ ブランド「Du Vert au Violet|ドゥ・ヴェール・オ・ヴィオレ」とのコラボレーションによる磁器作品「占星術師の薬草壺」を発表致します。  一点一点轆轤で造形された藤本さまの磁器作品。陰影により浮かび上がる模様はエキゾチックな雰囲気を湛えながら、白の端正に留まります。  その絶妙なセンスに魅了され、これまで霧とリボンの様々な企画展にお誘いし、たくさんの皆様に作品をお届けし

ニコラス・カルペパーの窓|marship《2》|紫陽花の面影、木の実の遠影

 17世紀英国のハーバリスト、ニコラス・カルペパーにオマージュを捧げる本展。今回が霧とリボンの企画展に初参加となるジュエリー&アクセサリーブランド marship様の作品をご紹介いたします。  植物の目に見えない効能を書物にまとめ民衆に伝えたカルペパー。  marship様の作品は、私たちが日常の中で見逃してしまう植物の美しさを引き出します。ひらりと変化する紫陽花や木の実、双葉、その表情を捉えたアクセサリー4点をご紹介します。  しゃらりと揺れるチェーンタッセルがアンティ

ニコラス・カルペパーの窓|tegamiya《4》|12星座にまつわる物語のかけらたち《秋冬の宮》

 ペン画で描いた小さな絵をちぎって水彩で染め、古い本の頁とともに手のひらサイズの小さな箱に閉じ込めて。切り取られた挿絵のように。  箱のフタ側にも、絵にまつわる言葉と古切手を貼っています。小さなお手紙のように。  *水瓶座のみ、一点一点手でカットした切り紙のオーナメントとなります。  天秤座は、牡牛座と同じく愛と美の星座なのですが牡牛座は「主観性」、天秤座は「客観性」を美の基準にしていると思っています。(もちろんその違いに優劣はありません)  どこかスマートな気品、この女

ニコラス・カルペパーの窓|CANDLE STUDIO MAGIERA《2》|星図に導かれしハーブの灯

 CANDLE STUDIO MAGIERA様のビーズワックスを素材としたオーナメント1作とキャンドル2作をご紹介します。本記事では、植物の効能が惑星から由来すると考えられていた時代、占星医術師としてのカルペパーにオマージュを捧げます。  一つ目の作品「GEMINI」は双子座を象ったオーナメント。   軽やかに宙に浮かぶ双子の姿。エメラルド色の惑星を思わせる球体に乗った双子のひとりに、きらきら光る蝶の羽根を背中に広げたもうひとり。お茶目な雰囲気と厳かさを漂わせる双子がくる

ニコラス・カルペパーの窓|金田アツ子《2》|花言葉をまとって

 満天の星空の中、花言葉を身にまとう夜。  金田アツ子が送る、花たちの夢のひととき。  「希望」の花言葉をからだ全体で表すように、夜空に向かって咲くアイリス。のびのびとした美しい姿で満月を中央に抱き、その力を全身にみなぎらせる。  さあ、感じて。私こそが希望。 *  視界を奪う深紅のバラ。夜空を従えて星々のライトに照らされて、ゆるぎない存在感を放つ。  あなたが見つめるのはわたしだけ。わたしが見つめるのは、きっと。 *  三色菫が問いかけるのは、想いを寄せる誰かのこ

ニコラス・カルペパーの窓|DAY 4 |

DAY 4 配信ラインナップ 文霧とリボン   Happy Birthday Culpeper !  オンライン開催中の霧とリボン企画展は、本日より会期後半がスタートしました。  奇しくも今日はカルペパーさんの408回目のお誕生日。記念すべき一日に展覧会をお届けできましたこと、本当に嬉しいです。極東の地からお届けしているカルペパー活動、お空の賢人も喜んで下さっているかしら?  会期もいよいよ明日最終日。  オンライン上にひろがるモーヴ色の通りにて、皆様と共に大団円を迎

