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ヨーロッパ文化教養講座(NHKプライムシアター「グライドボーン音楽祭2019の魔笛 録画鑑賞記」

2023/06/18
昨日、プライムシアターの「魔笛」を鑑賞した。
非常にユニークな演出で楽しかった。

老舗ホテルの内紛を絡めた奇想天外な『魔笛』

カナダの2人組の演出家バルブ&ドゥセーによる風変わりで斬新な読み替え演出が大きな話題となったプロダクション。舞台は20世紀初頭の老舗ホテル。ザラストロは料理長、夜の女王は女将、女権運動がそれに絡むグラインドボーン音楽祭ならではの凝った演出がモーツァルトの歌芝居『魔笛』に新しい光を当てます。

 おっとりとしたデイヴィッド・ポルティーヨのタミーノ、輝きとデリケートさを合わせ持つソフィア・フォミナのパミーナ、洒脱さが光るビヨルン・ビュルンガー演じるパパゲーノら粒ぞろいの歌手をそろえ、作曲家としても活躍するライアン・ウィグルワース率いるエイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団が奏でる生き生きとした音楽をバックに見どころ聴きどころ満載の『魔笛』です。(PHOTOGRAPHER: BILL COOPER)(輸入元情報)

タミーノ/デイヴィッド・ポルティーヨ(テノール)アメリカ生まれ
パミーナ/ソフィア・フォミナ(ソプラノ)ロシア生まれ
ザラストロ/ブリンドリー・シェラット(バス)英国生まれ
夜の女王/カロリーネ・ヴェッテグレン(ソプラノ)ノルウェー生まれ
パパゲーノ/ビヨルン・ビュルガー(バリトン)ドイツ生まれ
パパゲーナ/アリソン・ローズ(ソプラノ)
モノスタトス/イェルク・シュナイダー(テノール)オーストリア生まれ
弁者/ミヒャエル・クラウス(バス)、他
グラインドボーン合唱団
エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団
ライアン・ウィグルワース(指揮)

演出・美術・衣装:バルブ&ドゥセー
 人形制作:パトリック・マーテル
収録時期:2019年8月4日
 収録場所:イギリス、グラインドボーン音楽祭歌劇場(ライヴ)

HMV&BOOKS onlineより

コメントと感想:

1.すでに、BDとしても販売されているようで、HMVのホームページに情報があった。

2.グライドボーン音楽祭は、ロンドン郊外のカントリーハウスで開催されているということと、時代を20世紀初頭にもってきたということで、正に、「ダウントンアビー」の時代だなと思った。

3.また、夜の女王をホテルの女主人にして、女性参政権運動メンバー、いわゆる、サフラジェットのリーダーとした。
*メリーポピンズのこどもたち二人の母親もこの運動に参加していて、最初の歌が、「古い鎖を断ち切って(Sister Suffragette)」だということを思い出した。

4.対する、ザラストロは、料理長でホテルの料理人の頭領。
タミーノは、宿泊客。
この作品の台本と音楽はそのまま残しながら、モーツアルトが最も訴えたかった(と言われている)フリーメイソン臭を極力排除しようとした努力のたまものだと思った。

5.とは言っても、元々の話がつじつまが合っていないので、結局は、モーツアルトの素晴らしい音楽と、舞台や衣装の芸術性を楽しむ作品になっているのは、しかたのないことだと思う。

6.歌い手は、ザラストロのブリンドリー・シェラット(バス)とパパゲーノのビヨルン・ビュルガー(バリトン)が特に素晴らしいと思った。


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