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学校の水の問題

カンボジアで衛生教育をやろう! というときに、真っ先に行うのが、手洗いとうがい、それから歯磨き指導など。身の回りを清潔にすることは、健康絵の第一歩。そこで、重要になるのが、安全な水です。

カンボジアの小学校の水は安全なの?

カンボジアの小学校すべてに水道があるわけではありません。地方の家庭には上下水道は整っておらず、水は、給水車のようなもので売りに来るのを買うか、井戸を利用するか。学校の場合は、井戸を掘って利用するのが主な水の確保の仕方となります。
問題は、井戸の水が必ずしも安全ではないということ。掘ってみたらヒ素が出た、などという事例もあります。

学校で安全な飲み水が確保できない場合は、自宅から煮沸消毒した水もしくはお店で買ったペットボトル入りの水を子どもたちが持参することになっています。カンボジア教育省では、一人当たり少なくとも500ミリリットルの水を持参するよう定めています。また、その場合、水質について学校でチェックできないので、子どもたちがお互いの水を交換することは禁止されています。

トイレや手洗い場の水はどうしているの?

井戸水を定期的に組み上げて、給水タンクにためておき、トイレの水や、手洗い場等に利用する学校も多くあります。教育省から、各小学校の校長先生に対して、水の確保を義務付けているため、保護者やコミュニティに寄付金をお願いして、井戸を掘ったり、給水タンクを購入するなど、それぞれの学校が工夫をしているようです。

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場合によっては、校長先生が日曜大工で、給水タンクを設置する台や、水道管をつないで、手洗い場の設備を整えている学校も見たことがあります。

病気を防ぐためにも石鹸を使った手洗いを

石鹸による手洗いが、病気を防ぐためにとても効果があることは、昨今とくに注目されています。2020年7月現在、カンボジアのすべての学校は休校状態にありますが、保健省からの呼びかけもあり、各家庭でもしっかり手を洗うことが習慣になりつつあります。
石鹸を確保することも容易なことではないかもしれませんが、感染症予防の観点からも、学校が再開されたとき、手洗い用の水や石鹸が確保されていることを期待しています。

ところで、水道が通った学校の興味深い話を聞いたことがあります。
水道が通ってよろんでいたところ、夜中に、近隣住民が学校の水道の水を盗みにくるという問題が発生し、せっかく通った水道を止め、また井戸水に戻した、という話しです。

カンボジアの学校での水の問題は、日本では想像できない問題もはらんでいるようです。


(プロジェクトコーディネーター YM)

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