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【ネタバレ有】スプートニク(SPUTNIK)感想

ロシアのSFホラー映画でずっと気になっていたもの。(SFだ~いすき)

●なんとなくあらすじ&ストーリー

冷戦時代のロシアが舞台、宇宙飛行船に乗る2人の乗組員。
帰還前にポットの外に這いずる触手。
不時着し、1人は顔がボロボロで死にかけ、もう1人は身体がボロボロで無事かどうかすら分からない。
場所は変わって裁判所か審議室で1人の医者?の女性(主人公)が自分の起こした実験について問われる。
それを見ていた軍人が主人公を「診て欲しい」とスカウトし、
外部と連絡が取れない基地へ移動した。
そこには”TVでは無事帰還したと報じられた宇宙飛行士”が”ボロボロだったはずの身体が何故か健康状態”で医者に尋問を受けていた。
「不時着前に一体何が起きていたのか」と。
しかし宇宙飛行士は全く覚えていないと答える。
深夜、宇宙飛行士が寝静まった頃、彼の中から”見た事の無い生物”が這い出てくる。
彼はその事に一切気づいていないという。

●今までのエイリアン映画とは少し違う。

よくあるSF地球外生命体系は
「地球めっちゃ綺麗やん!緑あるし!水あるし!住みやすそ!貰うわ!」
という略奪系。
「地球汚し過ぎ乙、俺らが一掃して元ある地球に戻すわ」
という保全系。
「生命体同士の争いの場が地球だった」
という巻き込まれ系。
「すべての星は俺のもの」
というジャイアン系。
「人間と共存するために外部からの敵をやっつけるよ★」
というヒーロー系。
などなど、色々な地球外生命体が活躍(?)してきました。
ぜーんぶ好き、破堤してなきゃエイリアン系は大好きなこの私ですが。
勿論今回のスプートニクも近い物は沢山あります。
例えば、スピーシーズだったり、第9地区だったり、今回の映画は「共存系」。
脳が「恐怖」を感じて発生した脳内分泌物コルチゾールを主食とする。これホラー系でよく使われるやつですね。好き。
最初から最後まで宇宙船からエイリアンが沢山ドン!銃!ランチャー!暴力!のドンパチ系の盛り上がりSFではなく、
ロシアならではというか、軍事機密として管理し、なんなら軍事兵器として使用できないかと考えている。
ちらっと他の感想見たけど、パケ詐欺!と唸ってる人が多かった。
私は予告で凄く興味が湧いたから見たけど、確かにポスターとパッケージだけ見たら騙されるかもなあ…。一応上に貼っておきましたけど、左側のは確かに全く違う!これは騙されるよね;
頭で考えないエイリアンきて襲われて人間が何とか頑張って勝利!とかドンパチ系が見たかった人はつらいかもしれないけど、私個人としては凄く好きでした。

●好きなところ

①ロシアの冷戦時代を選んだところ
現在のテクノロジーが使われた映画も大好きだし、エイリアンシリーズやスターウォーズみたいにシリーズで過去に遡った原点的な話も大好きだけど、個人的にグッとくるのは「現代に撮る、昔の時代背景がある映画」。
(何言ってるか分かる?)
冷戦時代だからこそ、こういうやり方しかできないとか、パソコンが古いとか、ビデオの見方とかテレビがブラウン管とか……好きなんですよねぇ…(しみじみ)。
個人的にビデオ巻き戻してたダイヤル式のだ~いすき!

②舞台がロシア
軍人物が好きな訳ではないんですけど、ロシアが舞台だからこその残酷さが分かり易いというか、容易に想像が出来て、これがもし舞台が日本だったら綺麗に魅せたいって人が出たりスポンサーに左右されたりして止められてた可能性もあるような表現やシーンが最高。これだから洋画はやめられねえぜ!

③宇宙飛行士が馬鹿じゃない
宇宙飛行士って、本当は凄く頭が良いんですよ…(いや本当とか嘘とかじゃないんだけど)
凄く頭が良いんですよ(2回言う)
宇宙飛行士だからこその知識の豊富さでやり遂げる事が、ドキドキしながら観れた点。
お調子者だけど頭がものすごくキレる人、めっちゃ好き。

④女性主人公xいかつめ軍人xプライド高い男医師
もうこの組み合わせ見るだけで最高じゃない?
しかも軍人最初いい人かと思いきや「ウワーッ!ロシア―ッ!お前は俺を裏切らない!」ってなるんですけど
(説明の仕方よ)
それがまたね、順序というか、もうシナリオや展開が最高で…。
王道と悪、ありがとう。

