見出し画像

ヨーロッパ文化教養講座(「冷静と情熱のあいだ」再視聴)

2022/12/26
フィレンツェには、3~4回行った。 ミケランジェロ広場の丘からみた、
アルノ川の向こう側にそびえ立つ、DUOMO (Cattedrale di Santa Maria del Fiore 花の聖母聖堂)を中心とした景色は、フィレンツェを代表する名所でよくテレビの旅番組などで映し出されている。

フィレンツェのこの景色を見ると、20年ほど前のこの映画「冷静と情熱のあいだ」を何故か思い出す。

先日、WOWWOWで放送されていたので、20年ぶりに鑑賞した。

この映画は、2人の男女の恋愛を、まず女性目線(江國香織 演 ケリー・チャン)で書き、そのレスポンスを男性目線(辻仁成 演 竹野内豊)で返すという対話的な連続小説をベースにしている。

映画は、ほぼ、男性目線の部分を使っているので、この構造をしらないで、一見すると、ケリー・チャンの行動の合理性がよくわからないまま、終わってしまう。
結局、20年前の鑑賞では、2人の恋愛の行方をおいながら、フィレンツェの景色の明るさ、美しさと、ケリー・チャンの気高いまでの可憐さのみが印象に残った。

20年ぶりにみた今回、ケリー・チャンの行動については、学生時代に別れたときの心の傷の解消と、竹野内豊に対する一途な愛情の葛藤に苦しんだということを表現したかったのではないかと思った。

DUOMOの屋上での再会がクライマックスなのだから、このシーンをフィナーレにすれば、もっと映画らしくドラマチックになったのにと思う。

ケリー・チャンの英語は完璧だったか、日本語のセリフはあまりにもたどたどしく、無理に日本語を使わせなくてもよかったのではないかと思った。

竹野内豊のイタリア語のセリフ回しは、よく練習されて感心した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?