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ピンクのカラーテスターが懐かしい?

学校保健を教える上で、「歯の健康」は身近にあって重要なテーマです。2025年からカンボジアでも小中高で科目化されるわけですが、学校保健の教師を育成するプロジェクトでも、もれなく、「歯の健康」について学び、教え方のトレーニングをしていきます。6月末のトレーニングでは、教員養成大学で保健指導教官となる教官たちと”歯を磨いてみました”。

カンボジアでも手に入ったカラーテスター

日本では、小学校の頃にピンクのカラーテスターで汚れの染め出しをして「あたなの磨き方はこんなにだめですよ」なんて指導を受けたことがある人も多いのでは?
わたしは歯並びの悪さがコンプレックスだったので、うまく磨けていたなったらしく、ひどくダメ出しをされたものです。なので、カラーテスターが大嫌いでした。「カンボジアでも手に入るのか?」
と、歯科医に聞いてみたら、オルセーマーケットの近くの歯科関連の問屋で売っているとのことで、買ってきたピンクのタブレット。さっそく、トレーニングの前に教官たちに送っておきました。ビニール袋に入ったピンクの錠剤を怪訝に思ったことでしょう。

初めての染め出し

「口の中で粉々に砕いて舌を使って歯の隅々までタブレットの粉を行き渡らせてください」
そう言われて、取り組む教官たち(と、わたしたちスタッフも)。みんな眉間にしわを寄せ初めての味と間隔に不安な表情を見せていました。
「さて、みなさんの歯をカメラに向かって見せてください」
イーと見せてくれたピンクの歯を見て、参加者たちが大爆笑。みなさん大学の教官たちですが、子どものように、やれ「あなたの歯は染まりすぎ」だの、やれ「わたしは全然つかなかったから歯磨きが上手なんだわ」だの、大いに盛り上がりました。全員初体験だったんですね。

歯の磨き方の指導を改めて

それから各自歯ブラシを持って、ピンクに染まったところを中心に、歯磨きをしました。闇雲に磨くのではなく、東京学芸大学のプロジェクトメンバーが、見本を示しながら、改めて、「正しいはの磨き方」「歯ブラシの使い方」を学んだのでした。
わたしは歯列矯正の経験があり、歯の磨き方は人一倍気をつけているつもりですが、明らかに、カンボジア人の教官より、ピンクに染まっておりました......。

指導に取り入れてみたい

染め出しから歯ブラシの使い方まで体験したあと、参加者から多くあった質問が、「カラーテスターはどこで買えるんですか?」「学生にもやってもらって指導に取り入れてみたい」というものでした。参加した教官たちは自分自身が体験して楽しかったり、発見があったりしたことを、これから教師になる学生たちにも体験させたいと考えたようです。結果に納得いかなかったようで自分がもう1回やってみたいという人もいましたが、笑。

体験することで指導が生き生きする

プノンペンでは購入できますが、まだまだ一般的とは言えないカラーテスター。指導に取り入れるかどうかは、プロジェクト側の今後の検討課題としても、教える側自身が体験するかしないかというのは、保健教育でも重要なポイントのように感じました。
たとえば、自分に指導してくれている教官が、その人自身の経験を交えて話してくれているときと、書物や人から聞いたことを話してくれるとき、温度差がありませんか? 前者の方が生き生きしているというか。実体験がある方が、伝わり方も深いような気がするんです。

そう考えると、今回のカラーテスターの染め出し体験は、彼らが歯磨き指導をするときの、なんらかのトリガーになるのではないか、と考えています。
「あ、やばいのは隙間ですからね」とか。

(プロジェクトコーディネーター YM)

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