”体感”を大切にしよう
あなたの身体がもっている、五感は、すばらしい機能を有しています。モノにふれたら「触れた」という感覚を伝えてくれる。太陽が出て、気温が上がれば「温かい」とわかる。こうした感覚の役割は、あなたの生命を維持するために必要なだけでなく、行動を左右し、そして世の中を動かすことになる。だから、この「感じる」ということに、もっと敏感に、そして自分自身の感じ方に語りかけるように会話することで、たくさんのヒントが得られるのです。
1、服装は、ごまかせない
寒ければ、服を着る。暑ければ、上着を脱ぐ。これは人間にとって、ごく自然な行動です。「北風と太陽」で語られたように、外部の環境によって、人は行動を変える。そのことを称したものですが、いくら「やせ我慢」をしたところで、暑さも寒さも耐えきれません。
だから、街中を歩いている人の様子を観察すること。これは、多くの商売人にとって、大切な「データ」そのものなのです。
コートを着ているのか。上着だけになったのか。長袖か、半袖か。分かりづらいけど、パンツやスカートも厚めの生地から、若干薄手に変わったのか。そんな「誰かの服装」は、体感気温によって自然と定められていくもの。
だから、世の中の多くの人が、今という季節をどう感じ、そしてどう過ごしていこうとしているのか。それが如実にわかるのが「服装」ということです。
もちろん、外だけでなく、室内においても、服装の変化は現れます。いまは、室内空間は温度も湿度も快適な状態に保たれるようになってきていますが、それでも、そこにたどり着くまでの環境によって、アウターや羽織るものを手に持っていたりします。
そんな、観察眼をもつことが、「世の中を知る」ということの1つのやり方でもあるのです。
2、日較差で、行動は変わる
気温日較差とは、1日のうちの最高気温と最低気温の差のことです。この差が大きほど「暑い」「寒い」が極端な体感として、日常生活の行動に変化をもたらします。
例えば、夏の風物詩というイメージの強い「冷やし中華」ですが、いまやコンビニでの発売は2月からスタート。トップシーズンはこの4月と言われています。
それは、春に向けて気温が上がる中で、一日の気温差が激しくなり、「温かい」から「暑い」に切り替わる15度以上の差がつき始める時期だからです。冷やしラーメンや冷やし中華は、こうした体感にそって、「さっぱりしたい」「あまり熱いものは食べたくない」と感じさせ、食事の行動と選択に影響を与えるのです。
もちろん、夏はものすごく暖かくなる奄美・沖縄地方では、暑い時期は、カップ麺でも「ホット」が人気だという話ですが…(体を冷やすと体調が悪くなるため、なんでもかんでも冷やしすぎない、というのが熱い地域に暮らす知恵だという話)
地域によってどのような食行動となるかは、地域性によっての差もありますが、こうした「温度変化」から、次の売れ行きをちょっとだけ先回りして予測する、ということは、商売において大切なことでしょう。
ただ、モノを売るのか。ほしい時に売るのか。其の差は大きいのです。
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