ヨーロッパ文化教養講座(2003年アメリカ映画「シカゴ」鑑賞記)
2024/04/17
1920年代、アルカポネが君臨しているシカゴで、殺人を犯しながら無罪放免になった二人の実在の女性をモデルとして作られた名作ミュージカルの映画版。とても楽しかった。
アカデミー賞6部門で受賞。
コメントと感想:
1.主要登場人物は、ロキシー(演 レニー・ゼルウィガー)、ヴェルマ(演 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)、弁護士ビリー(演 リチャード・ギア)の3人。
3人とも自分のパートの歌と踊りはすべて吹き替え無し(エンドロールで強調)で演じており、先ず、そのことに驚いた。
2.ミュージカルシーンになると、場面は一転して舞台上になり、映像に靄がかかったような幻想的な画像になるので、ストーリー展開をミュージカルが邪魔しないので、わかりやすい。
また、ミュージカルシーンは、主役の三人を脇で支える、プロミュージシャン+ダンサー集団のパフォーマンスが素晴らしいので、全く退屈する暇がない。
3.ストーリー自体も、
1)悪党2人の主演女優と助演女優が最後に利害が一致してコンビを組むところをフィナーレにするなど、ショービジネスをブラックユーモア的に皮肉っていたり、
2)又、一瞬で興味のターゲットが変わるシカゴ市民の飽きっぽさを増長させるマスコミを大げさに描いていたり、
3)金の亡者で勝訴するためには何でもする悪徳弁護士ビリーの痛快な豪腕を賞賛しているようでもあり、
いわゆるクズ、ダメ人間が生き生きと描かれているのが、とても魅力的だった。
(一方、唯一誠実なロキシーの夫は人々には全く一顧もされない人間として描かれている)
4.監督のロブ・マーシャルは、「メリー・ポピンズ リターンズ」の監督、
脚本のビル・コンドンは、「ドリームガールズ」の監督・脚本とのこと。
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