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古代の調理器具から食事の痕跡を発見! 考古学者が明らかにした昔の食生活


青銅器時代の食生活

考古学では長い間、古代の人々が何を食べどうやって料理していたのか謎でした。でも、2023年8月に発表された新しい研究で、約5000年〜4000年前のコーカサス地方の人々の食生活が明らかになりました。研究者たちはこの地域の墓から見つかった7つの大鍋から、8つの残り物のサンプルを集めて分析しました。
その結果、大鍋から血液、筋肉、乳のタンパク質が見つかりました。これらのタンパク質から、当時の人々がシカ、ヒツジ、ヤギ、ウシなどを食べ、肉や乳製品を調理していたことがわかったのです。研究者たちは、「こんなに昔の鍋で何が作られていたのかがわかるのは、とてもワクワクします」と話しています。「大きな鍋なので、家族のためだけでなく、宴会用の料理を作っていたのでしょう」と説明しています。実は、科学者たちは以前から、古い土器に残った脂肪や、歯に付着した歯垢に、昔の人々が食べたタンパク質の痕跡が残っていることを知っていました。今回の研究では、タンパク質の分析と考古学を組み合わせることで、これらの鍋で調理された料理の詳しい内容を明らかにすることができました。
金属の鍋には細菌を抑える働きがあるため、タンパク質が鍋の上で驚くほどよく保存されていたのです。土の細菌は、陶器や石の表面のタンパク質を分解してしまいますが、金属の上では抑えられるのです。大鍋には使用による傷みの跡が見られる一方で、修理された跡もありました。このことから、大鍋は価値が高く、作るのに高度な技術が必要で、富や社会的地位の重要なシンボルとして大切にされていたことがうかがえます。
研究者たちは、この研究で使われた方法が、古代の金属製品を調べる新しい可能性を示していると考えています。「タンパク質がこれらの鍋に残っているなら、他の多くの古代の金属製品にも残っているはずです」と話しています。

青銅器時代の料理技術:ポットと大釜が革新をもたらす

青銅器時代の人々は、さまざまな調理技術と道具を使って食事を作っていました。最も一般的な調理方法は、青銅、粘土、その他の材料でできた鍋や大釜を使用することでした。これらの鍋や大釜は、食べ物を茹でたり、焼いたり、煮込んだりするのに使われました。これらの調理器具の中には、炭の穴に埋められたり、大きな粘土や石の炉の中に入れられたりするものもありました。
青銅を調理技術に使用することは、熱伝導率が高く、より効率的な調理ができるという点で重要でした。青銅器時代には、食べ物を調理し、保存するための幅広い青銅器が開発されました。代表的なものとしては、三脚鍋や大釜などがあります。しかし、青銅製の調理器具はしばしば高級品であり、一般の人々にとっては、セラミックが依然として食べ物を加熱し、保存するための主要な方法でした。
青銅器時代の料理技術の革新は、食文化の発展に大きく貢献しました。効率的な熱伝導と耐久性を兼ね備えた青銅製の調理器具は、より多様な料理を可能にし、当時の人々の食生活を豊かにしたのです。今日の私たちの食卓に並ぶ料理の多くは、この時代の技術革新によって生まれたと言っても過言ではないでしょう。

資料

https://www.sciencedaily.com/releases/2023/08/230818135141.htm
https://www.tastesofhistory.co.uk/post/one-pot-cooking
https://peacefulheartfarm.com/cooking-through-the-ages/
https://journals.openedition.org/pm/737?lang=en


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