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瑞梅寺、
新しい希望を見出す地域活動の舞台。

はじめに

和雄さんとの出会いから始まった瑞梅寺への関わり

瑞梅寺と三嶋さんの縁は、井上和雄さんを取材したことから始まりました。約2~3年前、オオキツネのカミソリを守る会の会長として、三嶋さんは和雄さんをインタビューし、広報誌「いとしま」の「糸島人」の人物紹介で彼を紹介しました。和雄さんを知っていた三嶋さんは、顔を見て向き合ったのはその時でした。

三嶋さんは、地域の子供たちに様々な体験を提供するプロジェクトを手伝ったことから、瑞梅寺での活動を本格的に始めました。この活動は彼にとって大きな意味を持ち、地域の持続可能性について考えるきっかけとなりました。最近は、「SDGs探検隊」という企画で瑞梅寺に関わっていたそうです。

登場人物

  • 三嶋直子

    • 経歴: 三嶋さんは市役所で20年間勤めた後、キャリアを大きく変えて新設された企業メタコードに参加しました。公共行政の豊富な経験を、革新的な地域開発プロジェクトに応用することに興味があります。

    • 情熱と関与: 持続可能な地域イニシアティブに深くコミットしており、特にSDGs探検隊のようなプロジェクトを立ち上げたことがその証拠です。彼女の活動は、地元の課題に対処することに重点を置いており、地域の生活や環境を向上させることを目指しています。

  • 平野友康

    • 経歴: 平野さんはメタコードの創設者で、デジタル革新と地域活動に関わる企業を運営しています。以前はデジタルステージを率い、複数のマルチメディアソフトウェアを開発しました。

    • 情熱と関与: 平野さんは、革新的なプラットフォームと技術を通じて人々をつなぐことに情熱を注いでいます。起業家精神を持ち、デジタルソリューションと地域開発を統合することで、瑞梅寺を未来指向の田舎町のモデルに変えようとしています。

  • 井上和雄

    • 役割: 瑞梅寺の中心人物であり、「オオキツネのカミソリを守る会」の会長として地域文化や環境の保全に尽力しています。

    • 情熱と関与: 地元への深い愛着と自然環境の保護を重視しており、地域の伝統と自然を保護・促進することに重点を置いて活動しています。

  • 高野雅晴

    • 経歴: 東京から来て、瑞梅寺の水車やダムに興味を持ちました。これは伝統的な工学と持続可能な実践に対する広い評価から来ている可能性があります。

    • 情熱と関与: 古い技術を現代の環境解決策に応用することに魅力を感じており、水車のような伝統技術が現代の用途にどのように利用できるかを探求しています。

地域の課題としての高齢化と後継者問題

瑞梅寺地域は、特に農業が中心でありながらも機械化が進まない中山間地域の特性を持っています。この地域性が原因で、若者の減少と高齢化が進み、地域の維持が難しくなっています。この問題に立ち向かおうとしています。
自然資源の活用と新たな可能性
三嶋氏と平野友康氏は、瑞梅寺の自然環境とそれがもたらす可能性について議論を交わします。特に注目されるのは、地域の温泉資源の活用です。平野氏は、「箱根に似た空気」と表現するほどの豊かな自然が観光資源としての潜在力を秘めていると指摘します。
地域の伝統と文化の再発見
地域のおばあちゃんたちが行っていた味噌作りやこんにゃく作りの体験活動が、一度は途絶えましたが、これらの伝統的な活動が若者たちに新たに受け継がれるきっかけとなる可能性があります。これは、文化の継承だけでなく、地域の魅力を再発見する機会ともなります。
地域コミュニティの活性化と未来への展望
対談を通じて、三嶋氏と平野氏は、地域コミュニティの強化と活性化が如何に重要かを再認識します。彼らは、地元の人々と協力しながら、地域固有の問題解決に向けた具体的なステップを模索し、瑞梅寺の持続可能な未来を構築するための道筋を提案しています。

