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【声劇台本】072「争奪メロンパン」

ときめきをあなたへ!届け! 青春短編声劇!

「争奪メロンパン」


《人物》
丸山南(17)高校2年生。
西野義昭(17)高校2年生。

《本編》
南のMO「5月の憂鬱な昼下がり、私は高校の購買で大好きなメロンパンを買おうとした。これが最後の一個だ」

義昭「南! ちょっと待ったあああああ!」

南のMO「クラスメイトの義昭が私の前に割り込んできた」

義昭「それ、俺のメロンパン!」
南「はあ!?」
義昭「悪いな」
南「いやいやいや。義昭。横入りですから」
義昭「これが俺のメロンパンであることに変わりはない」
南「あのね。そんな権利あると思ってんの? 横入りはおとなしく諦めな」
義昭「じゃあ、誕生日! 教えろ!」
南「はあ? なんで?」
義昭「誕生日近い方がメロンパンゲットできる権利を得る。それで今回は手を打とう」
南「なにそれ」
義昭「俺。8月!」
南「私。7月」
義昭「じゃあ。俺。6月!」
南「それなら私、5月」
義昭「南。嘘はよくないなあ」
南「あのね。人のこと言えるの?」
義昭「南の誕生日は、俺調べによると、2月の10日」
南「こわっ! どこで情報仕入れてるのよ」
義昭「俺のネットワーク、なめんな」
南「義昭は本当はいつなの?」
義昭「俺は……8月20日」
南「妙な間。怪しい」
義昭「信じろよ」
南「(呆れて)義昭そんなにまでしてメロンパン食べたいの?」
義昭「俺の気分は譲れない」
南「わかった」
義昭「南。悪いな」
南「半分! それで手を打とう」
義昭「半分?」
南「誕生日が2月と8月なら両方とも5月には同じ距離だし。半分で妥協しろ」
義昭「そおか! う、ううむ!」
南「それとも、まだ戦うか?」
義昭「……参りました!」
南「よろしい」

南のMO「私たちはメロンパンを半分にして分け合った。ホント、なんかよくわかんないけど。まあいいか!」
(おわり)

今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。