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都市と地方をかき混ぜてみた[第3話 長野県塩尻市編]

都市と地方をかきまぜたアフター

このnoteをはじめたスタートで書いた「長野県岡谷市」を舞台とした「都市と地方をかき混ぜる」は、ワタシのノリと勢いで多くの人を巻き込んでしまい、大変お騒がせしましたm(_ _)m

 まもなく漉き込まれてしまうというTweetを見たことがきっかけで、五味あやさん(もちろん、わたるさんとも)接点ができ、その後、二人は新たな農場を開拓しようとクラウドファンディングに挑戦することとなった。

 率直にいって、あの押しかけ騒動のような形で、見ず知らずの不審者(であるわたし)が一歩突っ込んでしまったことが、よいふうに作用したとすれば、それはそれでやったかいがあったというもの。改めて農業に対する思いや、自分たちがやりたい生き方を、クラウドファンディングを通し、詳らかにし、そしてその人間としての強さも弱さも踏まえて、多くの人の支援が集まったことは、生産者や消費者という一連の購買行動によってつながる以上の関係性を巻き込み、一次産業とはなにか、食べるとかなんだろうという問いかけを各々がすることとなったに違いないと思う。

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自分自身もそうだし、何気なく買って、作って、消費している食べ物に対して、これからどう向き合っていくのか。消費や浪費ではなく、身体をココロと人生をつくるもの、として食に向き合うことを改めて感じられたことに、五味夫妻の存在があったことを、ココロより感謝しています。

きっかけを作ってくれてありがとう。

新しい農園の想いと期待

 あの、都市まで野菜を運んだ後、急に発生する出来事に直面しながら、新しい農園を探し、作っていきたい!そんな決意と想いが、クラウンドファンディングへの挑戦を決意させ、目標金額を超える多くの方々の支援が昨年得られたことは記憶に新しい。

ワタシははじめからこの挑戦において、大事なことは「総額」の金額よりも、関わる「人数」こそが大事だとずっと思ってきた。もちろん、農業を新しくスタートさせるのに資金は絶対に必要。綺麗事や理想ではできない現実があることは当然のこと。それでも、その総額やこれからの理想の農園を目指していくためには、多くの人ととの「関わり」こそが、農場経営を支えていく「資本」であり「信頼」であり、「土台」になるであろうと思っていた。

その期待どおり、これまで購入したことがなかった人や、Twitterのツイートを見て賛同や応援をしてくれた人、特別関わりもないけれど、なにか面白そうと思ってくれた人。接点となったきっかけや理由はどんなことでも、「かかわり」を持って、ボタンをポチッとしてくれた人がいることは、それだけでチャレンジしたかいがあるというもの。

新しい農園の期待値は高く、さあ、夢と希望に向かってまっさらなキャンバスとなる農園に羽ばたいていけ!という応援の気持ちは、もちろん支援金額の総額にも形となっていたのだ。本当によかった…。

新しい農園の名称は「○○○農園」

 Twitterで、Profileをちょこちょこ変える細かさをもつ五味あやさんを見るたび、そして、箱にテトリスのように絶妙に野菜を詰めていく様をみた人も、繊細でこだわりがあって、細部までこだわる性格が好き!という人も多くいるであろう性格の片鱗は、いろんなところに見ることができる。

 そんな五味あやさんがProfileに「○○○農園」と書きはじめた。3文字の○に新しい農園の名前が入る。どストレートにいくなら「わたる農園」だろうし、「あやと農園」かもしれない?(そんな単純なわけはないだろうww)いろんな憶測や妄想があるなか、本日(2021年2月1日)より、「長野県塩尻市」にて再スタートを切る宣言とともに、新しい農園名が発表された。

うん、想像した通りだった。やりたいことをストレートに表現したことば。それ以外ないだろうとおもった。これまでの関係だけでなく、新しい関係にも「つながり」を大切にする二人。「つむぐ」という関係性のあり方は、二人の生き方であり、これからの農園のあり方そのものだろう。

だから、これからまっさらな農園に、何をつくり、何を伝え、何を分かち合っていくのか。プロセス含めたすべてが「つむぐ」の言葉に含まれている。

だから、二人には「応援する」といった一方的な支援ではなく、「一緒に関わっていく」ことがきっといいだろう。どんな形でもいい。このnoteやTwitterでふたりを知った人が、「いいね」や「シェア」でもいい。商品を買ってもいいし、後に整備されたら農場にで手伝いにいくのでもいい。ふたりが紡いでいく農場に、私達も当事者として関わっていくことが、ふたりにとって目指すべき姿なのだから。

糖もろこしやほうれん草の茎

これからの農園でいったいどんな作物ができるだろう。これまで評判の甘くておいしい「糖もろこし」(といってもまだこれは食べたことがないww)やほうれん草の茎(おひたしにするとめっちゃおいしい!)という人気商品はもちろんのこと、気候風土やお客さんの顔を浮かべながら、きっと楽しく、面白く、ともに分かち合える野菜をたくさん作ってくれるだろう。

おいしさは味だけにあらず。

甘さや旨味の強さや多さがおいしさの指標としてもてはやされ、あれもこれも数字で「糖度競争」みたいな形で野菜が評価、ランク付けされていく姿が本当によいのか、いやおいしいといえるのか。結局、数字に安心して、中身やその背景を見ないままでいたりはしないか。面倒くさがって、何かの指標や価格の高さに頼ろうとしてないか。

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 いくら無人販売が将来起ころうとも、作っている現場には、血肉と想いをもった「人間」がいる。そのことを想い、行動し、食生活を送っていくこと。それさえすれば、食品ロスの問題だって、環境配慮だって、最近話題のSDGsだって、すべて包含できるはず。

異常なのは気象じゃない。無自覚なワタシたち

 今年の冬は日本海側が大雪に見舞われています。そんな中、海では沖縄の魚がどんどん北上した海で採れてしまう温暖化の現実。

桜島大根は、ワタシが知っている限り、10年前は、12月収穫だったものが、いまでは1月末に…生きている間に1ヶ月も収穫がずれるって、100年単位ではどうなってしまう??

農業の世界は、環境や気候変化を直接受けやすい。都市と地方が離れ、消費が継続される世界で、消費現場にその感覚は伝わらない。だからこそ、意図的に、意志を持って、一次産業に触れていかなきゃ、自分の人生も、後世の人生も、異常さに気づかないまま人生が終わってしまう。

自分がいま生きる時代だって、先祖代々受け継がれ、今に至るもの。積算温度や日照、栄養、水の組み合わせで、農作物が育つっていうノウハウだって、脈々と受け継がれてきたもの。そう、人間は時代を超えて「つむぐ」存在だったんですよ。

生きる意味、存在し、次の世代につないでいく責任を果たす。

「つむぐ」ってことは、他人事ではないのです。

どうか、この土地狂った世界の消費と資本の世界に、一筋の安らぎと希望を与える関係性を通して、人と時代を「つむいで」いく存在になってほしい。

五味あやさん、わたるさん、新しい農園のスタート、本当におめでとうございます。これからの期待と希望を、二人に託して、これからも支えていきますよ!これを読んだみなさんも是非、ご一緒に…。

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