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狂乱のマリオネット

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両手にナイフをもった操り人形が繰り広げる物語。骨董屋のショーウィンドウに閉じ込められてしまった彼はどのように生き、どのように自滅するのか。順序は上から章立てしております。
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#雨の日をたのしく

時計の回想録

私は時計である。もしも、人ではなく時計が、君たちの〈人生〉を語ることが許されるのだとすれ…

マリオネットの回想録 〜劇場時代

月はさらに傾いて、西の山の陰に隠れるくらいになると、月の光は小屋の古い漆喰の壁を照らすば…

マリオネットの冒険 〜自我の目覚め

黄色のまばゆいばかりの照明が顔を照らし、操り人形の性(さが)というべき本能を呼び起こした。…

マリオネットの冒険 〜自由の目覚め

日が沈んでも、照明はさらに明るく輝いてショーウィンドウを照らした。外の夜道は薄暗く、ショ…

マリオネットの冒険 〜時計とオルゴールと

マリオネットは、ショーウィンドウに飾られた一つひとつの売り物に近づいた。呼び名も知らない…

マリオネットの考察 〜「売りもの」の宿命

その時、ショーウィンドウの外から革靴の足音が近づいてくるのが聞こえた。マリオネットはとっ…