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目的はスケートが上手くなることだけじゃない「SC軽井沢スケートクラブ」が目指すこと

軽井沢風越公園、軽井沢アイスパークに隣接する「屋外スケートリンク」。1月下旬、身を刺すような寒さのなか「SC軽井沢スケートクラブ」のジュニア競技者たちはお揃いのユニフォームに身を包み、白い息を弾ませていました。

この日、練習に来ていた一人、小学3年生の高橋麓久(ろくひさ)さんは長野県ベストタイムランキングで1位を出した有望選手。「もう寒くて、ヤダよ」と鼻や頬を真っ赤にしながらベンチで滑走準備をしていました。「それでもスケートをするのはどうして?」と聞くと「(ライバルたちに)負けたくない、秒数を縮めたい、次も勝ちたい」という強い意欲を持っていることがわかりました。

県ランク1位の高橋麓久さん(手前)※撮影時のランキング

「SC軽井沢スケートクラブ」は、SC軽井沢クラブのクラブチームとして2016年5月に本格的に始動。現在は小学2年生から中学3年生まで35名が在籍しています。コロナ禍で活動を休止した時期もありましたが、一年を通して月曜、木曜、土曜の週に3回、各2時間の練習をほぼ休みなく行っています。屋外スケートリンクで滑れるのは11月中旬~2月中旬の短い期間。それ以外は競技シーズンに照準を合わせて、各種トレーニングで身体づくりに励んでいます。

それだけ練習するのに、記事タイトル「上手くなることだけじゃない」って?と訝る方がおられるかもしれません。
もちろん上達し、記録を出し、果ては大きな大会で君が代を流す選手を輩出し、「スケートの町、軽井沢」を復興するのはスケートクラブの大きな夢です。しかして、その前提にあるのは「自分の目標に全力で取り組むたくましい子を育てたい」という思いです。

そこで氷上練習以外ができない時期は、体力トレーニングだけでなく、ユニークなプログラムを取り入れています。春には登山を行い、夏には海で砂浜トレーニングや水泳を、ほかにも食への理解を深めるためにレタスの収穫体験、SDGs教育を伴った職業体験など、バラエティに富んでいます。スケートに限らずどんな競技にも対応できる身体づくりをしながら、さまざまな体験を通して人と関わり、視野を広げてもらう。こうして経験したすべてを自分の力にし、最後は勝負を決めるその時に果敢に挑んでほしいと願っています。

昨秋に行った林業体験の様子
2022夏、砂浜でのトレーニング

スピードスケートは全身全霊でゴールに向かい、結果が0.01秒の数字で表れる自分と時間との闘いです。かの名将の言葉「鍛錬千日之行、勝負一瞬之行」のように、辛い練習に耐え、失敗や挫折を繰り返しながら、その一瞬のために日々の鍛錬を粘り強く続けること。これがいつか、彼らのかけがえのない宝になるはずです。

練習を見学した二週間後の2月12日、軽井沢風越公園・屋外スケートリンクの冬季営業終了にともない、地元での氷上練習は一旦終了しました。次の競技シーズンまでにまたたくさんの新しい経験を積んで、ひと回りもふた回りも成長して氷上に戻ってきてくれることでしょう。

指導者は用具メンテナンスにも時間を費やします

SC軽井沢スケートクラブではいつも新しい仲間を募集しています

(人´∀`).☆.。.:*お読みいただきありがとうございます。

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