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THC構造式アクセサリーの話

今回のデザフェス52に急遽新作としてTHCピアス・イヤリングを出すことに決めた.

THCはテトラヒドロカンナビノールの略で,大麻に含まれる麻薬成分だ.(ただし,生きている大麻中にはTHCA[テトラヒドロカンナビノール酸]として存在しており,伐採後に熱や光によってTHCに変化していく.)同じく大麻に含まれるカンナビノイドの一種であるCBD(カンナビジオール)にはTHCの陶酔作用を抑える働きがあり,THCとCBDの含有量のバランスにより,その種が薬用種になるか繊維種になるかが決定される.そのため,繊維種として栽培されている大麻は,あまり「トベ」ない.CBDの含有量が高くTHCの含有量が低いためだ.それでも,繊維種の大麻を無断で栽培してももちろん法律違反になるので注意である.一般に誤解されているが,THCに幻覚効果はなく,依存性はカフェインと同程度と言われている.大麻の作用としては酩酊感・多幸感を覚えるなどがあり,依存性は低いものの,他のより強い作用のドラッグへのゲートウェイ・ドラッグ(入門薬物)になるとされるため,規制が強い国があるようだ.

↑中国・雲南省で撮影した大麻↑

2016-2018年頃にはver1.0として,亜鉛合金製のTHCネックレス・ストラップを作っていた.カラーはゴールドのみである.

ver1.0のときは人気としては1.5流〜2流くらいだったのだが,売り切れてver2.0を作り始めてからTHCを作らずにいたらイベントで結構たくさん「THCありますか?」という質問を受けた.もしかするとver1.0の頃を知っている方で,買いそびれた方々だったのかもしれないが,「THCやっぱり需要あるんだな?」と思い始め,作ることにした次第.

以前はネックレスだったのが今回ピアス・イヤリングになったのは,構造式の形と素材の特性に原因がある.アルマイトは比較的軟らかい素材のため,線が細い部分があると少し力を加えるだけで簡単に曲がってしまう.THCの構造式をご覧になるとわかると思うが,アルキル鎖部分がそこそこ長いため,その部分が曲がるのが心配だった.ネックレスだとニットに引っかかったりするしそうでなくても手で触れる機会が多いため,(それにサイズも大きくなってしまうので,)ちょっと不安だな〜と思いイヤーパーツとしてみた.結果,加工の過程でやはり曲がってしまって破棄になるものはほかより多く出てしまうものの,耳にぶら下がっているだけであれば服などに引っかかる長さでもなくネックレスよりは安心だということがわかった.それに加え,(ピアス系パーツ全般に言えることだが)小さくてかわいいサイズ感になったので満足,満足.

ver2.0とver1.0の大きな違いとしては,ver1.0では不斉炭素上の水素が表現されていたが,ver2.0ではすべての構造式パーツにおいて水素を再現しないことにしたので,水素が消されている.そのためすっきりした見た目になったというか,引っかかるポイントがまた減ったのでよかったのではないか.また,前にも書いたが,素材が亜鉛合金からアルマイトにアップグレードしているので,錆びにくい・磨耗しにくい・メッキ色がとれない,の3拍子揃った素材になっている.質感もマットになっているため,高級感がプラスされている(と個人的には思う).

新作を出すときはいつも「売れなかったらしぬ...」と思いながら作っているので,買ってくれたら心の中で「ありがとうございます!!!」とクソデカボイスで叫びながら土下座します.(現実では超小声で「ア...アザッス...」がせいぜい.)

11/7土曜のみデザフェス52出展します!THCも連れて行きます!4階L-91です!ぜひいらしてください!

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