文庫のグラフマジックと変化の事実と考察

下の記事を読んで以下の点が気になりました。情報源は科学のプロの仕事なので、記事になる過程で欠落した部分が多々あると思います。

「中学入学時にスマホを買い与えると脳の発達が小6で止まる…スマホを毎日使う子を3年間追った衝撃の結果」(2023/5/30、PRESIDENT Online)
https://news.yahoo.co.jp/articles/58e7f0df76ddec34b691267d1b9b85f5e188eff8

中学校の3年間にインターネットを一定頻度以上使った子供は知能検査による言語能力とMRI検査の結果が陰性対照群(それ以外の子供)と異なっていたそうです。前者は減少しており、後者は前者と関連する部分に「脳の発達にも悪影響」が見られたそうです。脳の表面を黒塗りした画像も提示されています。

  • 脳の黒塗り画像は脳の立体構造と変化部位が一致していないように思います。むしろぽっかりと欠落したような過度の印象を受けます。朝日新書上で変化を強調するグラフマジックとしては有効だと思いますが、査読付き科学雑誌のような科学的な場では許されるのでしょうか。

  • 負の面は強調されていますが、正の面の有無や因果の根拠がないです。「脳の発達が悪い→インターネット使用時間が長くなる」場合が記事からは否定できません。

  • 『程度』がほぼ記載されず極論です。唯一定量的な『インターネットを3時間以上使うと成績が平均以下』部分は対応するグラフが勉強時間と睡眠時間しか示しておらず、ヒートマップでなく立体棒グラフなのでよく分かりませんでした。

自分もスマホ依存だと思うので著者の方々が伝えたいことには賛同するのですが、この記事の伝え方は危ういと思います。

参考

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