028卒業アルバムが作られ続けるために
卒業アルバムと学校写真のエキスパート 田賀谷浩です。
いつもご愛読くださりありがとうございます。昨日はアルバム印刷会社の担当とお話しする機会があったのでそこでの話題から。
時代はプロダクトアウトからマーケットインへ
まずは用語の一般的な定義の確認から。
プロダクトアウトとは、会社の方針や作りたいもの、作れるものを基準に商品開発を行うこと、片やマーケットインとは、顧客の意見・ニーズを汲みとって製品開発を行うこと と言われています。
かつてのモノづくりは、専門的な知識や機材を所有している者が作り手となり、彼等の作れる物が商品として世に出回りました。今ではどうでしょう。スマホで撮った映像でTVCMや劇場映画やが作られるなど、ほとんどの物を作り出すための機材が簡便で安価になったこともあり、特別なスキルや経験を持ち合わせずとも誰もが形に出来る時代となりました。
卒業アルバムもご多分に漏れず、かつてはカメラを所有し操作を滞りなく行いプリントや印刷をしてくれるコネクションを持たないと制作がままならないものでした。恥ずかしながら今でもその頃の感覚のままプロダクトアウトな感覚で制作に携わろうとしている同業者の なんと多いことか・・・。
今やサイトに載っているテンプレートにスマホやコンデジで撮った画像を流し込めばとりあえずは誰でも形に出来るのが現状だというのに。
潜在欲求を汲み取るなら
如何にすればマーケットインで卒業アルバムを制作出来るのか?
そのためには「如何に顧客の潜在欲求を読み取って、形として提案していくか」が必要です。
まずは自身が専門分野に精通するした上で「これなら自分でしか作り得ない」という術を持ち合わせながら「ええかっこしい」はせずに。そして世の趨勢を見渡してこれなら受け入れて貰えるかもという仮説を元に、今までに無いものを提案することでしょう。
どうせ買うなら・・・
自分たちでも作り得る物を、多額のお金を支払ってまで他人に作って貰っても構わないと思える心理はどこに由来するか?
ひとつの答えは「この人から買いたい」ではないでしょうか。
「ちょっとした、でも明確な違い」「なんとなく気持ちがいい何か」を感じさせるか否かなのかと。
かつて電器製品を買う時はいつも秋葉原にあった石丸電器さんでした。他の量販店では当たり前だった声がけをしないが経営のポリシーだったこともあり、人に声をかけられるのが苦手だった私は店頭でじっくり商品を見比べてこれを買いたいと決めてから買う人だったので、自然と「この店で買う」になっていたのです。
でも突き詰めればやっぱりプロダクトアウト
他者との違いを感じさせるなんとなく気持ちいいこと を一言で片付けるとしたら「ひとひねり」ではないでしょうか。この一工夫がいいんだよね、と思ってもらえると、ちょっと高くてもそれを欲しくもなるし、人にも伝えたくもなるものです。
その「ひとひねり」は作り手の側のアウトプットですからプロダクトアウトなのですが、なんとなく気持ちいいという感情は、顧客の「あったら欲しいが あるはず無い」という思いをいい意味で裏切り、潜在意識をくすぐった結果 表出してくる感情です。
百人いれば百通りの「ひとひねり」があるわけで、百人百様のくすぐり方で気持ちいいを引き出していければ、作って欲しいという卒業アルバムが残り続けるのではないかと思います。
だいぶ長くなったので掘り下げは次に譲るとして今回はこの辺りで。最後までお読みいただきありがとうございました。
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