ニコラス・カルペパーの窓|川野芽生|メイキング・エッセイ|星座写字室〜星の言葉を綴る

 文学作品を題材に作られるDu Vert au Violetさんのポプリを知ってから、いつか小説か短歌でコラボさせてほしい、と思っていました。  その願いが叶って、このたび『星座写字室』シリーズにてDu Vert au Violetさんのポプリ、ruffさんのシガレットカードとご一緒させていただけることになりました。  私の担当は、各星座にまつわる掌篇小説。  その際、星座だけでなく、それに対応する植物各二種(シガレットカード・ポプリとも共通)も登場させてほしいとのことで

ニコラス・カルペパーの窓|ruff|手の中で風の時代が始まる

 所有──それは、世界が放つ光を手のひらに受けて掴み、世界の陰で手を開き、自らの世界を創り出し、そこに自らを棲まわせるための技法だ。  19世紀の終わり頃から20世紀前半まで、主に欧米の煙草のパッケージに宣伝用のカードが封入されることがあった。こうしたシガレットカードはコレクションの対象となった。  そしてカードとは、古代から、宇宙を断片的に所有するための道具だった。  このたび発表されたruffのイラストシリーズは、ruff(シガレットカード)×川野芽生(掌篇)×Du Ve

ニコラス・カルペパーの窓|川野芽生×ruff×Du Vert au Violet|星座写字室〜風のエレメント

 代々の護り人が博物図譜をひそかに受け継ぎ、気の遠くなる時の流れの中でその時代時代の尖端が織り込まれ、いまこうして届けられた——イラストレーター・ruff様の作品を初めてみた時の打ち震える衝撃は、今でも鮮明なままです。  その作品にはアンティークの風合いが質感豊かに盛り込まれていながら、透明感あふれる現代的なセンス、さらには未来のノスタルジーをも感じさせる不思議な時の揺らぎが留められていました。  これまで、数々の霧とリボン企画展へのご参加に加え、2020年には念願の個展《

ニコラス・カルペパーの窓|tegamiya《3》|12星座にまつわる物語のかけらたち《春夏の宮》

 ペン画で描いた小さな絵をちぎって水彩で染め、古い本の頁とともに手のひらサイズの小さな箱に閉じ込めて。切り取られた挿絵のように。  箱のフタ側にも、絵にまつわる言葉と古切手を貼っています。小さなお手紙のように。  まさに、12星座のカード原画全48枚のうち一番最初に描いた、先頭の絵です。 私は目鼻口のある「人」を描くのに苦手意識があり、この牡羊の人の絵が納得いくように描けなかったらこのカード制作は無理だ、すべてやめよう、と思っていました。  だけど、この人は生まれてきた。

ニコラス・カルペパーの窓|くるはらきみ《2》|「夜」の属性

 文化を広く見渡すと、物事にはいくつかの基本的な属性があることに気が付きます。  そのひとつに「夜」の属性があります。  深い思索、記憶との対話といった話題が語られる時、夜と結びつけられやすいのは、日が沈んだ後の時間にそれらが始まりやすいという経験からでしょう。  くるはらきみ「メランコリーシスル」では、夜空の下に立つ女性が、周りのアザミの花と同じ幻惑的な色のドレスを見に纏い、スカート部には夜空から摘み取ったように星々が輝いています。  メランコリーシスルはスコットラン

ニコラス・カルペパーの窓|DAY 3|

DAY 3 配信ラインナップ 文霧とリボン  オンライン開催展も三日目を迎え、会期前半が終了致しました。今日までの配信記事は18本(まとめ記事含む)。お気に入りの記事はございましたでしょうか。  明日10/16と10/17は【配信お休み日】です。お休みをはさんで会期後半、10/18と10/19の残り二日間もどうぞご期待下さい。 *  本展がオマージュを捧げるハーバリスト・占星術師のニコラス・カルペパーは、一部の特権階級の人たちが独占していたハーブの知識を市井の人々の手