対談

瑞梅寺:新しい希望を見出す地域活動の舞台
瑞梅寺との出会いと関わりの始まり

三嶋直子さんと瑞梅寺との関わりが始まったのは、地元の重要人物である井上和雄さんを取材したことからです。和雄さんは「オオキツネのカミソリを守る会」の会長であり、その活動を通じて三嶋さんは瑞梅寺のコミュニティと深い関係を築きました。この出会いは約3年前にさかのぼり、それが三嶋さんにとって瑞梅寺との本格的な関わりの始まりでした。

三嶋: わたしと瑞梅寺の縁は、井上和雄さんを取材。それが2~3年前かな。オオキツネのカミソリを守る会の会長としてわたしが和雄さんをインタビューして、広報「いとしま」の「糸島人」の人物紹介で載せたのが最初かも。元々私は和雄さんを知ってたけど、ちゃんと顔を見て向き合ったのは3年前ぐらいですね。

平野: じゃあ結構最近なんですね。

三嶋: うん、それよりも数年前に「のぞみ」という井上智稔信さんが生まれた家を改装した私設集会所に遊びにいきました。

平野: あー、この下にある家ですね。そこまで歩いていきましょうか?(歩き出す)

三嶋: その集会所で子供たちにいろんな体験をさせるっていうので、広報誌の表紙の写真を撮りに行ったことがあるんですよね。それがもう10年ぐらい前。

平野: 三嶋さんは生まれも育ちも糸島だから、瑞梅寺自体は子供のころから知っていたんですよね?

三嶋: そうそう、もちろん知ってた知ってた。
地元への愛着と自然資源の活用
三嶋さんの瑞梅寺での活動は、地元の子供たちに様々な体験を提供するプロジェクトから始まりました。この活動は彼女にとって大きな意義を持ち、瑞梅寺の持続可能な発展に対する考え方に大きな影響を与えたと言います。また、彼女は「SDGs探検隊」という企画を通じて、地域の中山間地の課題に真剣に取り組むようになりました。

平野: 三嶋さんが瑞梅寺での活動を本格的に始めたきっかけは何だったんですか?

三嶋: 実は、地域の子供たちに様々な体験を提供するプロジェクトを手伝ったことが始まりでした。その活動が私にとって大きな意味を持ち、地域の持続可能性について考えるようになりました。

平野: 最近は、「SDGs探検隊」という企画で瑞梅寺に関わっていましたよね?

三嶋: 「SDGs探検隊」は、和雄さんと知り合った後に、中山間地域の課題にちゃんと向き合おうっていうことになり、「それなら誰を訪ねる?」って考えた時に、やっぱ和雄さんだよねってなって。

平野: それで「のぞみ」に行ったと。じゃあ、今からそっちに歩いて行ってみましょうか。 で、実際にそうこう関わるようになってどうでした?

三嶋: なんといっても瑞梅寺の人たちは、地元への愛着がすごくて驚いたの。

平野: 瑞梅寺愛が深い。

三嶋: そうなの。どうにかして自分たちで守っていこうっていう姿勢があって。でも産業っていう産業がないというか、農業ではあるんですけど、やっぱ中山間地域独特の斜面が多くて機械が入らない問題とか。

平野: だから後継者がなかなか育たない?

三嶋: うん、地元の人たちもなんとかしたいなっていうところもあるけど、地元だけでは限界があるっていうのが今ですね。

平野: そこで「SDGs探検隊」の企画が生まれた?

三嶋: ええ。若者が減って、高齢化の問題と担い手不足の問題っていうのが浮き彫りになってはいるけど、じゃあ解決策として何が提示できるかっていうと、そこは正直ほとんど提示できなくて・・・。

平野: 「SDGs探検隊」でも解決に辿り着くのは難しかった、と。

三嶋: うん、ヤギが救世主になればいいね、ぐらいしか。というのは冗談だけど、啓蒙はできるけど、解決策は見つからない。

三嶋さんは、瑞梅寺の自然環境や地元への深い愛着を持つ地域住民の姿勢に感銘を受けました。瑞梅寺の人々は自分たちの地域を自らの手で守ろうとする強い意志を持っており、それが彼女の活動の大きな動機となっています。しかし、地元の産業が少なく、農業が中心であるため、斜面が多く機械化が困難であることから後継者問題も顕著です。

