見出し画像

[ プロファイリング ] identityにまつわる30の評価軸① 親の厳しさが人格形成に与える影響

つい先ごろ、主に鋭利組織や公的機関で働く社会人を対象とした、プロファイリングスキルの向上、及びプロファイリングを提供する旨のサービスを立ち上げました。

>> Phieel

これにあたり、人物を評価する上での実戦的、かつ誰でも簡単に身につけることができる30の評価軸について、一つずつご紹介していきたいと思います。

今回の軸は1つ目である、

1.親の厳しさ

についてです。その人自身の性格(personality)について、親の与える影響の度合いについては微小であるという研究もあるようですが、ここで展開する話題は、性格というよりは、より普遍的なリスク志向(risk preference)職業の選択(career decision)について主に言及し、その結果としての意思決定能力の方向性について論じていきます。

参考 >> あなたの性格のうち親の影響は何%?に答えが出た件

そもそもIdentityとは何か

そもそもidentityとは何のことを指すのでしょうか?これは性格(personality)とは別物なのでしょうか?結論から言えば全く別物です。

通常性格と呼ばれるものが具体的に言及するのは、ある出来事が起きた際にその人が見せる感情や、即座に顕れる所作や行為についてです。あの人は優しい・誰々さんは勇気がある・この人は粘り強い印象がある、といった類のものです。

しかし実際のところ、そうした特定の人物に見せる表情や感情の吐露は、一時点であったり、極めて短期的な現象に過ぎないのが通常で、どんな人でも長い目で見れば、喜怒哀楽のバランスは相応に取れているものでもあれば、興味がないことに対してはモチベーションが低く、夢や希望に向かっている状況では前向きであるものです。

これに対しIdentityというのは、もっと長期的な視点に基づくものです。平たく日本語に訳すと、その人らしさ、ということになります。その人らしさとは一体なんでしょうか。先天的に生まれついた、認識の仕方の得手不得手もそうでしょうし、生まれ育った環境の場合もあるでしょうし、ある日突然訪れた原体験が、その後のその人の行動や意思決定を長期持続的に変化させる場合もあるでしょう。

その人らしさを形作る要素は決して、短期的なもの、一過性のものではないのが通常です。短いと数日、長いと数年単位で変化が起きることがない性格に対し、その人らしさは5年10年、場合によっては一生変わることがない要素であるはずです。そしてこうした、長期的にその人の意思決定に影響を与える要因を、統計学や生理学的な視点から見抜いていこう、というのが、私の考えるプロファイリングです。

Identityにまつわる30の評価軸①親の厳しさ

では本題に入りましょう。まずはご自身の子供時代を振り返ってみて、自身の親の厳しさはどの程度のものだったのか、どういった方向のものであったのか、思い起こしてください。やや難しさがあるのは、人間の記憶というのは風化したり、美化される傾向が多々あるため、当時の構図を客観的に再現する、ということは極めて困難ではあるのが通常なのですが、ここではとりあえずは無視しておきましょう。この記事では厳しい親のステレオタイプとして、3つの場合を挙げ、最後に甘やかされた場合を見てみたいと思います。

Case1 : 学習対象やかかる負荷について制限やプレッシャーをかける
Case2: 単純に理不尽である(生存バイアス)
Case3: 異常に厳格である(ストイックすぎる)

ここから先は

3,021字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?