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ヨーロッパ文化教養講座(モーツアルトのオペラ「偽の女庭師」K.196)

2023/04/28

2018年にミラノのスカラ座で鑑賞した、「偽の女庭師」を久しぶり聴いた。

「偽の女庭師」は、原題を「La finta giardiniera」という、モーツアルトが、18歳のときに作曲した、オペラ・ブッファ。
giardiniera は、英語で言うと、gardener で庭師の女性形だから、女性の庭師となる。
それを修飾するfinta は、偽(にせ)の、偽りの の女性形形容詞なので、「偽の女庭師」「偽りの女庭師」「にせの花作り女」などの邦題は、直訳となる。

主人公は、ヴィオランテ・オネスティという侯爵令嬢だが、素性を隠して、女庭師サンドリーナという「偽の」名前で登場する。

このオペラは、1775年1月にミュンヘンで初演された。
そのため、モーツアルトは、前年からミュンヘンに滞在していたが、そのとき、デュルニッツ男爵と親しくなり、K279~K284のピアノ・ソナタを書くことになったそうだ。

「偽りの女庭師」は、全3幕 3時間以上の大作。序曲からモーツアルトらしい美しい旋律がちりばめられているが、後期の「フィガロの結婚」などと比べると、単調で何度も睡魔が襲ってきたことを覚えている。

小生が、聴いた公演は、たまたま2018年のスカラ座のオープニングだったらしく、ホテルに戻ったら、テレビで終わったばかりの公演が中継されていた。地上波でオペラを放送するのが、さすがイタリアだと思った。

また、この公演は後日NHKBSでも、放送された。
その時わかったのは、この公演は、オケは古楽器で演奏されていたこと。
生公演を聴いたときに、オケの音が響かずそれ以来、ミラノのスカラ座は音響が悪いと誤解していたことが判明した。




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