平野: ヤギは、瑞梅寺ダムの下のヤギですね。

三嶋: そうそう、草刈り、草食べてくれるやつ。瑞梅寺ダムの下の王丸地区は、若手農業者が頑張ってるのと、瑞梅寺と違って1枚の田んぼの面積が広いので、大型の機械でなんとかできるから、そっちはまだ希望としてある。

平野: 中山間地域は凸凹してるから厳しいですよね。

三嶋: そうなんです。だから「これやったらいいよね」っていう解決策は特になくて。瑞梅寺の人々は地元への強い愛着を持っています。ただ、産業が少なく、斜面が多く機械を導入しにくい地形なので、農業における後継者問題も深刻なんです。

温泉出ないかな?

三嶋: そういう行き詰まった時に、平野さんが「温泉出ないの?」って言い出して、少し希望を感じたんです。平野さんは瑞梅寺に来た瞬間に「ここには箱根に似た空気があるよね」っていうのを聞いて驚きました。それ以降、瑞梅寺にはまだまだ可能性いっぱいあるじゃんって今思ってワクワクしはじめちゃった。

平野: なるほど。安易に聞こえるかもだけど、僕は本気でそう思ったんですよ。水が豊かで、苔むしてて、ここには何かあるぞって。

三嶋: はい、私設公民館「のぞみ」に着きました。ここは瑞梅寺のおばあちゃんたちがここで味噌作りとかこんにゃく作りとか、いろんな体験を子供たちにさせてたんですよ。

平野: おお、確かにこの小屋で料理がちょっとできそう。

三嶋: そう。ここで火を焚いて作ってたんですよ。でもおばあちゃんたちも高齢になって、それもやめちゃって。で、今は高齢者サロンの場になってる。

平野: なんだっけ、あれ。卓球バレー。お、ここ、座れるかな?お、座れる座れる

三嶋: 座れる座れる座れる。じゃあ、座って話しましょう。

平野: で、僕がここに初めて来た何か月前に、なんかちょっと水豊かで、なんか温泉でも出ないかなって無責任に言ったんだけど・・・。

三嶋: 温泉が出るかどうかは怪しいけど、鉱泉は出るかもしれない。
泊まるの大事だよね

平野: そういうこと含めて、何日もただひたすらに滞在したらなんか分かるんじゃないかと思って今回滞在してるわけです。三嶋さんはこういう動きってどう思いました?

三嶋: いや、ほんと、それなんですけど、私自身も1週間も瑞梅寺に滞在するっていう経験がなかったわけですよ。地元だし。車で通りすぎるとか、いてもキャンプ1日2日でしょう? だとしても山の家で寝るか登山だけ。こんなふうに集落にどっぷり浸かるなんて考えてもいなかったですよ!

平野: どうでした?

三嶋: もうめちゃくちゃ新鮮。雨の瑞梅寺も、雨上がりの靄の瑞梅寺も、素敵だった。

平野: わかるわー。

三嶋: あと、靄がそれが晴れていく様子も美しかった。やっぱり滞在しないとわかんないことってこんなにあるんだ!って毎日が新鮮。

平野: ね!でしょう!? って、僕が言う立場じゃないんだけど(笑)。

三嶋: あはは。で、藤原神社も結構衝撃で!

平野: 3つある藤原神社!!

三嶋: そう! ここは瑞梅寺の中でも井原山組合っていう小組合で、この小組合のなかに2つ、西と東でそれぞれ藤原神社がある。

平野: 同じ名前の神社がひとつの集落の中にあるってどういうこと?

三嶋: で、この下の集落の中にも1つある。全部で3つ!

平野: よし、じゃあ今から最寄りの藤原神社行きましょうよ。えーと、こっちかな?(歩き始める)

三嶋: こっちから行きましょうか。お、ここ、通ったことない路地だ。車でまず通れないから・・・。

平野: 確かに。確かにいける。やばい、この道いいね!

三嶋: この路地、行ける。面白い。これは合宿じゃないと通らない道ですね~。

平野: お、ここ、いい家があるじゃないですか。

三嶋: ほんとだ。空き家かな?この道、めっちゃショートカットや。この高低差も瑞梅寺ならでは!

平野: しかもどこでも水が流れてるでしょ。これがね、箱根っぽいっていうか。

三嶋: 言ってましたね。そう、ゴーラ?

