【超英文法術】仮主語のit完全攻略

itには5つの用法があります。

・仮主語(形式主語)
・仮目的語(形式目的語)
・特別用法
・代名詞
・強調構文

この記事では、仮主語(形式主語)をガッツリ解説します。
全部で20の例文が出てきます。
最後まで読んでいただければ、
仮主語のitもマスターできるはずです！

仮主語(形式主語)のitとは？

仮主語(形式主語)のitとは、

主語が名詞句あるいは名詞節のときに、
主語が長くなることを避けるために代わりに置くit

のことです。
英語の美学とも言えるでしょう。

本題に入る前に、名詞句・名詞節を紹介します。
句・節の明確な理解が、英語習得への近道です。

【名詞句】
　　・不定詞(名詞的用法)
　　・動名詞
　　・疑問不定詞
【名詞節】
　　・if/whether節
　　・that節
　　・疑問詞節(＝間接疑問文)
　　・先行詞を含む関係代名詞

これらが主語に来ると長くて、文章が読みにくくなります。
それをシンプルに1語で置き換えてくれるのが、
仮主語のitです。

仮主語(形式主語)itの例文【名詞句編】

まずは不定詞句を置き換えている例文を見ていきます。

It is easy for birds to fly in the sky.
鳥にとって空を飛ぶことは簡単です。
It = to fly in the sky(不定詞句)

It is very kind of you to drive me home.
あなたが私を家まで送ってくれるとは親切ですね。
It = to drive me home(不定詞句)

It took me five years to win the tournament.
そのトーナメントで優勝するのに、私は5年かかった。
It = to win the tournament(不定詞句)

例えば最後の例文、

To win the tournament took me five years.

だと少し読みにくいですよね...
なので主語をitで置き換えて文章をきれいに整えています。

次に動名詞句を置き換えている例文を見ていきます。

It is worthwhile visiting Hawaii once.
ハワイは一度は訪れる価値がある。
It = visiting Hawaii once(動名詞句)

It is no good crying about her death.
彼女の死について泣くのは良くない。
It = crying about her death(動名詞句)

It is no use worrying about what will happen next.
次に何が起こるのか心配するのは無駄です。
It = worrying about what will happen next(動名詞句)

最後に疑問不定詞句です。
こちらも不定詞句・動名詞句とほとんど同じです。

It is not clear how to play this game.
このゲームのプレー方法が明確ではありません。
it = how to play this game(疑問不定詞句)

It is obscure where to go tomorrow.
明日どこへ行ったら良いのかわかりません。
it = where to go tomorrow(疑問不定詞句)

It is clear what to do next.
次に何をするべきかは明白です。
it = what to do next(疑問不定詞句)

仮主語(形式主語)itの例文【名詞節編】

初めにthat節を置き換えている仮主語itから見ていきます。

It is known that elephants have good memories.
象は優れた記憶力を持つことが知られている。
It = that elephants have good memories(that節)

It never occurred to me that I could be an actor.
私が俳優になれるとは思いもよらなかった。
It = that I could be an actor(that節)

It strikes me that it’s time to trust my instinct.
私の本能を信頼する時が来たと思います。
It = that it’s time to trust my instinct(that節)

次にif/whether節を見ていきましょう。

if/whetherは次のような違いがあります。

【if】
名詞節・・・〜かどうか
副詞節・・・もし〜ならば

【whether】
名詞節・・・〜かどうか
副詞節・・・〜であろうとなかろうと、
　　　　　　Aであろうと、Bであろうと

名詞節として使う場合は同じ意味になります。

It doesn’t matter whether(if) you are late.
あなたが遅れるかどうかは関係ありません。
It = whether(if) you are late

It is unknown whether(if) there is life on the Mars.
火星に生物がいるかどうかはわからない。
It = whether(if) there is life on the Mars

It is uncertain whether(if) he will come.
彼が来るかどうかは確かではない。
It = whether(if) he will come

最後に疑問詞節を見ていきます。
間接疑問文とも言われるものです。

It doesn’t matter how old you are.
あなたがいくつであっても構わない。
It = how old you are

It is not sure who he is.
彼が誰であるかはわかりません。
It = who he is

It is not clear what the code means.
その暗号が何を意味するかはわからない。
It = what the code means

ちなみに疑問不定詞による句は、
疑問詞節を使って次のように書けます。

It is not clear what to do next.
=It is not clear what I(we) should do next.
次に私は何をすべきか明確ではない。

It is uncertain where to go tomorrow.
=It is uncertain where I(we) should go tomorrow.
明日どこへ行くか、まだ決まっていない。

節の場合は主語が明確ですが、
句は主語が曖昧になることがあるという違いがあります。

仮主語(形式主語)itのまとめ

・主語が名詞句あるいは名詞節のときに、
　主語が長くなることを避けるために代わりに置くit

・不定詞(名詞的用法)、動名詞、疑問不定詞、
　that節、if(whether)節、疑問詞節の代わりになる。