⑤エイリアンが最悪で最高
今回のエイリアンは寄生・共存型なんですけど、私エイリアンもので物心がついて以降好き!ってなったのがスピーシーズ、エイリアンシリーズ、パラサイトなんですけど。
例えばパラサイトのエイリアンは寄生・連鎖型で寄生してから更に別の人間に寄生して掌握するタイプなんですよね。
大抵そういうのが主流で、今回のエイリアンは人間が居ないと生きていけないんですよね…!(しかも増えない!)
ただ人間を操る訳ではなく、住処とする寄生木方式。
光りに弱く(弱点があるのも好き)、日中は動かず、深夜人間から出て活動する。
(人間(というか分泌物)を捕食するため)
また摂取したら人間に戻る、宿主には危害を加えない。
宿主以外の人間に寄生を移ろうともしない。
え~~~~~………、好き……。
え、だって嫌いな人いる?(あ、ドンパチ好きか~~!)
ちなみに日中は胃の中に、本体元々150cmなんだけど、小さくコンパクト収納されており、人間も不快に感じることなく生活してる。人間のご飯も養分として取り込むようで、そういう研究が怠ってない事がしっかり映画内判明するのも好き~!研究っていいよね。

ちなみにラストシーンで日の当たる場所で軍人と飛行士とエイリアンのドンパチシーンがあるんですけど、その時は共存がしっかりお互いの共有化におかれているから日の下でも活動出来たのではないかと想定しました。
後はお互い(飛行士+エイリアン)が死にかけで、最後の力を振り絞って挑んだのかなあと…。
そして人間が絶命したら共存体であるエイリアンも死んでしまう…。
好きだなあ。

⑥エイリアンが悪と証明するシーンもちゃんとある!
グロいけどね、そこのシーン表現がロシアっぽくて、好き。
あと食べてる所もグッチャグチャの脳みそが見えちゃったりするとこも。
最近のホラーとかSFって尚更画質?綺麗だからグロさがえぐいよね。半目で観ちゃう。

⑦ミスリードが上手い!
上手いんすよ(急に語彙消失すな)

●嫌いというかどうなの?ってところ

①主人公の女医師、少年ジャンプの主人公か?
ってくらい、正義感が凄い!というか、中二ではないけど「俺なら恐怖、かかかか感じないぜ」とビビりながらも立ち向かうシーン。
いや主人公死んだら話し終わるから生きるんだろうなと思うけど、2回は「お前…それはあかんやろ」ってシーンがある。
正義感が凄いのに、冒頭研究の為ならっぽい感じなのでギャップに若干違和感。

②プライド高い男性医師の心変わりもう少し欲しい。
最終的に死んでしまうのなら、もう少し主人公に寄った部分が欲しかった。
時間配分かな~難しかったかな、どうでもよかったかなというところだろうけど。
見せ場がそこではないのでサブキャラはアクセントくらいの気持ちだったのかも。こういう脇役の方凄く好きなので、死ぬならね!もう少し好きになって死にたかった!手のひらクルーではないけど。

③パッケージは確かに
他の方が言うようにパッケージはもう少し変えた方が良かったかもね…。
私は好きな作品だったので尚更丁寧にパッケージも狙った感じを避けた方が良かったと思う。
ドンパチ好きに媚を売るのではなく、地球外生命体が好きな人狙うべき。
予告は完璧でした!

④子供目線が不明瞭
突然シーンが変わって、宇宙飛行士の子供が施設に居るという事だったから、その子供を映しているかと思いきや、主人公が実は施設育ちでそれを表していたという点。
幼少期上手く歩けなかった主人公は脊髄の手術をして歩けるようになる、プレゼント?施設の子供たち用の靴を頑張って取ろうとしていたのはそういう訳か~と…。
そこで子供への対応やラストシーンに宇宙飛行士の子供をカップルになった訳でもないのに預かるという事が見終わった後で自分なりに解釈。
これが1番唸った所だった、でも監督が子供をないがしろにしたくなかったのかなとも思いました。伏線は回収したい!みたいな感じだったのかな。
それなら私は主人公が溺れさせた男の子の話も聞きたかったよ(笑)


●総括

個人的には時間的にもしっかりまとまって、伝えたい事が90%くらいは自分なりに解釈も出来て良かったです。
いやほんと、パッケージ詐欺なところだけ何とかしてくれ…!!あと子供時代の明瞭化…かな?
★3.5~4くらい。

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