平野: こっちはね湯本っぽい。あっちの尾根の向こうは強羅っぽい。

三嶋: 藤原神社、つきました。ドローンついてこれるかな?

平野: 上空でついてきてますね。
みずみずしい瑞梅寺

三嶋: あのね、わたし、瑞梅寺に泊まって暮らすことで、明け方のモヤの感じとか、それが晴れていく様とか、その風景・表情たちは、滞在しないとわからない空気感、その時間の流れだったりすることに心動かされているんです。あとは、今歩いてみて初めて車じゃない道を、車じゃ通れない道を歩いてみて、すごく楽しい。

平野: うん、よかった。

三嶋: なんかね、生活。生活臭というか、「人がここに住んでるんだな」っていうのがわかるし、こうやって岩から水出てるんだみたいなのがリアルにわかってめちゃくちゃいいです。滞在しないとわかんないですね。うん、泊まらないと分からないことっていっぱいあるんだな。うん。

平野: ただ滞在しているだけなら、こんなの絶対目に入んないですよ。

三嶋: ブロックに生えてる苔とかをじーっと見たり。なんか神社あるの知ってたけど。藤原神社。この苔むしてる感じも来てみないと絶対にわかんない。

平野: ここにベンチがあったらお茶したい。

三嶋: うん。ちょっとベンチを置いたりして、最高だね。

平野: ちょこって置くだけでもいいかもね。

三嶋: 水と水、水と空気の、匂いというか。あとは、家とか、街並みとかが、いい。

平野: 僕は、僕らの取り組みがうまくいった時にそれが全国のお手本になるのかなとか、そういうことを考えちゃうわけです。下に畑があって、ダムがあって、集落があってっていう、その舞台設定を客観的に分析しちゃう。

三嶋: それは良いことなんじゃないですか?

平野: 良し悪しだと思う。もっと直感的に感じることのほうが大事だと思う。だから滞在したいって思ったんです。ただ話をすればいい、ただ歩けばいい。そうして過ごしていくうちに、だんだん、だんだん、こうちゃんと普通になっていく。舞台設定とかそういうんじゃなくて、いいよねって思う部分が増えてきて、瑞梅寺の普段の良さが見えてくる。そういうことが大事だと思う。

瑞梅寺の新たな可能性

瑞梅寺の持続可能な発展を目指して、三嶋さんと地元の人々は新たな可能性を模索しています。特に、平野さんが提案した温泉の開発は、地域の新たな観光資源としての可能性を秘めています。また、地域の自然を生かした小規模ながらも効果的な水力発電の導入も考慮されており、これらの取り組みが今後の瑞梅寺に新たな希望をもたらすことが期待されています。

三嶋: ところで昨日、高野さんがこの先にある水車小屋でアイディアを語りながら萌えてたじゃないですか。

平野: ああ、興奮してましたね。

三嶋: あれって、例えば水車を復活させたとしても、うん、大した電力は発生しないけど、それでもいいって言ってたじゃないですか。あのときの高野さんの萌えポイントってなんなんでしょう?

平野: 前提として、人が暮らしていく上で、いろんな技術を作ったりとか、人間は生きてるよねっていうのがあって、それは昔も今も変わらない。水は重力を使ってるんで。

三嶋: じゃあその話をしながら、川の向こうの水車小屋を目指しましょう。

平野: 昔はドスンドスンって粉をひいてたわけだけれども、次はそこで発電しましょうっていう話ですよね。

三嶋: はい。ここは「ギットン水車」っていう小屋の跡です。

平野: 昔はここで水車で。

三嶋: 水車の力で、棒柱を上下させて、米のもみを取るっていうことをしていました。

平野: で、今は壊れちゃってるけど、今度復活させて発電できないかなっていう話をしてたんですよね。

三嶋: でもね、なんか発電できたら面白いよねっていう話ではあったものの、その発電できる量って、家一軒分ぐらいじゃないですか。そんなの意味ないでしょう?って思ったんですけど、何があれほどに高野さんを興奮させちゃったんでしょう?

