見出し画像

立派な説明資料でも「深堀」と書いてあるとガッカリする

パワポやPDFの資料で「深掘り」という言葉を目にすることがある。何かの概要を説明した後、範囲を絞ってより詳しく分析することを示すのに便利な単語だ。

いつ頃からだろうか、この言葉が「深堀」と、つちへんの「堀」の漢字で書かれている資料を見かける機会が増えてきた。頻繁というほどではないにせよ、それなりに普通に使われているように感じる。

私の限られた経験からすると、エンジニアやコンサルが作成する資料で「深堀」が出てくることが多い。

あるとき、もしかするとあえてこの漢字を使っているのだろうかと思ってエンジニアの知人に聞いてみた。彼が作った資料も「深堀」となっていたからだ。エンジニアたちの間ではそうするのが作法だったりするのか、確認したかったのだ。そうしたら、その知人は少し恥ずかしそうに「いや、単なる間違い」と答えた。

それが印象に残っているからか、以来、私は「深堀」と書かれている資料がやけに気になるようになってしまった。「堀」はお城の堀とかに使う字で、この字が使われると小堀さんとか新堀さんとか、人の苗字のように見えてしまう。「深く掘る」なら字は「掘」だろうと。

つちへんの「深堀」は、メールや社内の共有用資料だけでなく、社外へのプレゼン資料や報告書にも出てくる。つい最近は、日本を代表する某シンクタンクの資料で数ページの中に10回以上「深堀」が出てきて、真面目に読む気が一気に失せた。

たった1文字のことではあるが、何度も「深堀」されると私にとっては資料の説得力や信頼性が大きく低下する。場合によっては作り手の知性に疑問符さえ抱いてしまう。そんなことは気にしないのがいまの時代なのかもしれないが、仕事先に渡したり一般向けに公表したりする資料は、しっかり字を確認してほしいなと思う。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?