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ヨーロッパ文化教養講座(イタリア映画「わたしはダフネ」録画鑑賞記)

2023/06/08

小生のBDレコーダーは、キーワードで自動録画できるので、「イタリア」をキーワードにしていると意識せずに録画されていることがある。

本作も、たまたま録画されていたので、観た。

冒頭いきなり、母と娘が歩くシーンから始まる。娘(ダフネ)は身長がだいぶ低かったので、小中学生と思っていたら、立派な大人であり、しゃべり方から精神系の疾患または障がいを抱えていることが容易にわかる、巧みな導入シーン。

解説で、ダフネは自身もダウン症を抱えていると書いてあるので、初めてダウン症だとわかるが、小生が知っているダウン症患者と比べると遙かに活動的である。

母親を亡くしたダウン症の女性が残された父と2人で旅をし、悲しみを乗り越えて互いに理解を深めていく姿を描いたヒューマンドラマ。明朗快活なダウン症の女性ダフネは、スーパーで働きながら両親と平穏に暮らしていた。しかし、母マリアが亡くなったことで生活が一変。年老いた父ルイジは自分が死んだら娘がひとり残されてしまうという不安にかられ、ふさぎ込んでしまう。そんな父にダフネは、一緒に母の故郷の村を訪ねてみようと提案。その旅は、母であり妻であった愛する人の死を乗り越え、父と娘が互いを理解しあうための、かけがえのない時間になっていく。監督は、長編劇映画はこれが2作目となるフェデリコ・ボンディ。2019年・第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で国際批評家連盟賞を受賞。ダフネ役のカロリーナ・ラスパンティは自身もダウン症で、ボンディ監督に見いだされて本作で演技に初挑戦した。
2019年製作/94分/イタリア
原題:Dafne
配給:ザジフィルムズ

映画.com より

コメントと感想:
1.何よりもダフネの明るさ、真面目さ、率直さに胸を打たれる。

2.さらに、周囲の人々のダフネに対する暖かい、分け隔てのない態度もすばらしい。
これは、ダフネの性格というか几帳面な生活態度がそうさせていることも大きいと思う。
一方で、小生には、やはり、世界で初めて精神科病院の病棟を廃止した、イタリア人の伝統や誇りを感じた。

参考:精神科医 上野秀樹氏の報告より
2017年の1月にイタリアに精神科医療の研修に行ってきました。トリエステとトレント、全10日間の日程でした。
 イタリアでは1978年のバザーリア法によって精神病院が閉鎖され、精神病院がない社会がつくられました。実際にイタリア全土で精神病院が閉鎖されたのは1999年のことになります。一方で私たちの日本は、世界の精神病床の約2割にあたる約35万床もの精神病床を有する精神病院大国です。入院期間も長期にわたり、20年以上入院されている方が3万人以上も存在しています。


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