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日本語の「えー」が中国語に混入する件

【母語干渉 ☆☆】by SCセンセ

中国語を話していて、日本語の助詞・接続詞・感嘆詞などが、無意識に混入する人は少なくありません。

中でも感嘆詞は、中級以上の学習者でも混入します。日本人ですから仕方ない面もありますが、できれば癖をつけないようにしたいものです。

思案中に発する「えー」が、最も多いように思います。

中国語ネイティブの思案中の感嘆詞は、例えば“嗯ng・呃e・啊a”あたりでしょう。発声が近いのは“呃”ですが、これは“饿è”のような“e”単独の発音です。また、“ei・en”などなら日本語の「えー」に近いですが、これはあくまで「えい・えん」であって、単独で「えー」とは言いません。

中国語の発音は、地域差や個人差が大きいですから、百歩譲って「えー」があったとしても、日本人が口にする「えー」は、「えっとー」と同じ性質のものですから、やはり母語干渉なのです。

中国語の感嘆詞“嗯・呃・啊”など以外にも、「えー・えっとー・あのー」などに対応している語はあります。

例えば、“这个zhège・那个nàge”や“就是jiùshì”、「それで」の“然后ránhòu”もこの類いでしょう。

“这个――”“那个――”と長く伸ばしたり、“这个这个这个……”“那个那个那个……”と短く切って何回か言ったりしますが、私はあまりお薦めしません。

特に初級学習者は発話中よく詰まるため、これを覚えると、ちょっと話すたびに“这个”“那个”を連発し、かえって聞き苦しいですし、癖になってしまう人もいます。

“就是・然后”も言い過ぎると、稚拙に聞こえるので、やはり乱用は禁物です。

中国の友人からおもしろい話を聞きましたので、最後にご紹介しましょう。
“这个”“那个”が口癖になっている学校の先生がいて、授業中に何回言うか数えては笑っていたそうですよ。

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