コーヒーに最適な天然水を探し求めて

一般的に手に入る製品の中でコーヒーに最適な天然水は、小田急で取り扱っている「箱根の森から」なのでは?

最近、コーヒーを淹れるための水を探していたので、そのことについて書いてみたいと思います。

まず、検索してみると以下の記事でコーヒーに使用する水について行われた、あるプレゼンテーションについて言及されていて、その動画はYouTubeにも存在しています。

近年コーヒー業界では、水の重要性とその科学的な理解が深まってきました。その大きな契機となったのが、2014年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップでイギリス代表のMaxwell Colonna-Dashwoodが行ったプレゼンテーションです。彼のプレゼンテーションは、イギリスのバース大学に当時勤めていた、Christopher Hendon との共同研究を通して、水がコーヒーの味わいに影響を与える科学的な背景を詳しく説明したものでした。

https://diamond.jp/articles/-/227077?page=2

この動画の中で以下の図が出てくるのですが、つまり、硬度と炭酸塩硬度(炭酸水素イオン濃度)の数値によって、コーヒーもしくはエスプレッソに適した水があるのだそうです。

縦軸:硬度 横軸:炭酸塩硬度(炭酸水素イオン濃度)

そうとなれば、後はその数値に当てはまる天然水を探すだけなのですが、日本の天然水は多くが硬度30mg/L前後の軟水で、この図においてコーヒーに適した水として示される硬度100~150mg/Lの「中硬水」は、そもそもそれ自体とても少ないということに気付きました。

小田急の天然水「箱根の森から」

数少ない候補の中で良さそうなのが、小田急で取り扱っている「箱根の森から」という天然水でした。メーカー公称値では硬度120mg/L、炭酸水素イオン濃度65mg/Lです。
数値上はどちらかというとエスプレッソ向きで、コーヒー用途としてはギリギリのラインといったところですが、炭酸水素イオンの数値が記載されている製品というのも少なく、これより良さそうな天然水は私が探した限りでは見つかりませんでした。

もう1つ、数少ない中硬水でファミリーマートが取り扱っている「霧島の天然水」というものを検証していたのですが、こちらは炭酸水素イオンの数値が高すぎるため完全に範囲外となってしまいました。
炭酸水素イオン濃度はメーカー公称値がなかったため試薬を使用し125mg/Lという数値を測定したのですが、同じ試薬を使用して「箱根の森から」を測定するとメーカー公称値65mg/Lを下回る53.4mg/Lという値が出たため、実際は「霧島の天然水」の炭酸水素イオン濃度も125mg/Lより大きい(適した範囲から更に離れる)のかも知れません。

理想的な天然水が無ければ作り出すしかない?

私がコーヒーに最適な水として探していたのは硬度130mg/L、炭酸水素イオン濃度50mg/Lの天然水でした。
既製品の中からは、その数値ジャストのものを見つけることはできませんでしたが、例えば、複数の天然水をブレンドすることで1L中の成分を理想的な数値に調整するといったことは可能なのではないかと考えています。
今回は一般的に流通している製品から理想に近いものを探しましたが、次回は複数の天然水をブレンドして理想的なコーヒー用の水を作り出すという方向で探ってみようかと思います。

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