平野: それは多分、人類っていつも火を使ったり、水を使ったり、あるいはこの水車だったら水と重力を使っていろんなことをしてるわけじゃないですか。

三嶋: 電力が大きい、ちっちゃいよりも、そういう取り組みっていうのが面白いってことですか?

平野: こういう中山間地域でなんとなく草の根的に起こったら、その電力がちっちゃくても、それを大きくしてけばいいわけですよ。技術は世界中いっぱいあるわけですよ。でも、何かことを起こそうとか、それやろうぜっていうのが、なかなか生まれない。でも、生まれたら・・・

三嶋: それを大きくしてけばいいっていうのは、夢がありますね!あ、種がないと花が開かないよねっていうことですかね?

平野: そう、でも一度芽が出たら、それが連鎖して広がりやすくなるよねっていう。

三嶋: なるほど。わかりました。であればですよ、瑞梅寺は和雄さんを中心にそういうことをやろうぜ!っ集まる仲間たちがいるんですよね。70代。そういう結束力がある。

平野: 和雄さんの顔、いろんな人の顔が浮かんで、これから150人ぐらいの人たちの顔とか名前とかを覚えてくわけじゃないですか。

三嶋: そうです。

平野: それで、みんなでできることを考えるわけでしょ。

三嶋: そうそう、多分やりたいこといっぱいあると思うんですよね。地元の人たちも。

平野: それを聞きたい。

三嶋: 一緒にやれたらいいな。あ、宿に帰ってきた。はい、お疲れ様でした。

平野: ただいま~。

まとめ


私たちの今後の目標は、瑞梅寺が持つ潜在能力を最大限に引き出し、地域が自立して繁栄する手助けをすることです。温泉開発やエコツーリズムの促進など、具体的なプランを進めていく予定です。

コラム:瑞梅寺について

瑞梅寺は福岡県糸島市に位置する地域で、糸島半島の豊かな自然環境に恵まれています。この地域は、瑞梅寺川と雷山川が形成した糸島平野にあり、海と山に囲まれた特性を持っています。瑞梅寺川は特に洪水が発生しやすい地形で、過去には瑞梅寺ダムの建設や河川改修が行われて洪水対策が施されました。

糸島市の文化

古くからの製鉄の遺跡や、農業と漁業が主要産業として栄えています。市域は北部が玄界灘に面し、東は福岡市、南は脊振山地に接するなど、自然豊かな地理的特徴を有しています。特に観光地としても注目され、農産物や海産物を楽しむことができる地域となっています。

糸島市の気候

糸島市は温暖な気候帯に属しており、特に夏は高温になることがあります。この気候が農業や漁業、観光にとって有利な条件を提供しています。
瑞梅寺と瑞梅寺ダムの概観
瑞梅寺は福岡県糸島市に位置する地域で、その名を冠する瑞梅寺川が地域を流れています。この地域は自然が豊かで、特に農業と漁業が盛んです。瑞梅寺川は糸島平野の形成に大きく寄与しており、その流域には歴史的な洪水被害が数多く記録されています。これに対処するため、瑞梅寺ダムが建設されました。

瑞梅寺ダムの役割と特徴

瑞梅寺ダムは1977年に竣工し、主に洪水調節と地域の水需要を満たす目的で建設されました。ダムは福岡市内の水需要の増加と高度経済成長に対応するために必要とされ、1971年に着工しました。ダムの存在は、特に梅雨や台風の季節における洪水リスクを軽減し、安定した水供給源としての役割を果たしています。

環境への影響と今後の課題

瑞梅寺ダムの建設は地域の洪水対策には貢献していますが、ダムとその運用が周辺環境に与える影響も指摘されています。特に、ダム湖の上流での土砂堆積や生態系への影響が懸念されています。これに対応するため、堰堤改良事業や貯砂ダムの設置などが行われており、継続的な環境管理が求められています。

地理的要素

瑞梅寺と瑞梅寺ダムは、福岡県糸島市の自然環境と人々の生活に密接に関わっている重要な地理的要素です。ダムは地域の水管理システムとして不可欠な役割を果たしていますが、その運用と維持には環境への配慮が必要です。これからも瑞梅寺地域の持続可能な発展を支えるために、ダム管理と環境保全のバランスを取ることが重要です。

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