見出し画像

ヨーロッパ文化教養講座(「DOCあすへのカルテ」S1 E7)

2022/12/06
NHK海外ドラマ「DOCあすへのカルテ」第7話を観賞した。

前回第6話は、10年前の回想シーンが中心だったので、話としては、前々回第5話の続きとなる。第7話は、前回第6話で、研修医リッカルドの秘密(右足が義足であること)が明らかになったエピソードが有効利用される。

1.患者が内科病棟に運ばれ最初は原因不明だが、最終的に原因が判明するパターンについて
今回は、2本のパターンだが、1)がファンティとアニェーゼの娘、カロリーナが患者だったので、2)のパターンは、比較的軽く扱われた。

1)カロリーナが、医師試験(口述試験?)問題をルームメイトのプリシラを相手に、公園(スフォルツァ城が見えた)で練習中に昏倒して、救急搬送。

まず、薬物中毒が疑われたので、ファンティとアニェーゼがカロリーナを問いただすが、二人とも、息子マッティアの死後、カロリーナにきちんと寄り添えていないことが明白になり、お互いをなじる。
その後、ファンティとアニェーゼは、プリシラとシェアしている、カロリーナの部屋を訪問し、家探しの結果、処方してはいけない、抗精神薬の箱を見つけた。カロリーナを再び問いただすと、実は、記憶喪失前のファンティが、処方したものだと判明する。

カロリーナの胃カメラ検査で食道中に潰瘍が見つかり、ファンティとアニェーゼは落ち込む。ファンティが、教会内の礼拝堂で祈っていると研修医リッカルドが来て、自分の義足を彼に見せ、10年前ファンティが自分を救ってくれ、希望を与えてくれたことを打ち明け、ファンティを勇気づける。

カロリーナの病気は、癌ではなく、過食症による、逆流性食道炎であることがわかった。

この過食症に対しても、ファンティとアニェーゼが激しく言い争う姿をみせた。カロリーナは、
1)弟マッティアが、フランスのディズニーランドへ行く前日に、電子タバコの原液(ニコチン100人分)を飲んでしまい、それが、原因で死に至ったに違いないこと。
2)その電子タバコは、カロリーナな燐家から盗んだものだったものだったこと。
3)マッティアが原液を飲んだことを両親に言わなかったこと。
を白状する。

その罪の意識が、カロリーナが両親を無意識に遠ざけることになり、マッティアの死に対するファンティの自責の念を深め、また、アニェーゼも自分の手術のために、こどもたちを遠ざけたという罪の意識を持ち、それらの複合した思いが、ファンティの人格を変えさせたのではないかと暗示する。

2)自らの豊満な肉体(特に胸)を強調するYOUTUBEで、インフルエンサーとなった、ヴィットリアが足首のかゆみで入院する。
担当医のロレンツォ、男性研修医のリッカルド、ガブリエルが、ヴィットリアの事が気になって仕方がない姿をみて、女性研修医アルバは、嫉妬にかられる。
アルバは、ヴィットリアのかゆみの原因が、豊胸手術のときに使った、シリコンバッグが粗悪品で金属アレルギーをおこしており、除去手術が必要だということが判明すると、喜んでしまう。
アルバは、この姿をリッカルドに非難されて反省し、ますますリッカルドに対する思いが募って遂に告白するも、リッカルドは、他に本命がいると言って拒否してしまう。(義足のことを打ち明けられないためだと思う)
ヴィットリアは、最終的には胸とインフルエンサーの人気を諦め、自分のことを心配してくれた、彼氏と幸せになろうと決意する。

2.アンドレア・ファンティに少しずつ記憶が戻ってきて、元妻アニェーゼと喪失前の恋人ジュリアの三角関係が変化してくることについて

今回は、患者がファンティとアニェーゼの娘カロリーナだったので、ジュリアの出番は余りなかった。カロリーナがマッティアの死についての真相を両親に明かして3人が抱き合う姿を、ドア越しで複雑な表情で見ているシーンが印象的だった。

また、ジュリアが、同僚のロレンツォから(冗談っぽく)口説かれ、とにかく、ファンティに自分達は恋人だったことを明かそうとしたが、カロリーナが救急搬送されなので、また、できなかった。
#「ジュリアがファンティに恋人同士だったことを打ち明けようとして、出来ない」というのは、完全にパターン化している。

3.その他の人々

1)アルバがリッカルドに交際を申し込んで拒否される。
理由は、リッカルドが偽足のことをアルバに言えない。
->自分はアルバにふさわしくないという思い込み?

2)エチオピア出身の研修医ガブリエルの背中が鞭で打たれたような傷だらけだった。
->今後のエピソードに関係してくるだろう。

3)新内科医長マルコの妻、アイリーンがファンティの薬に何かを混入させているかもしれない件について
今回は、ファンティが数回、その薬を服用するというシーンのみで視聴者を不安な気持ちにさせている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?