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白い車の若い男

軽バンガサツ男が来なくなって、数日経った頃だろうか。


いつも出掛ける時は、スーパーに行くにも犬をバギーに入れて出かけていくことがほとんどのペテ子が、一人で歩いてどこかへ出かけて行った。


なんだ?
今日は雨でもないのに珍しいな。


と思って数分後、
駐車場に車が入ってくる音がした。


住人の車違う音だな・・・。

と思っていると、ペテ子の声がする。


!!!!!


急いでカーテンの隙間から覗くと、ペテ子の家の駐車場に白い普通車が停まっていた。若干スポーツカーチックなやつだ。


また一山越えたところから来ている。
どれだけそっち方面の男が好きなんだ。


ペテ子は先に部屋に入って行ったようだが、白い車からは、
パッと見30代にも見えるくらい、
非常に大人しそうな真面目そうな男が降りて来た。


ペテ子の恰好の餌食になりそうな、ただ黙って怒られそうな風貌だ。


え?今度はこれがペテ子のお相手?
どうやったらマッチングするの?え?


そのくらいミスマッチな組み合わせだった。


恐らくこの大人しそうな男性、アパートまで来ることができなくて、
近所の分かりやすい場所まで出て来て。と言ったように思う。


確かにナビの案内は、狭い道をグルグル回されるのですんなり来れる人はほぼいない。


どこかで合流したものの、

「思ったのと違う・・・、全然違う・・・。」

と絶対思ったに違いない。


その証拠に、白い車の男はペテ子の部屋に入って行ったのだが、

1時間もしないうちに、一人で出て行ったまま戻ってこなかった。


どうやら気が合わな過ぎて、長時間いることも苦痛だったのだろう。


ペテ子の部屋から大声が聞こえることもなかったので、
お互いなんか違いますね。的な感じでお別れしたのかもしれない。


こいつが恐らく直近マッチングした、最短瞬息で帰って行った男だった。


人は見かけによらない。
私も見た目と性格のギャップが凄いと言われるが、見かけで判断してはいけないと思った。


面白いヤツを思い出したので、次はそれを書こうと思う。

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